脊髄反射で”Yes”と”No”を使えるようになりたいあなたへ
【英語赤点人生の幕開け】
もうかなり前のことになりますが、私は英語がまったくダメでした。
高校に入学する、ほんのすこし前のできごとだったでしょうか。
入学のためのオリエンテーションを終えた私は、『予習』と称された、春休み期間中にしなければならない大量の宿題をもって、学校から帰ってきました。
その中には『英文法』という、なにやら名前だけはカッコいいテキストが入っていて、私は興味本位で中身をのぞいてみたのです。
……やめておけばよかった。
そこでは"S"やら"V"やら"O"やら"C"やらの、アルファベット記号でできた恐ろしいヘビが、教科書の上を我が物顔でうねうねと這っていました。(もしかしたら、筆記体をみてそう思ったのかもしれません笑)
私はこわくなり、思わずテキストを閉じました。
そして悟りました。
きっと私は最後に希望の残らないパンドラの箱をあけてしまったのだ、と。
これが、私の英語ダメダメ人生のきっかけです(笑)。
【なぜかイエスマンになってしまう
超常現象】
そんな私でしたから、都会で本格的に英語の勉強をしはじめた当時は、しばらくこんな調子でした。
【外国人観光客(以下『観光客』)】"Hi! I am here for sightseeing. I`m looking for Shinjyuku station now." (やあ!ここには観光で来たんだ。いま、新宿駅を探してるんだけど……。)
【私】"Oh...Hi..."(うわっ!英語全ッ然分からない……どうしよう。)
【観光客】"Do you know where?" (どこにあるか分かる?)
【私】"Ah...yes..." (何言ってるか分からないけど、とりあえず愛想よく”Yes”って言っておこう……。)
【観光客】"Oh! You don't know, do you?" (お!もしかして知らないの?)*たぶん私が自信の無さそうな顔をしていたので、心配になったのでしょう。
【私】"Hmm...yes?"(えっ……なにそれ?don't?do you……?肯定?否定?どっち?)
【観光客】"Huh...? You know? Please tell me how to get there?" (は?知ってるの?どうやって行ったらいいか、教えてくれない?)
【私】"Agh---! Yes, yes, yes!!!" (もうどうにでもな~〜〜れ!!!(魔法))
外国人観光客は気味が悪くなったのか、その場から逃げるようにそそくさと去っていきました。
このままで本当に留学できるんだろうか……?
とても落ち込んだのを、今でも鮮明に覚えています。
しかし勉強し続ける中で、ある1つの真実を知ってから、私は"Yes"を返せばいいのか、"No"を返せばいいのか、頭でいちいち考えなくとも脊髄反射で分かるようになってしまいました。
【"Yes"と"No"を脊髄反射で選択する
最高にシンプルな方法】
じつは"Yes"と"No"を正しく選択するには、ちゃんとしたコツがあります。
それは『質問の形式に惑わされない』こと。
極端な話、そんなものは無視しちゃえばいいのです!
例えば『あなたがオニオンが好きかどうか』を英語で訊かれた場合、質問のバリエーション(形式)は以下の4つあります。
①"Do you like onions?" 訳: オニオンは好き?
②"Don't you like onions?" 訳: オニオン好きじゃないの?
③"You like onions, don't you?" 訳: オニオン好きなんだよね?
④"You don't like onions, do you?" 訳: オニオン好きじゃないんだよね?
それぞれの訊かれ方に対し、一体どう答えたらよいのでしょうか?
考えれば考えるほど、頭が混乱してきますね(笑)。
えっ?もうすでに、考えるのがめんどくさくなっちゃったって?
もうちょっとだけ、我慢してください(笑)
苦手なことだからこそ、シンプルに考えることによって、このもやもやをスッキリと晴らすことが出来るのですよ。
英語に苦手意識のある、あなただからこその大チャンス!
お約束します。
まっさらな状態で次を読みすすめれば、スッと頭に入ってきますから。
そもそも、実際①〜④のような質問にたいして、ネイティブがいちいち考えて返事をしていると思いますか?
ここでは、あなたはオニオンが好きだとしましょう。
この場合①〜④のどの質問にたいしても、あなたはただ、
"Yes, I like onions."
と答えればいいだけです。
反対に、あなたがオニオンを好きじゃないとしましょう。
このときは①〜④のどの質問にたいしても、あなたは
"No, I don't like onions."
と答えればいいのです。
ね、簡単過ぎて拍子抜けしちゃいましたか?
簡単にまとめると『好き』か『好きじゃない』かと訊かれて、"Yes"か"No"を要求されたときは、どのような質問のバリエーション(形)で訊かれようとも、好きなら"Yes"、好きじゃないなら"No"です。
もっと簡単に、段階を踏んで言い換えるなら、
【STEP1】
相手の質問の形は4種類のうち、どれだろうが関係ありません。(訊かれ方に関しては、もはや無視をするつもりで。次のSTEP2で、自分のキモチを伝えるぞ!という心構えが大切です。)
何の二択を迫られているのか (二択のコアを捉える)、を理解するつもりで集中して聴きます。
【STEP2】
どのような訊かれ方だったとしても、けっきょく今回は『好きか、好きじゃないか』を訊かれてるのですから、
好きなら"Yes"。
好きじゃないなら"No"を選択します。
どうでしょう、簡単ではないですか?
何だかできそうな気がしてきましたか?(笑)
好きなら"Yes"。好きじゃないなら"No"です。
ぜひ、今度から意識してやってみてください。
*【Advanced(補足)】文法用語で説明すると、肯定文で返したかったら、"Yes"。否定文で返事がしたかったら"No"という理解もできますよ。
"Yes"と"No"の使い方についてはこれで全て終わりですが、次からは日本語と英語の違いについて、もっともっと深い話をしていきます。
興味のある方は、最後まで読み進めてみてください。
もしもそこまで興味が無ければ、ツーっとスワイプして、直接コメント欄にお越しください。
そして、読み終えての感想や分からなかった所、『次回私に説明して欲しい英語分野のリクエスト』などがあれば、書き込んでください。
私が七本のしっぽを全力でふりふりして喜びます(笑)。
【"Yes"と"No"は、はい、いいえではない】
ではどうして英語が苦手な人達は(昔の私のように)、英語で質問されるとついついイエスマンになってしまうのでしょうか?
それは……私たちが日本人だからです!(こう見えて大真面目です!)
おそらく中学校のころに"Yes"と"No"を『はい』と『いいえ』で訳をさせる弊害が、しらずしらずのうちに染み付いてしまっているのだと思います。
皆さんもすでにお分かりのように、日本語と英語は別のルールで動いています。
言ってみれば、将棋とチェスのようなモノです。
"Yes"を『はい』、"No"を『いいえ』と訳させるのは、将棋のルールでチェスをプレイしようとするのと同じでしょう。
もちろん"Yes"と"No"が『はい』と『いいえ』ではない証拠も、ちゃんとあります。
それは質問に対する、日本語と英語双方の『答えかたの違い』を比較することによってすぐに分かります。
例を挙げましょう。
あなたは彼女のななみちゃんに呼び出され、突然こんな質問をされました。
①: Nanami「私のこと……すき?」
②: Nanami「私のこと……すきじゃないの?」
③: Nanami「私のこと……すきだよね?(↗or↘)」
④: Nanami「私のこと……すきじゃないよね?」
ちなみに設定上、あなたはNanamiちゃんが死ぬほど大好きです。
それを踏まえて、①〜④の質問に答えてみてください。
では分かりやすくするために、4つの質問とただしく対応した受け答えを、一気にまとめて英語にしてみましょう。(訳も付けちゃいます)
①"Do you love me?"⇐"Yes, I do."
(私のことすき?⇐はい、すきです。)
②"Don't you love me?"⇐"Yes, I do."
(私のことすきじゃない?⇐いいえ、すきです。)
③"You love me, don't you?"⇐"Yes, I do."
(私のことすきだよね?⇐はい、すきです。)
④"You don't love me, do you?"⇐"Yes, I do."
(私のことすきじゃないよね?⇐いいえ、すきです。)
アレ……Nanamiちゃんのことが死ぬほどすきな設定なのに、何だかひどく素っ気ない塩対応になってしまいましたが、ひとまずこれが正解ですね。
さて、それぞれのペアをよーく見てみてください。
英語ではどの返事も"Yes"なのに、日本語訳では『はい』と『いいえ』が逆転してしまう現象に、皆さんは気がついたでしょうか?
どうしてこんな違いが現れるかというと、質問に対する2つの言語の性格がまるで異なるからなんです。
【日本語では、相手がした質問を一旦受け止める必要がある。】
【英語では、相手の質問に対し自分の意見さえハッキリ言えればよい。】
つまり日本語の返答は、もともと二段構えってことなんです。
相手の質問が事実と合っているかどうか、まずは『はい』と『いいえ』で受けとめる。
思いやる。
それから、自分の意見を言います。
これが日本語独特の奥ゆかしさにつながっているのだと、私は考えています。
逆に、英語は相手の質問の形式にとらわれず、自分のキモチを分かりやすくストレートに表現することに優れた言語です。
ディベート向きなのも、うなずけますね。
"Yes"と言えば『○○なんだよ!』を、反対に"No"と言えば『○○じゃないんだよ!』を伝える宣言になるわけです。
このように2つの言語を比べることによって、"Yes"と"No"が、『はい』と『いいえ』ではない理由が、ハッキリと浮き彫りになったでしょう?
【おわりに―英語は暗号ではない―】
いままで"Yes"で"No"の英語質問をされて、ドギマギしていたあなた。
ここまで読み進められれば、今度は胸を張って答えられますね。
まずは【STEP1】で質問のコア(何の二択なのか)を見つけましょう。
例: "Aren't you going to live in Canada, are you?" ⇐この質問のコアは『住むつもりなのか』、『住むつもりはないか』。
【STEP2】で質問のコアに対して、自分のキモチを考えてみます。
例: 『住むつもり』⇒"Yes"、『住むつもりではない』⇒"No"
この2つのステップにそって訓練しつづければ、あなたにもすぐに英語の『"Yes"、"No"ルール』が身につきます。
英語は暗号ではありません。
日本語と同じで、キモチを伝えるきちんとした手段なのですよ。
全ての言語には、大切なキモチを伝えるためにルールがあるんです。
英語のルールを理解すれば、もっともっとあなたのキモチが相手に伝わるようになるはずです!
――ななびのちっちゃなあとがき――
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。この記事は投げ銭制です。あなたに何か1つでも得るものがあったとしたら、心ばかりのお気持ちをいただければ嬉しいです。
それから、このページを閉じてしまう前にぜひ、私にレスをください。
感想や補足して欲しい所。
英語に関して、あなたが私に説明して欲しいと思う分野のリクエスト。
好きなことを書き込んでください。
質問の質が、学びの質を高めます。
私も、七本のしっぽをふりふりして喜びます(笑)。
ちなみにこの後おまけとして、疑問文の種類についてちょっとした補足を交えながら書いています。おつまみ程度ですが、召し上がれ。
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私はいま全国でヒーリングの旅をしようと、画策しています。もしも、サポートいただけたら、それは旅の資金にしようとしていますので、私の作品に少しでも感銘を受けてくださいましたら、ぜひ、サポートよろしくお願いします。旅のレポートが書けるのを楽しみにしています。今からワクワクです☆☆☆