三位一体のGO:はなれる、うごく、むかう
ななびの『世界一くわしい基本単語の使い方』シリーズにようこそ。
新企画をはじめてみました。
本当は、メルマガか何かの限定的的読み物として、ひとつひとつ丁寧に紹介していこうと思いましたが……気が変わりました。
『与えたものが、得るもの』という原則通り、これから私も解説の詳しさにおいての出し惜しみをいたしません。
そういうわけで、本当に英語の感覚を得たい人は、どんどんお気持ちがおもむくままに、私からもらっていってくださいね☆
今回は第一回ということで、みなさんに馴染みのふかい英単語ナンバーワンを解説したいと思います。
みなさんすでに、お気づきかと思いますが『go』です。
では私が、この奥深い『go』の世界へと、みなさんをお連れいたします。
【『GO』のコアイメージと連想ゲーム】
『go』= 行く、と日本語訳しただけの理解の深さですと、『go』の多彩な意味をとらえることが、難しくなってしまいます。
英単語を憶えるのではなく、身に付けるためにはコツがあります。
ざっくりと基本イメージをとらえ、ただしく使われている用例にたくさん触れて、慣れることです。
英語の意味を取るとき、頭が固くなってしまうのも避けたいですよね。
そういうワケで、単語を使いこなす際には、まず、基本イメージをしっかりととらえる訓練をしましょう!
『go』の一番のコアイメージは『その場からはなれてゆく』というもので、そこから何種類もの意味が、連想ゲームのように派生していきます。
そして『go』は、単独でできるアクションなので、対象物(目的語)を取らないことを、いま一度実感してみてください。
つまり、主語が〜する(or〜になる)という意味で完結しますので、覚えておくといいでしょう。
『go』には、大きく分けて3つのイメージがあります。
それは――
①はなれる(出発する、始点が意識されます)
②うごく(移動中であったり、進行中であることを表わします)
③むかう(到着する、終点が意識されます)
の3つです。
ではこれから、ひとつづつフォーカスして、イメージを爆発させていきましょう!
【①はなれる】
Takuya goes to high school every day.
(タクヤは毎日高校へと通っている)
いわずとしれた『はなれる』の用法、ここから『行く』という意味がうまれます。
英語を習いたてのときに、はじめて遭遇した訳し方かもしれません。
その根底には『その場からはなれる』というイメージがありますね。
よく使われる表現として次の2つを挙げておきます。
『go and 〜』: 行って〜する
Where has he gone? Can you go and find him? (会社にて)
部長「彼は一体どこに行ってしまったんだ。きみ、ちょっと行ってみつけてきてくれないか?」
『go + 〜 ing』: しに行く
I usually go swimming in the gym after school.
(いつも学校が終わるとジムに泳ぎに行く。)
さて、その場からはなれるということは、イメージを広げていくと『はなれて、きえる』に繋がっていくのです。
My grandfather has gone these days. He was over 90 years old.
(最近おじいちゃんが亡くなった。もう90歳以上だった。)
私のおじいちゃんは離れてしまってもういない⇒亡くなってしまった、という連想ができますね。
次からは英語をつかいなれていないと、恐怖感や抵抗感があってなかなか思いつかない表現を紹介していきます。
『go』を使いこなすには『人以外のさまざまなものでも”go”できるのだ』という風に、認識できればOKですよ☆
そうすると、自然とあなたの思考は英語話者のそれへと近づいていきます。
【さまざまなものが、動いてはなれてゆく】
The pain in my stomach has gone now.
(胃の痛みがはなれて、今はいない⇒痛みが消えた、ということ。)
All my money has gone for the tuition fee.
(全てのお金が学費のために、はなれて行ってしまった⇒お金が無くなってしまった、ということ。)
進行形を使うと、はなれていく途中の様子も表せます。
Her eyesight is going.
(彼女の視力がはなれていく途中である⇒視力が悪くなってきている、ということ。)
変化球として【良い状態(通常状態)からはなれて、悪い状態になる】という意味も表わすことができるので、覚えておくと良いでしょう。
He went mad because a fresh man had been very rude.
(新入社員のひとりがあまりにも態度がわるく、彼は怒ってしまった。)
心がおだやかな状態からはなれて⇒怒った状態へ
The meat went bad. I was about to cook it but I noticed it at the last moment.
(肉がくさってしまった。料理するつもりだったけれど、すんでのところで気が付いた)
新鮮な状態からはなれて⇒悪くなってしまった状態へ
【②うごく】
『go』にはその場からはなれていく、という基本イメージにくわえて、何かが移動していく、流れていく、動的なイメージがあるので、これから紹介するような使い方にぴったりです。
Dollars go anywhere in the world.
(ドルは世界のどこでもうごく⇒世界のどこでも通用する、ということ。)
【話や物事の流れ、推移】
As the proverb goes, "A picture is worth a thousand words."
(ことわざの内容が流れている⇒訳: ことわざも言っている通り、”百聞は一見にしかず”だよ。)
ことわざとは昔から今までずっと伝えられてきて、情報としてまだまだうごいているものですよね。
Do you know how the first line of this best-seller novel goes?
(小説の一行目が流れている⇒訳: このベストセラー小説のはじめの一行って、どんなんだったか知ってる?)
The story goes that the husband ran away from his wife because he was having an affair.
(話が流れている⇒訳: その夫は浮気をしていたので、妻からにげた、という話だ。)
『say』の使い方に非常によく似ています。
A: How is it going?
B: Thank you for asking. Everything is going well thanks to my family.
A: 今を取り巻く環境(it)は、どううごいているのか⇒調子はどうだい?
B: 訊いてくれてありがとう。家族のおかげで、全て順調だよ。
(全てがうまくうごいている⇒うまくいっている、ということ。)
The book written by him for the first time is going very well.
(彼がはじめて書いた本が、うまくうごいている⇒売れている、ということ。)
withとともに使うと、何か2つのものがならんで、平行に移動しているイメージが湧いてきます。
そこからの連想で、こういう使い方も出来ますよ☆
That shirt doesn't go with your jacket.
(あのシャツときみのジャケットは一緒にうごかない⇒シャツとジャケットが合わない、ということ。)
Nanami doesn't go along with her secretary on the issue.
(ナナミと秘書は一緒にうごかない⇒その問題について、意見が合わない、ということ。)
I'll go with your opinion. (同僚に意見を訊かれて)
(私はあなたの意見と一緒に動くよ⇒賛成だよ、ということ。)
じつに様々な表現ができて、楽しいですね(*´ェ`*)
【③むかう】
『go』のイメージは、はなれて、うごいて、それから終点へと向かいます。
He had a severe accident and he went into a vegetative coma.
(彼はひどい事故にあって、植物状態に陥った。)
事故に遭い、植物状態という最後にたどり着いた、ということ。
Where do the dishes go?
(この皿はどこに向かうのか⇒皿はどこにしまったらいい?)
How far does this road go? It goes to Yokohama.
(この道路はどのくらい遠くまで向かって行くのか⇒この道路はどこまで続いているのか)
This cord won't go as far as the wall outlet.
(壁のコンセントまで向かっていかない⇒コードが壁のコンセントまで届かない、ということ。)
さらに他の言葉と組み合わせると、基本イメージにくわえて、もっといろいろなことを表現することができます。
【覚えておいて欲しい『go』を使った言い回し】
『go off』: 出発に視点があれば、何かがよーいドンで発生するという意味に。終着点に視点があれば、消えてしまうというイメージがあります。
The alarm clock has just gone off.
(目覚まし時計が鳴った。)
The light on the ceiling went off, so we had to go and get another light bulb.
(天井の電気が切れてしまったので、私たちは電球を買いに行かなければならなかった。)
『go through 〜』: 通りすぎていく、そこから派生して隅から隅まで行くイメージがあります。
Shoko went through a lot of hard time in her human relationship.
(つらい時を通り抜ける⇒ショウコは人間関係でたくさんのつらい思いをした。)
『go on 〜』: うごきつづけるイメージです。
I told her not to talk back to me, but she went on.
(私は彼女に口答えするなと言ったが、彼女はそれをしつづけた。)
What's going on here?
(何がうごきつづけているの?⇒ここで何が起こっているの?)
『go around』: くるくると周りを動き回っているイメージ。
Many workers have got fired lately. Something fishy must be going around in the company.
(たくさんの働き手がクビになった。何か陰謀のようなものがこの会社の中で渦巻いているにちがいない。)
『go for 〜』: その方向に向かう、物事や目的に近づいていくイメージ。
We are going for the treasure that the legendary pirate hid somewhere in this sea.
(私たちは、伝説の海賊がこの海に隠した財宝を求めています。)
『go against 〜』: 前に進んで、ぶつかるイメージです。
Some students kept going against their teacher.
(ある生徒たちは、先生に逆らい続けた。)
『go easy on〜』:〜にたいして寛容にいく、という気持ちです。
Please go easy on her. She caught a cold and she's not feeling well today.
(彼女に厳しくしないであげて。風邪をひいて、今日は具合がわるいのよ。)
『going out』: 外に行く⇒出かけるイメージです。進行形にして、何度も何度もというニュアンスが加わると、付き合っている、という意味になります。
They have been going out for 2 years, but they don't plan to be married.
(彼ら/彼女らは二年間も付き合ってるのに、結婚するつもりはない。)
どうでしょう、『go』を使いこなすだけで、日常で出会うたくさんの事柄についてお話ができることが分かりましたか?
【まとめ『go』をつかいこなす】
『go』には何かがそこからはなれていく、というコアイメージがありました。
そこから①はなれる(出発点) ②うごく(移動している、途中経過) ③向かう(終着点)という3つのイメージの広がりがあるんでしたよね!
あと1つ覚えておいて欲しいのは、人だけに限らず、ものや状況、事柄までもが『go』できるんだ、ということ。
そこに意識をもって、これからは『go』使ってみてください。
いつでも Practice makes perfect! ですからね。
みなさんの『go』を使いこなしてる姿が、私にはもうすでにありありと浮かんでますよ!
Keep going on!
―――ななびのちっちゃなあとがき―――
今日はひさしぶりにお部屋のお掃除をしてみました。
お仕事がおわって、乱雑になってしまった部屋に帰るのは、こんなにも気分の落ち込むことなのだなあと、思った次第です。
反省です……。
もっと収納上手な人間になりたいなあと思いつつ、ベッドの上で英語について思いをはせる、ななびさんでした笑
明日はアウトレットで、ウィンドーショッピングでもしてみましょうかね☆
さて、英語に関してのご質問があれば、スキをポチッと押していただいて、コメント欄へ情熱的に書き込んでください!なぜなら、みなさんの困っていることにお役に立てるのが、私にとって一番の喜びだからです!(*´ェ`*)
もちろん、何気ない雑談でもOKです☆
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。この記事はサポート制です。もしもこの記事を読んで、何かひとつでも得るものがありましたら、心ばかりのお気持ちをサポートへ。