ニラと優しさ
ニラを、刻む。
2把。
炒めたり煮たりしやすいよう、3センチくらいに刻む。
タッパーに入れて、冷凍庫に入れる。
私はこの少し面倒な作業をしているこの時間が、少し、大切。
今日の私から、明日の私へ贈る時間。
私による、私だけのための行為。
(実際は翌日以降、ご飯を作るのがどんなに億劫な状況でも、すぐにニラを導入できるようにする単なるライフハックであり、日常生活なのだけど、)
それでも私が、明日の私のためにする、優しさ。
今日の私の時間を、わざと明日の私のために充てる。
私は私の優しさに触れたい。
生きづらい世の中で、他人のことなんか構うものかと押しのけて進む今の中で、私は私の優しさなんて忘れている。
だけど本当は、人に優しくありたい。
誰よりも、私は誰かに優しい人間でありたい。
そして同じように、己にも優しさを向けたい。
私は誰かに優しくできる人間だということを覚えたまま生きていきたい。
優しさが巡って、世界が優しくなればいいな。
夢かもしれない。
けど、それは現実に寄り添った夢であれと願う。
誰に咎められることなく、また、引け目を感じることもなく
純粋に「自分のための何か」をするって、なかなかないのでは?
と思った、ある日の午後の、おはなしでした。
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