ちっちゃいよかったこと、ちっちゃい残念だったこと、ちっちゃいなんでもないこと

よかったこと。

白杖のおじさんに道案内をできたこと。

勇気出して声かけて一緒に横断歩道を渡って

ここまで来れば大丈夫ですと仰るところまで一緒に行って

「よい日曜日を」と言われ、

「よい日曜日を」と返したこと。

(まるで素敵な短編小説のようだった)

残念だったこと。

ドリンクバーで、眠気をこらえつつボタンを押したら

カプチーノのつもりでエスプレッソを淹れてしまったこと。

エスプレッソをエスプレッソだと認識できない程度には

カタカナに弱いということを露呈してしまったこと。

仕方なく、お湯を足して薄めてアメリカンにしてみたこと。

(これは、ちょっと面映ゆかったこと、かもしれない)

一個一個のできごとを羅列していくと、まるでどこかの小説みたいになるので、私は、いや私たちは、どこかの小説の中で動く駒であり、三次元ではなく二次元の生きものなのじゃないかなと思う。

むしろ、想像上の生きものかも。
誰のゆめかはわからないけど、だとしたら四次元で、じゃあここはドラえもんのポッケの中かも。

そしたらなんでもできるかも。

なんてつらつら考える、広い店内に人がまばらに座るサイゼリヤで、薄いエスプレッソを飲む、なんでもなくて、なんとなく素敵な日曜日。

でした。


ゆかしい言葉を使うおじさんの言葉のとおりだったなあ。

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