好きなボカロ曲『サイバーかわいくないガール』(yanagamiyukiさん)感想メモ
サイバーかわいくないガール / 初音ミク
作者: yanagamiyuki さん
再生数: 61,527
https://www.nicovideo.jp/watch/sm38909749
ジャンルはTRAP。
ラップとかにほぼ縁のない人生を送ってきたのに、「初音ミクでラップ!? しかも死ぬほどかっこいい」ということにびっくりしすぎて価値観がひっくり返された曲。
TRAPというジャンルを知ったのもはじめて。
知った当初は好きすぎて半年以上毎日2~3回聴いてた。
歌詞がとにかく好き。
タイトルにもある「サイバーかわいくない」というのがまず意味がわからない。のに妙に惹かれてしまう。
初音ミクが当然のように「おれ」と歌うのも、音楽の表現のひとつとしてボーカロイド(広義)を用いているという感じがしてとてもよい。
サイバーかわいくねーおれたち。
少しだけ舌足らずに「神様っていなかったらしい」とつぶやき、ひと息だけ挟んで「いたら許さない」と、語意としては憎しみが混ざっていてもおかしくないのにまったく調子を変えずに歌い継ぐところ好き。
「初音ミクひとりとシェアして 倍 使用している心臓を」ってその歌詞なんだよ。
初音ミクに当然心臓が脈打っているかのような前提を置き、にしては「シェアする」だなんて人体だったら不可能なわけで、その存在の確かさと不確かさがあやふやに混ざり合って判別できなくなってる感じがものすごく好き。
それでいて、「(心臓を)倍 使用している」には、「他者の心臓を自分のものとしてカウントする」という傲慢さがありつつ、同時に「(初音ミクが歌うことで)心臓、つまりエネルギーの発生源が倍になったような、世界が人ひとりぶんの広がりをもったような全能感」を感じたことがなければ出ない言葉なのでは、と勝手に想像している。
何回も聴いて、何回もえぐられている。
何回えぐられても大好きな曲。
妻は「ああラララの曲ね」というおぼえかたをしている。かわいい。