僕の友達の命がなくなったり増えたりした話 後編
高校3年の時に2人の友達ができた。
1人はもうこの世にいなくてもう1人は結婚して家族を作るそうだ
命を得た友達
時期は大体命を失った友達が音信不通で今の交際相手に告白された後、10月か9月辺りの頃
気まぐれで病み垢界隈に飛び入り参加してみた。まぁ何とも言えない界隈で、今の人生の人間観を割と変えた結構重大イベントとかあったけどあんま面白い話では無いので割愛、閑話休題そこで特に仲良くなった友達がいた。
その人はまた女性で自分より一回りほど歳上だった。
そして教師だった。
私にとって教師とは忌むべく存在で決して相容れない生き物であった。中学時代父親に暴力を振るわれて、イジメにある友達も知らぬ存ぜぬ、そしてコレは己が悪いのだが授業態度や提出物が悪い自分とは天敵だったのだ。
その教師群を見て過去の自らを救う為に教員を目指し始めた……訳でもなく福祉が充実し、何かやらかしても復職しやすく年金もいい、リストラの心配もない、そんなただぼんやりとした理由で教師を目指していた。
それを変えてくれたのが今回の友達だった。時には夜通し相談に乗ってくれたり、高校が辛い時に何時でも相談に乗ってくれた。鬱に理解の無い自分の高校の教師や身の回りの人々、「大人」に変わって話を聞いてくれた。私の考える「大人」はその友達だけだった。高校卒業できたのはその人のおかげと言っても過言ではない。
その人も同じ躁鬱で、親身に話に乗ってくれる大人だった。父親が酒乱で母親もその暴力に怯えてる私の家で話を聞いてくれる大人はその人だけだった。大人として凄くしっかりしてるかと言えばそうでもなく、チヤホヤされたいと泣きながらに話したり、通話中にOD(薬を過剰摂取し一時的に薬物的な利用をすること)したり、人間関係に死ぬほど悩んだり……云わば1人の人間だった。
その"人間らしさ"が私には重要だった。その人間らしさが"教師"という偏見のカテゴリを外してくれたのだ。
年末近くの鬱がかなり酷くなって、部屋から出るのも辛かった自分を学校に通わせてくれたのは遠く離れたその人だし、心を支えてくれたのもその人だった。
それからは私の鬱が再燃したり躁が回って夜遊びにふける毎日が続き少し関係が疎遠になりかけてた。
そして私は高校を卒業した。
1番に伝えたかった親友はもうこの世にはいないし家族は家に帰れば伝えられる。祖父母はLINE追加すらしてないから誰に伝えようか、考えて1人の友達に報告した。
深い意味は無い、命の恩人と祭り上げる気もない。ただ、あなたのおかげで人生の一区切りをつけることが出来たということをなんとなく伝えたくて仕方がなかった。
彼女は喜んでくれた。
その後は私の夜遊びや放蕩癖の増加、鬱期の深刻化が進み連絡は取れなかったがある日、一通の連絡が来ていた。
「○○○○○(私の名前)!私、結婚するよ!」
とても嬉しかった。誰かの幸せこそが自分の幸せだったから。意識してないつもりかもしれないが心のどこかそこで死んだ親友のことを重ねていたのかもしれない。だからこそ今度こそ救えたのか、そんな事を勝手に考えて私は少し泣いた。
彼女は私のおかげで助けられたと(誇張ではあるが)言ってくれた。私にとってその言葉は親友を思い出す辛さを感じながらその辛さから救ってくれる厳しい救世主だった。
人は不死性を求め続ける。その求めた不死性の形は自分の遺伝子を継いだ子供を残そうとする本能や、絵や音楽など残り続ける芸術や、誰かの脳内に記憶として語り継がれる生き様など、無意識のうちに不死性を求め続ける。
私はそれが何も残せない人間だと思っていた。いちばん愛していた親友を失い、趣味の音楽も読書も勉強も何もかも出来なくなって、子供は私には作る資格がない、だから空虚な人生だった。しかし彼女のその言葉で私は、私の人生は、全くの無駄じゃなかった、誰かの、誰かの為になれたと、私の人生には意味があったと、胸をはって言えるようになった。
大袈裟な言い回しだが私にとってはそれが自らの最大の幸福だったのだ。
そして彼女と会って、結婚式にも行った。まぁ色々あったが結婚式はとても幸せそうだった。
結婚式では何故か彼女がどこか遠くに言ってしまう気がした。その違和感の正体を言語化する能力は鬱の今の私にはもう無いが、私には恐らく届かない、私が得ることの無い幸せを掴んだんだろうな、という羨望や憧れと諦め、そして少しの嫉妬を感じた。ただ、1人の友達をそんな幸せになるまでのほんのちょっとお手伝いができたと思えたらとてもいい気分だった。
以上が私の人生に関わった2人の友達の話である。他にも私の人生を変えてくれた人間は沢山いる。この友達に巡り合わせてくれるようなきっかけを作ってくれた友達や、このnoteに嫉妬するくらいキラキラして美しい文を書く友達、その友達に合わせてくれた友達、現在進行形でなんだかんだで僕のバカ話に付き合ってくれてる友達、人生で誇れることなんて全くない僕に唯一の自慢できる友達達、そんな人に囲まれて私は生きている。
生まれてきてよかったなんて思わないし、生きてていいことなんてない、でもいい人生だったとは思う。いづれ死ぬつもりだけどまだ死なない。そう思わせてくれた友達をこうした文にできてとても幸せと思える、そんな人生を歩めていると思った。
あとがき
くぅ~疲れましたw これにて完結です!
これがやりたかっただけ。
でもこれどうやって嗅ぎ付けたか家族も読んでるしリア友もモデル元も読んでるんですよね〜。肥溜めだぞこれ。俺のうんこ勝手に読むな!