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#91 前に自分が書いたSSを読み返して。

好きな小説を読んで、つい似た話を書いたのはよく覚えていた。非公開にしてある自分のためのものだけれど、咀嚼して吐き出したものだった。

でもその前日か、前々日に書いたものは全く覚えていなかった。ある台詞、或いは名言を見て書き出したものだったはず。書く切掛でさえ、全部読み終えた後に見れるメモ書きでやっと思い出せた、そんな記憶しかない小説。
嗚呼、好きだな。と思った。
最後が腑に落ちないというか雑だけれど、自分の書いた文字達が好きだと思った。

書いた覚えすらない印象に残らなかった経験が、今の自分の感情を揺さぶる。
本人にとっては取るに足らないことでも、相手に大きな価値がある。
そんな体験を自分を通してしたようなものだろうか。

主観では、自分の作る感情的な世界は癖のあるなと感じていたけれど、自分の好きなものを生み出せる可能性があるなら、続けよう。

やめてしまおうかと思っていたけど、つづけよう。
そして書き切ろう。自分がまた読み返せるように。


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