インポスター症候群か、否か
ナナシノユキサンが、現在属しているコミュニティのひとつに、デザイナーのコミュニティがある。
会社とかではなく、同じフィールドにいる者同士、デザインはもちろん、新しいトレンドの情報をシェアしたり、知恵の貸し借りや、コネクションを活かしたり、ポートフォリオをシェアしあったりと、サポートし合うコミュニティである。
ナナシノユキサンが属しているそれらのコミュニティは、アメリカ、イギリスなど、基本的には英語圏の人が多く集まるそのコミュニティなのだが、流行りなのかな?と思うほど使われる言葉が「インポスターシンドローム」である。日本でも最近よく聞くが、実力も経験も十分にあるプロフェッショナルであるのに、自分は、本当はこの立場にふさわしい実力はない、と感じて人をだましているように感じるさまで、有名どころでは、あの元ファーストレディであって、自身も弁護士であるミシェル・オバマまで、このインポスターシンドロームに苦しんだ時期があるとのこと。
人は、常に学び続けるべきだと思うし、学べば学ぶほど、経験を積めば積むほど、知れば知るほど、あぁ、まだまだ知らないことがたくさんある、と気づかされるものだ。
だから、高い地位にいる人や、その世界で第一人者と呼ばれるような人々が、インポスターシンドロームに陥りやすい、というのは、考えてみれば当然のことだ。学べば学ぶほど、知らないことを自覚させられる、知らない自覚をするから、(人の目から見れば謙虚に、)更に学び続ける。その循環が続くことで、いつの間にかその地位までたどり着いてしまうのだ。
だが、ナナシノユキサンが属するそのコミュニティは、主にフリーで頑張っていたり、独学で学んだ人だったり、バックグラウンドは様々だが、とにかく、知る限り、名の知れたデザイナーがいるようなコミュニティではない。
もちろん、(うぉぉー!このセンス!このアイディアどこからくるのだ!)と感動して嫉妬してしまうような実力を持つ人もたくさんいるが、(ふむ、なぜデザイナーになろうと思ったのかな?)とか、(始めたばかりかな?)とか、つい意地悪な感想を抱いてしまうようなレベルの人もたくさんいる。
コミュニティは、お互いにサポートする場であるから、建設的なアドバイスももちろん行き来するが、それでも必ずついてくるのが「インポスターシンドロームに陥らないように!」という合言葉だ。
ナナシノユキサンは、この言葉を使うことに気が引ける。だって第一に、この言葉が当てはまるのは、"実力も経験も十分にあるプロフェッショナル"という前提あってのこと。そして、ナナシノユキサンは、本当にまだまだ、まだまだ、まだまだ、だからだ。日々実感する。どう冷静に見てもまだまだである。
でも、そのコミュニティの友人は、ナイスに、ナナシノユキサンにも、この合言葉をくれる。し、たとえ、ナナシノユキサンが、その言葉を使うにはまだまだ早すぎて気が引ける、と言ってみたところで、その気持ちこそがインポスターシンドロームそのもの!と言われることだろう。
レベルの(まだまだ)低い者同士で、インポスターシンドロームだ、と励まし合うのは、ちょっと危険な気もする。今はまだ、"少し学んだだけで、全部知った気になってしまい、学びを辞めてしまう"方にこそ怯えるべき時だ。コミュニティのみんな。(と、ここで呼びかけてみる気の弱い日本人。)
なんて、思うのは、やはりナナシノユキサンが日本人だからかもしれない。
日本でよく聞く言葉は「勉強沼」。欧米でよく聞く言葉は、インポスターシンドロームに加えて、Fake it till you make itである。面白いなぁ。今度「勉強沼 vs Fake it till you make it」をテーマに書いてみようかなぁ。
ナナシノユキサンは、将来、本物のインポスターシンドロームに苦しめるように、もっともっと修行を積まなくては、と思う今日この頃である。
以上、今日は前向きな気分。ナナシノユキサンでした。
ところで、学びって本当にキリがなくて、時間足りないよね。。。