アンビバレントな1月の #音楽の地図
年が明けてから、1ヶ月。
あれ、まだ1ヶ月しか経っていなかったの……? と地味にびっくりしています。いつもなら、あっという間に過ぎてしまう気がする1月。いろいろあったからでしょうか。
音楽との出会いも、いろいろありました。
不定期だけれど、心に響いた音楽の記録として書いている「音楽の地図」
今年の1月のことはどうしても残しておきたくて、夜な夜な音楽を聴きながら書き留めました。
自分のための記録でもありますが、読んでくださる方々にも楽しんでいただけたなら、一緒に楽しめたら、もっと嬉しいな。
アンチノミー/amazarashi
大好きなamazarashiの新曲。
ゲームが原作のアニメ『NieR:Automata Ver1.1a』(以下、ニーア)のエンディングテーマです。1月15日に先行配信も開始されました。
amazarashiは以前にもニーアとコラボして『命にふさわしい』という曲をリリースしています。秋田ひろむ(Vo.Gt)さん自身も、ゲームの大ファンなんですよね(コラボの詳しい経緯については以下のアンチノミー特設サイトにて)
ニーアアニメ化のお話が出たころから「EDテーマはもしかして……」とファンの間で期待の声が上がっていました。ゲームをあまり知らない私でも、再びの共創はやっぱりアツいものがあります。
『アンチノミー』配信リリース前に公開された、秋田さんのコメント(一部)がこちら。
……身に覚えがありすぎて、リリース前から怖いくらいの期待でいっぱいでした。
amazarashiの曲を初めて聴くときにいつも抱くこの感覚は何だろう……?
期待と緊張でそわそわして、居ても立ってもいられないような。
やっぱり今の自分にとってamazarashiは特別な存在なんだなぁというのをひしひしと感じます。
『アンチノミー』、初めて聴いたときからまるでずっと知っていた曲かのようにスッと耳と心に馴染んできました。
秋田さんの裏声がきれいだとか、豊川さんのコーラスが多め&強めでうれしいだとか、間奏〜間奏後のギターが好きだとか、いちいち感動しながらくり返し聴いています。
歌詞に耳を澄ませば澄ますほど、個人的な今の心情にリンクして聴こえてきて「Oh……」と頭を抱えずにはいられません。
でも決して嫌なわけじゃなく、むしろそれを待っていたかのような嬉しさが込み上げます。
そうか、いま自分が抱えているこの感覚こそが「アンチノミー」なのか…… ってなんとなく思っていたけれど、どちらかというと自身のそれは「アンビバレント」の方が近いのかもしれない……?
たとえば憎愛(愛憎)とかは、アンビバレントでしょうか。
1人の人間の中に、相反する二つの感情が混在している状態。
アンチノミーは、矛盾する二つの命題がどちらも成立してしまって、どちらが正しいのか決着がつかない状態。らしい。
……ん〜、完全に自分の中で飲み込めるまではもう少しかかりそうです。
「疑いはしないよ」ではなく「疑えやしないよ」ってところが、とてもamazarashiだなぁと。
例えば人が人を信じて、裏切られても(※裏切られる。この言い方は個人的にあまりしっくりこないのですが、他に適切な言葉が見つからないので、とりあえず)それでも懲りずにまた人を信じてしまうのも、初めからそういう「設計」なんでしょうか。
だとしたらこれは人間の「バグ」なのでは……?
なんて思いつつ、それがあるから「美しい」と感じる部分もあったり。
秋田さんは特設サイトのコメントにて、
そう語っていますが、これは生身の人間にも言えることだなと思います。
だからこそ、「ニーアの曲」としてはもちろん、「amazarashiの曲」としても変わらず心に響くのだろうなぁ……。
白と黒の間の無限の色彩に惑い、揺れる、心の痛み。葛藤。
それこそが、あなたがあなたである何よりの証左だと。去年のツアーで放たれた「その全てが私である」にも通ずる肯定のメッセージに胸が震えっぱなしです。
まもなく2月3日にはMVが公開されるとの情報も解禁されました。
人形劇仕立ての15分の大作!とのこと。
私は、ニーアについては以前夫がゲームをしてるのをたまに見てたくらいの知識しかないのですが、ニーアの世界観と人形劇ってとても合いそうだなと…… とても楽しみです。
22日にリリースされるシングル盤の詳細(アンチノミー他、収録曲のタイトル含む)も公開されて、どんどんワクワクが高まっています!
(『心層廃棄物』に『海洋生命』…… あわわわ。
もし次にツアーがあるなら海コンセプトになったりするんでしょうか。胸の内の深みへと踏み込んで、そこから浮上するような……。そんなの好きすぎるんですけど。 ※勝手に想像して言ってるだけです)
正直、今は自分のために何かを買っている余裕などないのですが、これだけは……。このCDだけは私にとっての衣食住と同じレベルの必需品として、初回生産限定盤を買わせていただく所存です。買わせてください、お願いします。
まだまだいろいろとお知らせを抱えている予感のするamazarashi、今年も心臓をたくさん用意して情報解禁に備えたいです。
Memento mori / Toki & GOMESS
(Poetry/GOMESS)
GOMESS(ゴメス)さんの新曲。
物悲しげなオルゴール調のイントロが、心をすっと鎮めてくれます。
こんなにやさしく生と死に寄り添える詩に、生きてる間あと何度出会えるでしょうか。
一見なんてことない言葉にも、彼が言うからこそ放つエネルギーがあります。
彼がこれまでに身を削りながら吐き出してきた言葉の積み重ねが、この説得力と信頼につながっているのだろうな。
メメント・モリ。みんな、いつかは死んでしまう。
それなら、せめて生きている間は生きることに貪欲でありたい。
もう二度と会えなくても、生きている間はあなたのことを覚えていたい。
見送る者、見送られる者、それぞれに降り注ぐ鎮魂歌。そんなイメージを抱きました。
GOMESSさんの「言葉」の真骨頂は、ライブでこそ感じられると思っています。そういう私はまだ、実際に生では体験したことがありませんが……
ぜひ観てほしいライブ映像があります。
1月20日に渋谷道玄坂教会にて披露された『Poetry』
CD(アルバム『てる』)に記録されている歌詞とは違う、その日その場限りの「今」を歌った『Poetry』
映像として残して、こうして見せてもらえたことに感謝しかないです(あとこの写真もとてもいい)
最後の言葉が特に好きです。
「そんな言葉のつづきをGOMESSさんから聴きたい」と願ったその通りの言葉が放た瞬間、感動という言葉ではとても言い表せなかった。
「世界を、あきらめない」からラストへ向けての感情の爆発が凄まじい。
GOMESSさんのライブは文字通り「生」きていて、画面越しでも伝わってくるものがあります。
ゲストボーカルの安次嶺希和子さんがまた素晴らしくて……
はじめはそっと寄り添うように歌い、最後はGOMESSさんの感情の爆発に呼応するように歌声に魂をのせて放つ。
生々しいほどリアルに伝わる感情、いや激情に息を飲み、心を奪われます。
最近感動することないなとか、若い人の曲はよく分かんないなとか、普段HIPHOPはあまり聴かなくて……とか(彼の場合は音楽のジャンルとして、と言うより精神そのものがHIPHOPだなと私は感じていますが……)
そんな方々はぜひ、GOMESSさんの生き様を観て、くらってください。
世の中にはまだこんなに心震えるものがあるのかと、自分にもそういう心があるのだと。
こういう生き方もあるのだと、その姿を目に焼き付け、心で聴いて、あなたの中で生かしてください。
って私が言うのも烏滸がましいけれど……
早く、いつかライブでくらいたい。
LilaS(feat.たかはしほのか)/SawanoHiroyuki
澤野弘之さんが音楽を担当しているTVアニメ『86ーエイティシックスー』第2クールの最終話(22年3月19日オンエア)のエンディングにて突如流れたサプライズ曲、『LilaS』
作詞、そしてゲストボーカルとして携わったたかはしほのかさんは、同アニメ第2クールのエンディングテーマ『アルケミラ』を担当していた、リーガルリリーのボーカルでもあります。
(ちなみに当時のオープニングテーマはamazarashiの『境界線』)
ほのかさんの歌声は、まるで戦場に咲いた花のようだと思うことがあります。
混沌をを切り裂いてまっすぐ胸にささるような歌声というか。そこだけ、澄んだ光を放つような。
この曲は、そんなほのかさんの歌声の魅力を引き出す素晴らしいメロディーラインだなと感じます。特にサビは聴いてて胸がぎゅっと切なくなるほど。
ほのかさんは今までにも、崎山蒼志さんの『過剰/異常』やSAKANAMONの『1988』など様々なアーティストの楽曲でコラボしたり、
リーガルリリーとしてもアジカンやくるりなど様々なアーティストのカバーに挑んできました。
何者にも染まらないようでいて、容れものによって色やかたちを変えられる柔軟さは、澄んだ水のようにリスナーの耳や心にも沁み渡ります。
『LilaS』は作詞もたかはしほのかさんが担当。
ほのかさんは歌詞に「食べ残す」「吐いた」「吐き出す」という表現をよく使う印象がありますが、この曲も。
アニメの世界観に寄り添いながら彼女の色も失わない、絶妙なバランスで書かれたんじゃないかなと。
同じ空の下、離れていても心の支えになるような記憶や存在を胸に抱いて私は私の道をゆく。僕は僕の道をゆく。
切なくも澄んだ思い、これを「信頼」と呼ぶのかもしれません。
そして、私がこのnoteをゆっくりのんびり書いている間にリーガルリリーから新曲が発表されました。ツアーの発表も。
『60W』、本日より配信リリース開始です。
すぐ聴きたいけど、とりあえずこのnotoを投稿し終えるまではグッと我慢……
2月、新たな気持ちで曲に向き合うのを楽しみに。
生活/羊文学
塩塚モエカ(Vo.Gt)さんが二十歳頃に作り、インディーズ時代からライブのみで披露されてきたという、知る人ぞ知る曲『生活』
まだ羊文学のライブに行ったことのない私は、もちろん今回はじめて聴けました。
共感、という言葉で片付けてしまいたくはないけれど、どうしようもないくらい自分が日々抱える思いとリンクします。
私は言葉を紡ぐとき、常に自分を疑っています。でも、信頼してもいます。……こんなところにもアンビバレント(使い方あってるのかな)
言葉は、生ものだと思っていて。
「言の葉」と詩的に表現されることもありますが、まるで葉が風に舞うように、言葉の裏と表が何度もはらはらと入れ替わっていく心象風景がこの曲から浮かんできます。
たとえば、「なんであんなこと言ってしまったんだろう」とか「大丈夫」と言ったあとに大丈夫じゃなくなるなんていうのもよくあることで、自分でも何が本当なのか分からなくなってしまったり。
言葉も、思いも、今と1秒先の一瞬でひっくり返ってしまう。そんな不安定さ、儚さもどこか愛おしい。
「許される日も来ない」というフレーズが効きますね……。
安易に救われるわけじゃないのに、聴きたくなってしまう曲ってあるんですよね。
「ゆるやかな破滅」といいましょうか……
サカナクションの『壁』とか、Lily Chou-Chou(Salyu)の『飛べない翼』を聴いたときにも感じるような、なんともいえない感覚。
日常に潜む憂鬱。消えない過ち。誰もが大なり小なりそういったものを背負いながら、それでも生きていくのだと突きつけられます。
憂鬱なのに、どこか美しくて。
気怠くまどろむ午後の部屋に差し込む木漏れ日のような、そんなメロディーにどこまでも身を委ねたくなります。
羊文学は昨年、リーガルリリーのツアーで対バンしたり、さまざまな音楽イベントでも両バンドは共演することが多いので、今後も何かしら共演だったりコラボだったりがあるのでは…… と個人的に楽しみにしています。
いつかライブに行けますように。
……って私がゆっくりのんびりこのnoteを書いている間にツアーが発表されました。
行ける行けないにかかわらず、ワクワクします!
星のクズ α/ Salyu & haruka nakamura
Salyuさんは私が高校生のときに知ってはまってから、いつか生で歌声を聴いてみたいと思うくらい好きなアーティストさんですが、最近の曲はあまり追えていませんでした。
『星のクズα』というタイトルに惹かれて、久しぶりに耳を傾けた新曲。あの頃と変わらず、私が好きなSalyuさんがそこにいて、うれしくなりました。
『星のクズα』は、TVアニメ『TRIGUN STAMPEDE』(トライガン・スタンピード)のエンディングテーマ曲。
作曲は haruka nakamuraさんです。
一聴してまず、大地を踏みしめて歩くようなドラムと、歌うようなピアノが印象的に耳を撫でていきました。
Salyuさんはハイトーンを抑えた穏やかな歌唱で、一言ひとこと祈りを紡ぐように音楽に溶け込んでいきます。
くり返しのメロディーの中にも、揺らぎのある彼女の声質が幾重にも彩りを添えていく……
聴いていくうちに目の前に雄大な景色が広がって、自分が鳥になって飛んでいるような心地よさを覚えます。
私たちはこの星の「クズ」のようなちっぽけな存在でありながら、それぞれに「光」を内包しているはず。
そんな、誰もが心に抱く光をそっとすくい上げ押し上げてくれるような、さりげなくも優しい応援歌だなと。
多重露光の技術を用いた幻想的なMVも、曲の雰囲気に合っていて美しいです。
どうやら、『星のクズ』はα(アルファ)のほかにΩ(オメガ)というバージョンもある模様。
αはギリシャ文字の「最初の文字」、Ωは「最後の文字」
最初と最後で、2つ合わせると「全て」「永遠」という意味があるのだとか。
『星のクズΩ』がどんな曲なのか、そしてαと合わせて聴くとどんな景色が見えてくるのか…… 続報が楽しみです。
新世紀のラブソング/ASIAN KUNG-FU GENERATION
この曲もたくさん聴きました。
1月の私にまとわりつく空気や気分に、「ちょうどいい」曲だったので。
私にとっての「ちょうどいい曲」
明るすぎず、暗すぎず、リズムが早すぎない。
音が多すぎなくて、言葉が静かで。
低空飛行のような、水面に浮かぶような、海の底の砂に触れるような。
無理に元気にならなくていい。でも聴いたあと、さてそろそろ洗濯物でも干しましょうかね って気持ちになれるような…… そういう音楽。かな。
たとえばamazarashiの『そういう人になりたいぜ』とか、くるりの『ばらの花』とかも、私にとっては「そういう気分」のときに聴くのにちょうどいい曲。
『ばらの花』と言えば、MVのフルバージョンがついに公開されましたね。うれしい。
『新世紀のラブソング』は14年前?の曲みたいだけど、私にとっては初めまして。
最初に出だしのドラムを聴いたときは軽快な曲なのかなって印象だったけれど、つづくイントロで鳴っている…… あれは何の楽器だろう…… ふーわふわ鳴ってるやつ。
あれがとっても「ちょうどよく」って、心地よくって。
あー、ずっと聴いていられるなぁ って思いました。
これからも、ちょうどよくなりたいときに定期的に聴くと思います。
(イントロのふーわふわ音について…… 調べてみました。ギターの逆再生の音らしい。それであんなふうになるんだ。おもしろいなぁ)
未だに抱えている後悔から「たられば」を想像する…… という経験は私にもありますが、あのとき別の選択をしていれば後悔はなかったのかと考えると…… それはどうかな?って思っちゃうんですよね。
いずれにしたって「生活は続く」のです。
先述した羊文学の『生活』の歌詞にも通ずるものがあります。
曲は後半にかけてどんどん厚みを増していくのですが、やっぱりうるさすぎることはなく(後半のギターの音とか、たまらないです)
土砂降りの雨に紛れて人知れず慟哭するような……
最後まで「ちょうどいい」温度感で聴けて、気づけば何度も「おかわり」している曲です。
光の庭と魚の夢/Homecomings
Twitterでこの曲のMVが公開されるという告知を見たとき、胸が躍りました。
以前読んだホムカミのライブレポ(下記参照)でそのタイトルを知ってからずっと、いつか聴ける日を楽しみにいていた曲!
ギターの福富優樹さんいわく、ドラマ『恋せぬふたり』に通じる世界観で書いた曲とのこと。
『恋せぬふたり』は、アロマンティック・アセクシュアル(他者に恋愛感情も性的欲求も抱かないセクシュアリティのこと)の男女の同居生活を描いたお話ということで…… 個人的に気になっていたんですよね。
結局ドラマは見られないまま今に至っていますが、気になっていたドラマが絡んでいる曲となると、気にならないわけにはいきません。
楽曲には、ホムカミのバンド活動10周年をお祝いすべく、くるりの岸田繁さんがストリングスとピアノのアレンジで参加。ホムカミの世界観に花を添えています。
まだ聴いたことのない曲も多くある私が言うのもなんですが、ホムカミの歌詞からは「多様性の受容」のようなテーマをよく感じます。
『Here』、『i care』、『Shadow Boxer』など。そして『光の庭と魚の夢』も。
歌詞に「花束」もよく出てきますよね。
以下は、曲のMVの概要欄より。
あなたにはこの曲がどんなふうに聴こえますか?どんな色、形に見えますか?
誰のどんな解釈も、「それが正解だよ」と受け止めてくれるような包容力がホムカミの曲にはあると思います。
歌詞はどこかふわっと抽象的で、一度聴いただけでは掴みきれない部分もあるのですが、自分の中にある特定の角度から焦点を合わせたときにだけ、見えてくるフレーズがあるというか。
それを分かってて、曲が待ってくれているような。
ホムカミの曲を聴くと、誰にも知られるはずのなかった思いにそっと花束を添えてもらえるような気持ちになるのです。
そんな、曲と自分だけの特別な信頼をこれからも聴くたびに育てていきたい。私にとって、そういった魅力のあるアーティストです。
Nobody(Wonder Girls)カバー/NiziU(ミイヒ、リマ、ニナ)
NiziU、供給が多いのでなかなか全部は追えていませんが好きなんです。
今回ご紹介するのはNiziUのオリジナル曲ではなくカバー。
2022年に行われたNiziU初のドームツアー「NiziU Live with U 2022 “Burn it Up”」にてサプライズで披露された、Wonder Girlsの『Nobody』です。
あの「伝説」と呼ばれつづけるミイヒちゃん(以下、各メンバー敬称略)の『Nobody』が、パワーアップしてライブで披露されたとのことで、公式のライブ映像がYouTubeのおすすめに上がってきました!
この曲、かつてNiziUのメンバーを決めるためのオーディションで行われた「個人レベルテスト」にて、ミイヒ自身が選び歌った曲なのです。
パフォーマンスは賞賛を浴び、ミイヒはその回の個人レベルテストにて見事1位を獲得しました。
オーディション当時の映像がこちら。
(個人的にマコとリクの個人レベルテストのパフォーマンスも今でも見返すくらい好きなので、気になった方は探して観てみてね)
今回はミイヒの他にリマとニナ(NiziUの9人の中でも「末っ子」にあたる3人)を迎えてのパフォーマンス。
それぞれに相当なプレッシャーもあったことと思いますが、個々の実力もすごい3人が集まったことで、とんでもないクオリティに仕上がっています。
イントロのアコースティックギターに重なる「ザァァ……」という音はオーディエンスの拍手でしょうか。まるで雨音のようにも聴こえ、曲の切なさを増幅させる偶然の演出に鳥肌が立ちます。
そしてミイヒが歌い出した瞬間、シン…… と静まりかえる場内。一瞬にして心を惹きつける歌声。ブレス音まで音楽の一部。
ミイヒは少しハスキーで憂いを含んだ声質なので、NiziUの曲ではよく大サビ前のCメロパートをしっとりと歌うことが多いです。機会があったらぜひ注目して聴いてみてください。
ニナはNiziUではパワフルな高音パートを担うことが多いのですが、バラードでの繊細な歌唱もため息ものです。表情による表現も本当に豊か……。
NiziUの楽曲においてミイヒとニナは、BメロやCメロなど曲の場面が変わるパートをペアになって歌うことが多い印象です。
二人が歌い出した瞬間、楽曲にさわやかな風が吹き抜けるような…… そんな歌声の持ち主だからでしょうか。
『Step and a step』のCメロとか、『Chopstick』のBメロとかを聴くと分かりやすいかも……?
『ASOBO』でニナのサビ?(Bメロなのかもしれない)を聴いたときは鳥肌が立ちました。
(サムネ真ん中の黄色いワンピースがニナ)
リマは低音コーラスのかっこ良さもさることながら、この曲(Nobody)に自作ラップを組み込んでくるというアレンジに驚きました。
私のような素人でも一聴して分かるような、発音とリズム感の良さ。彼女がNiziUにいてくれることで、NiziUはかけがえの無い個性を放っていると思うのです。
ラスト、口に人差し指を当てながらの「…シッ」がカッコ良すぎる。
NiziUの曲ではマユカとともにラップを主に担当していますが、かわいい歌声の持ち主でもあります。
『Take a picture』のAメロ出だし(伝えたいの〜)の声とか聴くと、ラップパートとのギャップにびっくりするかも。
もうひとつ、NiziU関連でおすすめに上がってきた動画。
こちらもかつてオーディションの「チームバトル」にて「マユカ覚醒」と称賛されたパフォーマンス、Heartbeat / 2PM のパワーアップライブ映像です。
未練で胸が掻きむしられる激しい感情…… そんな曲の世界観を、弾丸のような歌唱と目力で訴えかけるマユカ。
リオとマヤはオーディション当時は別チームだったとは思えないくらいこの曲に馴染んでいますし、マコ、リク、アヤカもオーディションの時から確実にレベルアップしたパフォーマンス。
これを会場で観た方々の心中を想像するだけで…… アツいものが込み上げます。
こちらはオーディション時。
マユカのラップの才能を開花させ、視聴者の心を大きく震わせたステージ。
出だし、マユカの背後からゆっくりと起き上がり生えてくるマコも含めて、何度観てもカッコよすぎます。
マユカはオーディションの地域予選で一度は「保留」になるも、プロデューサーのJ.Y.Parkさんが彼女の「可能性」に賭けたことで成長のチャンスを掴んだ…… という背景があります。
その幸運に決して慢心することなく、大きな評価をされない中でも直向きに課題に挑み、韓国合宿オーディション、そしてデビューへとたどり着いた努力の人。
(メンバー全員にそういうストーリーがあるので、語り出したら長いんですけど)
デビュー後もその姿勢は変わらず、父親がプロのラッパーであるリマにも遜色ないラップと、それでいてマユカならではの「色」も放つ、NiziUになくてはならない存在です。
マコとリクはNiziUではサビを担当することが多く、歌声の安定感はピカイチ。
激しく踊りながらあれだけブレないのは本当にすごいです。
リオとアヤカはとても特徴的で魅力ある声質をしているなぁと聴くたびに思います。
NiziUの曲ではいわゆるキリングパート(曲の中で強烈な印象を心に植えつける一瞬のフレーズ)でその魅力が輝くと思っています。
リオはポップなかわいい声。また、ダンスのスキルはNiziUでもトップクラスだと言われています。
アヤカはふわふわ脱力系のかわいい声。
『CLAP CLAP』での1:36のアヤカの「アーハ」は必聴です(↓ちょうどその辺りから再生されます)
アヤカの「アーハ」のあとに歌っているのはマヤ。
マヤは曲によってサビもキリングパートも、かわいいも元気も大人っぽいもこなせる柔軟性と本人の謙虚さが魅力。
NiziUについては普段noteやTwitterで語り損ねてきたのもあって、この機会にとつい長々と書いてしまいました。今回はこの辺で止めておきます……
3/8にリリースされる新曲(映画ドラえもんの主題歌)も良さげなので楽しみです。
ジャケットもかわいい。
Celebrate/TWICE
TWICEは数年前、NiziUを知った際に流れではまりました。作曲、プロデュースが同じ人(J.Y.Parkさん)なので、好みに合う音楽なのかも。曲調やメロディーがクセになるんです。
NiziUと同じく、供給が多いのですべては追えていませんが……
年末の紅白歌合戦にも出演していましたね。
私は録画で、年が明けて落ち着いてからわくわくしながら視聴。
紅白では歌詞やマイクのトラブルなどもあったのですが、それを個人やメンバー同士で補いながらパフォーマンスしきっているところも含めて、グッときました。
そして何より『Celebrate』、曲そのものが好みです。
歌詞も、TWICEとファンのこれまでの歩みや信頼関係を歌っているようでもあり、聴く人それぞれの人生にもフォーカスするような内容で、ストレートに響くものがあります。
混沌とした世界でも、私たちは変わらずお互いを向き合っていきましょうね という固い絆を歌詞から感じて、前向きな気持ちになれます。
あたたかく明るい未来も予感させるので、結婚式とかで流すのにも向いてそうだなぁと。
タイトルの「celebrate」も「祝う」という意味ですし。
TWICEには3人の日本人メンバー(ミナ、サナ、モモ)が在籍していますが、この3人が日本のドラマ『リエゾンーこどものこころ診療所ー』の挿入歌を担うという発表もありました。
私は普段、ドラマはあまり見ないというか…… なぜか苦手でなかなか見られないのですが……
リエゾンは前々から気になっていた漫画のドラマ化なので、とりあえず録画はしてみました。
なんとか、観てみたいところ…… とか言ってるうちに配信リリースが始まったので曲だけ聴きました。
挿入歌のタイトルは『Bouquet』
Bouquet=ブーケ(花束)なんですね。
自分と、大切な誰かを肯定する温かい歌。
『Celebrate』をきっかけに、久しぶりに他の曲も聴いたりMVを観たりして、やっぱり好きだなぁと再認識した1月でした。
(TWICEも語り始めると長くなるからこの辺で……)
Yeah!めっちゃストレス/ゴールデンボンバー
最後に楽しい曲で終わろうと思います。
ゴールデンボンバーの『Yeah! めっちゃストレス』
まずは一聴どうぞ。
陽気でリズミカルなパーカッションとダンサブルなベースにのせて放たれる、オネエさんの(微妙に共感できる?)愚痴ラップ。
からの、解読不能な言語にのせてアイリッシュ民謡のようなサビに展開していくのがなんともカオス。
初めて聴いたときのインパクトそのままに、気づけば延々とリピートしてしまう中毒性があります。
もともとケルト音楽、アイリッシュ調の音楽がけっこう好きだったりするので…… 笑いながら深く感動しているというアンビバレント(?)な状態に。
ケルト音楽…… 日本でいうとBUMP OF CHICKENの『分別奮闘記』とか、おかあさんといっしょの『まんまるスマイル』とか、無印良品の店内BGMとか好きな方にはささるかも。
サビの歌詞は実際にどこかの国の言葉なのか、鬼龍院さんのデタラメ造語なのか、意味はあるのかないのか…… 考えても答えは出ないので、とりあえず「もうみんなで踊っちゃえ〜!」って感じです。
かと思えばその後のもう一展開で、
……なんてちょっと寄り添う歌詞が投下されるので、泣いたらいいのか笑ったらいいのか、もう情緒がめちゃくちゃに(?)
ラストへ向けてどんどんテンポアップしていくアイリッシュ民謡のバックで、愚痴ラップが完全に溶け合って共存している様は見事としか言いようがないです。
しかもこの曲、生楽器・生演奏なのです。
そのレコーディング風景がこちらの動画。
ボンゴにバウロン、ギラ、
ウインドホイッスル、クラスターチャイム、
ティン・ホイッスル、ロー・ホイッスル、
アイリッシュ・フルート、フィドル、ヴィオラ……
普段なかなかお目にかかれないような本場の楽器たちが次々登場して、鬼龍院さんも興味津々。
私も、ケルト音楽が好きと言いつつどんな楽器が使われているかとか、あの音はなんて名前の楽器なのかとか知らずに今まできたので、いろいろ知れてたのしい。
さまざまな楽器が次々重なって音楽として完成していく様に、胸がアツくなります。
普段の楽曲制作ではリズム楽器はデジタルがメインというゴールデンボンバー。
生の楽器の音がトラックに加わった瞬間、
「生命が吹きこまれた」と感動する鬼龍院さん。
その道のプロ(演奏者)の方々も、「こんなのはどうですか?」といろいろ提案をしながら真摯に曲に向き合い、鬼龍院さんもその一つひとつに素直かつ謙虚に応える。
その場にいる全員から「いいものに仕上げよう」という熱意が伝わってきます。
ふざけているようで、真面目にカッコイイ楽曲です。
MV、なんとオフボーカルバージョンもあります。
きっと、演奏者さんたちへの感謝と敬意の気持ちから公開に至ったのではないでしょうか。
生演奏の良さに気づいてほしいという鬼龍院さんの思いを感じます。
レコーディング動画を観てから再び曲を聴くと、より各楽器の音がクリアに聴こえて、音楽の解像度がぐんと増すのも二度美味しい。
余談ですが、これをきっかけにApple Musicで普段よく聴いている音楽たちをオフボーカルで聴く(厳密にはカラオケバージョンという新機能で、うっすらとボーカルも聴こえる)のにはまりました。
聴ける環境にある方は、いろいろ試してみると楽曲の新しい面が見えて楽しいかも。
1月のあとがき
1月、大豊作の大収穫でした。
音楽の地図がぐんと豊かになりました。
はじめましてのアーティストというよりは、もともと好きな方々の好きがさらに深まったり、新しい面に出会えたり…… っていう地図の広がり方だったんじゃないかと。
実はこれでも1週間くらい、音楽すら聴けないくらい沈んでしまった期間もあったのですよ。
あぁ今度こそ無理かもしれない……と本気で思いました。
未来が見えなくなってしまって……(いや、未来とかもともとそんなの見える力ないけど)
もう、いいかな って。
我慢しなくて、頑張らなくて、諦めてしまっても。
逃げてしまってもいいかな。手を離してしまってもいいかな って。
楽になりたい。解放されたい。
私が決意さえすれば、すべて終わるのに。
楽になれるのに。楽にしてあげられるのに……
なのにどうして、涙があふれて止まらないのか。
心が痛んで悲鳴を上げるのか。
(その度に脳内で流れるアンチノミー/amazarashi)
自分の感情が分からなくなっちゃって。
何が正しいとか、正解かとか。信じることも、あきらめないことも。
恩とか情とか、何が誠意なのかも、分からなくなっちゃって。
一人で、答えの出ない問いをくり返していました。
(ちなみに私にとってこれらの思考・感情は=しにたい ではないので、そこは安心してほしいです)
今でもまだ「浮かんだ」とは言い難いですが、こんなにたくさんの音楽に震える心が生きているので大丈夫なんじゃないかなってところまで、上がってこられました。
またいつ沈むか分からない、つぎはぎの舟に乗っているような気持ちではありますが。
「爆弾の作り方」と言うよりは、いつ爆発するか分からない爆弾を抱えているような心持ちです(病気の比喩ではないです)
何も解決していない。いつかきっとまた爆発する。なら、今はただ「その時」を先延ばしにしているだけでは……?それってどうなの……?
それでも舟に乗りつづけていたら、いつか波も穏やかになって、視界がひらけるかな〜 なんて。楽観的な部分もありつつ。
そんなこんなでいろいろあって、少しnoteやSNSからも距離をとって過ごしていました。
(いただいたコメントのお返事など、遅くなってしまいごめんなさい)
精神的な面とはまた別に、これからどうやって生きていこうかな(物理・金銭的に)という感じもあります。
CD買ったり、ライブ行ったりも今まで以上にできなくなりそうです。
でも、お金がそんなになくても楽しめる音楽だってたくさんあるので、それは救いです。
書くことも、基本的には書くための媒体(究極、紙とペン)があればできることなのでありがたい。
そりゃもちろん、インプットのためにお金をかけたり、勉強の場に身を置くという自己投資ができればもっといろいろ広がるのかもしれないけれど……。
無いなら無いなりに、有るもので出来ることだってまだまだあるはずです。
「目に映る全てのことはメッセージ」だと思えば、きっと。
今後どうしていくのか、どうなっていくのかもまだ分かりません。
意外となんとかなるのかもしれないし、今までみたいには居られなくなるかもしれない。
でも、どうなっても好きなことは続けていくし、大切な人は大切なまま。応援している人のことはこれからも、変わらず応援しています。
近い未来でも遠い未来でも、また交われる場所があったら嬉しいです。
まだまだ寒さも厳しいけれど、少しずつでも、それぞれの春を迎えられますように。祈っています。