溶けない飴玉
「ずっと」
「絶対」
「永遠に」
その類の言葉には、基本的に期待を抱いていないというか、あまり信用していない。
……って言うとなんだかとてもドライな印象だけれど。
言われて嫌なわけじゃなくて。むしろ、とても心に響くこともある。
「その人」に言われるからうれしい、そんな言葉ってあると思う。同じ言葉でも。
そう思える人が、何人か思い浮かぶ。
きっと、その人のことをとても信頼しているんだと思う。大好きなんだと思う。
大好きっていうのは、恋愛感情に限った話ではなくて。
極端な話、その人になら裏切られても構わないと、納得できるような人。
「裏切られる」って書いたものの、個人的にはあんまりこの言葉は使いたくなくて。
人の気持ちは変わることもあるから。それは、騙されたわけじゃないと思うから。
自分が、自分の意思で勝手に信じただけだから。
「ずっと」がずっとじゃなくなっても、「絶対」が絶対じゃなくなっても、「永遠」が永遠じゃなくなっても。
少なくとも、その言葉を言ったときは本気でそう思って言ってくれたんだろうなと感じられたのなら。
もし相手の気持ちが変わってしまったとしても、その言葉をもらった瞬間とても嬉しかったという事実は私の中で変わらない。
だから、「裏切られる」ということはない。
うまく言えないけど、そんな感じ。
ずっと大切にポケットにしまっていて、ふとした瞬間に取り出しては、嬉しかったことを思い出せる。勇気をもらえる。
相手は、渡したことを忘れているかもしれない。
そもそも、渡したつもりすらないのかもしれない。
それでも。
溶けない飴玉みたいに、何度でも。
そして、「ずっと」とか「絶対」って言葉を添えて気持ちを伝えたくなる人たちが私にもいる。
他人から見れば、軽々しくそんなこと言って って思われるかもしれない。
でも、言ってる本人は、その瞬間は本当にそう思って言っている。少なくとも、私はそう。
いつでも、誰にでも言ってるわけじゃない。とっておきの、ありきたりな言葉。
せめて「その人」には、正しく伝わっていたらいいな。
……そんなことをぼんやりと考えていたら、BUMP OF CHICKENの『飴玉の唄』の歌詞が浮かんできて。
口ずさみながら、仕事へ行って帰ってきたのです。
僕は君を 信じたから もう裏切られることはない
だってもし裏切られても それが分からないから
(飴玉の唄/BUMP OF CHICKEN)
とてもいい曲、好きな曲です。
よかったら、聴いてみてくださいね。
【2/27 追記】
読んでくださった皆さま、ありがとうございます。
noteに「スキ」の通知が届いた夕飯準備時、ふと別の曲の歌詞がぽわんと浮かんできました。
この世界はそれほど
綺麗なもんじゃないけどさ
そんなに急いで出て行く
事はないじゃないか
僕らの期待を
世界はよく裏切るけれど
期待していなかった喜びに
時々出会えるんだ
裏切られた事に胸を張るんだ
信じようとした証拠なんだ
(終わりで始まり/amazarashi)
こちらも、大好きなバンドの大好きな曲です。
ぜひ聴いてみてください。
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