心に響いた音楽(2023年 上半期)
今年は、心なしか去年よりも音楽を聴く時間が減っているような気がしなくもありません。
ぼぉーっと、無音で過ごすことが多くなったなぁと思います。
正直に言うと、音楽を聴く気力もない…… 自分が何を聴きたいのか分からない…… という日もあります(ちょっと疲れているのかもね)
それでも、聴くとやっぱり「音楽大好き!」ってなるし、心に響く音楽との出会いもちゃんとあったので、残しておきたい……!
音楽との出会いも、そのとき自分が感じていたことも。
というわけで、2023年上半期によく聴いた音楽・心に響いた音楽をまとめてみることにしました。
一部でも、一緒に楽しんでいただけたら幸いです。
1月
1月については、以前がっつりと書いたnoteがあるのでそれを貼り付けておこうと思います。
6ヶ月分の記録だからね、書く側も読む側も省エネしておかないと。
ラインナップ
また、こちらのnoteについて うめがきたねさんにとっても嬉しい紹介noteを書いていただいたのも記憶に残っています。
私にとって宝物のようなnoteです。
たねさん、改めてありがとうございます🍀
2月〜6月のラインナップ
(お好きなところからでも、読んでいただけたら嬉しいです。下記の「目次」から飛べます)
2月
60W/リーガルリリー
最近のリーガルリリー、曲をリリースする度に衝撃というか、まだまだこんなにいい曲が出てくるの?という驚きを私の中で更新しつづけています。
よく、リーガルリリーの楽曲を表現するときに「轟音」という言葉が用いられているのを見ますが、この曲を聴くと初めましての人にもそれが伝わるんじゃないかなって。
眩しい光のようなイントロ、音の洪水が渦巻いて飲み込まれそうな間奏。とにかくサウンドがカッコイイです。
特に間奏の、焦燥にまみれて唸るようなギターの音が好き。
そしてその「轟音」を突き抜ける光のような、たかはしほのかさんの澄んだ声。
寂しさで心が叫び出しそうな夜、精いっぱい轟音を掻き鳴らして歌うこの声が、独りぼっちの誰かを照らしてくれる。そんな気がします。
Monsters/Katie Sky
私にしてはめずらしく洋楽。
2月、いちばん多く聴いていた曲です。
きっかけは、「1月の音楽の地図」にも登場したTWICE
TWICEのメンバー、ダヒョンがカバーしているのを聴いたのが最初でした。
TWICEは「◯◯推し」みたいなのは特にないのですが、気づくとつい目で追ってしまっているメンバーが何人かいて。ダヒョンもそのうちのひとり。いつもニッコニコしていてかわいいんです。
ダヒョンはTWICEでは主にラップ担当なので、歌声はあんまり目立つことはないけれど…… とっても優しい声質で私は大好き。
もっと聴きたい!……というファンの要望に応えてなのか、公式さんでいくつかカバーや弾き語り(そう、ダヒョンは楽器も弾けちゃう)動画がアップされています。
タイトルにもなっているmonstersという言葉が出てくるサビの歌詞。
モンスターというと「恐ろしい怪物」というイメージが大きいけれど、この曲では少し違うようです。
monsters=心の中の怪物(苦しみ)
いくつかの和訳から私が好きなものを集め、自分なりに解釈してまとめた歌詞の内容はこんな感じ。
これを、いつもニコニコ朗らか太陽みたいなダヒョンが歌うので尚更グッとくるんです。とても彼女らしい選曲だな、と。
そして、Kaite Skyの原曲も聴いてみたところ、こちらはこちらでまた素晴らしい歌声で。
ダヒョンバージョンと交互に聴いて…… 本当に、2月はこの曲に支えられていました。
3月
Paradise/NiziU
これはほぼ私信なんですけど、この曲のMVには「ちょうちょ」がたくさん出てきます。ファンタジー感あふれるちょうちょだけど、苦手な方は視聴するとき注意してね。
(振り付けもちょうちょモチーフが多い気がする)
再生回数でいえば、3月はこの曲がダントツです。
初めて聴いた瞬間から、好き!とダイレクトに心に響いたNiziUの『Paradise』
オルゴールのような音色のイントロと、アコギのアルペジオにのせて読み聞かせのようにゆっくり歌の世界へと誘うAメロパート。
Bメロ〜サビは、穏やかで奥行きのあるバンドサウンドが心地よくて。特にエレキギターの音が良いです。アウトロの余韻も好き。
この曲はぜひ生バンド演奏で聴いてみたい……!
各メンバーのパート割というか、声質など含めた生かし方も過去イチなのでは……?(全曲追っているわけではないので差し出がましいですけど)
NiziUにはラップ担当の2人(リマ、マユカ)がいるので大体の曲はどこかにラップパートが入るのですが、そういえばこの曲にはラップパートがありません。
リマ&マユカのラップじゃない歌割りも含めて耳が新鮮です。
NiziUって世間のイメージはおそらく「元気!」「明るい!」「フレッシュ!」みたいな感じかなと思うけれど、この曲は水面に静かに広がる波紋のように優しくて。メンバーの表情や歌声も穏やかで。
こんな、包容力に満ちた歌もとても似合うなって。
むしろ、これこそ彼女たちの真骨頂のようにさえ思えてきます。
この曲は作詞作曲プロデュースが今までのJ.Y.Parkさんではなく、Stray Kids(JYPグループの先輩)のメンバーさんが手がけているとのこと。
こんな素敵な曲を彼女たちに提供してくださって、新しい魅力を引き出してくださってありがとうございます!と伝えたくなります。
歌詞がまたいいんです。
特に好きな箇所をいくつか抜粋すると……
1番Bメロ(リクパート)
NiziUの曲、君は君のままでいいんだよ、そのままの君が最高なんだよ っていう肯定の歌詞が多いように思います。この曲はそれが全面に出ているというか。
「色も形も優しさも強さも〜」の「タララン タララン タララン……」というリズムの抑揚の付け方も好き。
Stray Kidsメンバー直々の歌唱指導の映像が公開されているのですが、その中の
「木が光を浴びて、葉っぱがヒラヒラと落ちていくイメージ」
という伝え方が、とても美しいなと。
そして、それを聞いてすぐに飲み込んで表現できるリクちゃんもすごい。
リクちゃんの低めの声の深みがまた、サビへ向けてしっかり聴かせるBメロパートにとてもマッチしているなって思います。
そしてサビ(ミイヒパート)の
さらにつづくニナパート
同じく2番サビ(リク)
つづくニナ
ミイヒ・リクパートの、“そのままの君が大好きで大切”という大肯定+ニナパートの“君は唯一無二だよ”という存在の肯定のコンボ。
特にニナパートの歌詞にグッと心掴まれます。
ニナの声も好き。心にすっと入ってきて揺さぶられる感じ。素直に聴けるというか。
NiziUの曲を聴いていると、シンプルな言葉でいいんだなぁ、シンプルな表現でも伝わるんだなぁって、普段凝り固まっている思考がほどけていくような気持ちになります。
MVも面白くって。
万華鏡のようなイントロの映像は、メンバー全員が同じ服、同じ髪型で踊って表現しているんです。
同じく2番Bメロの、合わせ鏡のようなシーンも。
これ、メンバーの顔とかあまり知らない人が観たらCGかなって思っちゃいそう。
振り付けがきれいにそろっている彼女たちだからできる演出だなぁと思います。
楽曲にシンクロした、緩急のある振り付けも何度も観たく(聴きたく)なってしまうポイント。
他にも、さまざまなコンセプトでセットされたたくさんの「部屋」をメンバーとカメラが移動しながら撮っていたり(撮影裏の映像で、メンバーがめちゃくちゃダッシュしてた)
あまりに感動しちゃって、noteでこの1曲だけについて細かく熱く、メンバー1人ずつクローズアップして語りそうな勢いだったんですけど、いろいろ立て込んでいてお蔵入りとなりました。
今こうして文章を書いていると再び熱量があふれ出そうですが、私の胸にしまっておきます。
映画ドラえもんの主題歌にもなった『Paradise』、年末の紅白で聴けるかなぁと楽しみにしています。
永遠のブルー/羊文学
爽やかなサビのメロディーに、一瞬にして耳を掴まれた羊文学の新曲。
爽やかなだけじゃない、青春を駆け抜ける焦燥や痛みも感じるサウンドがじりじり胸に沁みます。
力みすぎて間違えたり、怖くて泣いてしまったり、誰かを思って祈ったり。それは全部、「愛をしてるから」
「愛してるから」じゃなく、「愛をしてるから」という言い回しがフックになっていて、聴くたびに自分にとっての「愛をしている」瞬間って何だろう…… と考えてみたり。
失敗しても、正しさが何なのか分からなくても、悩みもがきながら何度でも憧れに手を伸ばす。
そんな、永遠に続きそうな青臭さを抱えて生きていくことを、そっと肯定してもらえるような気持ちになる曲です。
オトナブルー/新しい学校のリーダーズ
ある日、TwitterのリンクからYouTubeで某MVを観たあと…… 自動再生で流れてきたのがこの曲でした。
普段はすぐに閉じてしまうところだけれど、その日は気づけばそのまま最後まで観ていました。
プロモーションで流れてきた曲を最後まで観た(聴いた)のは、ばってん少女隊の『OiSa』以来です。
昭和歌謡曲的な、どこかレトロな雰囲気をまとう曲調。少し背伸びした青春のような歌詞。独創的なダンスとシュールな表情。そして、どっしり情緒あるボーカルの歌声に惹きつけられました。
MVを観終わって、そのまま他の曲やライブ映像を探しに行ったほど。
『オトナブルー』はほぼSUZUKAさんがボーカルを務めているけれど、他の曲を聴いてみると全メンバーバランスよく歌っているのですね。
そしてライブ映像を観てみたら、一人ひとりの歌とダンスのクオリティが高くって、こりゃ絶対ライブ楽しいだろうなぁ〜!と。
またすごいアーティストに出会っちゃったなと思っていたら、どうやら世間でもブームが起こっているらしい。
YouTubeで公開されている『オトナブルー』のライブ映像は2年以上前のものなのに対して、私が出会ったMVはつい最近アップされたよう。
最近になって何かあったのかな?と思ったら、TikTokをきっかけに人気に火が点いたと聞いて「なるほど」と。
その後 THE FIRST TAKEにも出ていましたね。
いまやテレビやフェスにも引っ張りだこ状態。
さまざまなきっかけによって彼女たちの存在や楽曲が広く知られる結果となったのは、とてもいいことだなぁと思います。
メンバーやずっと応援してきたファンもうれしかっただろうな。
人気のきっかけとなった『オトナブルー』は聴いたことのある人も多いと思うけれど、他の曲も良いのでぜひ聴いてみてほしいです!
私は『恋文』とか『迷えば尊し』とかも好き。
4月
窓の中から/BUMP OF CHICKEN
『18祭』という、NHK主催の企画の中で生まれた曲『窓の中から』
BUMP OF CHICKENとしての音源も配信リリースされていますが、私は18祭で披露された合唱バージョンが特に好きで。聴くたびに目の奥がつーんとします。
(↓のリンクから視聴できます。
なぜか画像だけみたいな表示になってしまっているのですが、クリックするとちゃんと再生されます)
『18祭』は18歳世代の1000人とアーティストが、1回限りのパフォーマンスで共演する姿、そこに至るまでの過程や思いを追った番組。
第6回目のアーティスト、BUMP OF CHICKENが掲げたテーマは「自分のこと」でした。
「あなたたちのことを教えてほしい」という呼びかけに押し寄せた18歳世代のさまざまな思い。
それを真摯に受けとめたBUMP OF CHICKEN。
番組をリアルタイムで視聴していた私は、胸の奥にアツいものがこみ上げて思わず笑みがこぼれたり涙がこぼれたり。
まず、出だしのこの歌詞にやられました。
18祭の参加者に贈られた記念品(バンダナ)に刻まれていた「Hello, I'm here」という文字
同時期に行われていたツアーのタイトル『be there』
ツアー完走と同時にリリースされたオフィシャルアプリ『be there』
「そこにいる」「ここにいる」
音楽を届ける人と受け取る人、お互いがいて初めて成立する関係性というか。
BUMP OF CHICKENの「これまで」と「これから」
そんな、変わらずに変わっていくバンドの根幹を表すのにふさわしい言葉だなぁって。
それにしても、合唱曲としてはなかなかの難易度の曲ですよねきっと……
最後の転調?する部分とか、歌詞も含めて好きです。
I'm here=「ここにいるよ」
それは、自分自身の存在の表明でもあり、誰かやあなたのために「そばにいるよ」という気持ちの表明でもあって。
ほんの一瞬でも声を重ねた記憶が、これから先ひとりになったときも支えてくれるよって。そんなふうに聴こえます。
藤原さんの言う「ちゃんと」や「きっと」には、不思議な説得力がありますね。「絶対」と言われるよりも信じられるような。
私がBUMP OF CHICKENに出会ったのは中学2年生の頃。人生で初めて好きになったアーティストでした。
『窓の中から』を聴いたとき、なんというか、好きになったあの頃の気持ちを思い出してじんわりと胸が温かくなるような…… そんな気持ちになりました。
今ではBUMP以外にも好きな音楽・アーティストがたくさん増えたけれど、その旅路を辿ると出発点には揺らぐことなくBUMPがいて、すべてがあの頃から繋がって今の自分になっていることを実感します。
いつも、そこにいてくれてありがとう。
これからも、よろしくお願いします。
現役の18歳世代だけでなく、これから迎える人、かつてそうだった人にも届いて支えとなる曲だと思います。
ジョーカー/THE BACK HORN
私が高校生のとき、CDショップで『イキルサイノウ』というアルバムタイトルを目にした瞬間、心を掴まれたのを今でも鮮明に覚えています。
今回は、久しぶりにアルバムを聴いてその素晴らしさに改めて心動かされたという感じです。
個人的には穏やかで優しめな4曲目、5曲目、8曲目、11曲目辺りをおすすめしたいところなのですが、ここではあえて、特にセンシティブな10番手『ジョーカー』を出陣させます。
アルバムタイトルにもなっている「イキルサイノウ」というワードが出てくるのもこの曲。
山田将司さんのボーカリストとしての表現力にただただ圧倒されます。たとえば、
「幸せな家族の風景」の「けい」の半笑いで投げやりなニュアンスとか
絶叫の後の、「笑う才能がないからぁぁ」という崩壊した歌い方……
まさに山田将司さんに歌われるために生まれてきた曲という感じです(?)
歌詞に句読点が用いられているのも、少年の手記や独白を覗いているかのような生々しさだな、と。
サウンドにも臨場感があって、どこにも居場所がなく、土砂降りの街中を傘もささずに彷徨う少年(少女)の姿がありありと浮かんでくるよう。
「誰も見てくれなかったくせに」
「誰か僕を見つけて……」
遠くの家の灯りを羨望して怒りや悲しみ、孤独、絶望にゆれる「少年」の危うさ。
それらを通して善と悪、正しさとは何なのかを問いかけてくるような……
まさに「切り札」と言える一曲です。
On Our Way/ザ・ロイヤル・コンセプト
またまた、私にしてはめずらしく洋楽です。
スウェーデン出身のロックバンド、ザ・ロイヤル・コンセプト
イントロのキラキラした電子音?と、胸が高鳴るようなドラムに心を掴まれました。
なんだか、自分が野外フェスの会場にいて飛び跳ねている気持ちになるような……(フェスまだ行ったことないんですけどね)
夜中にベランダで洗濯物を干しながらよく聴きました。
音楽だけでも好きですが、歌詞の和訳を調べてみると歌詞も好きな感じ。
こちら(↓)の訳が特に好きかな。
スワイプ/amazarashi
amazarashiの新曲。
憤りながら、嘆き抗いながら、踊り狂っているようなメロディーがとても好き。
歌詞も、『スワイプ』というタイトルからなんとなくイメージしていたことと、自分が普段感じていたことと、どこかシンクロするようで。
1月にリリースされた『アンチノミー』しかり、amazarashiの曲はいつも自分の状況や心境にタイムリーに響いてくるんですよね……。
秋田さんが紡ぐ旋律もツボだし、好きから逃れられません。
歌詞の内容はなかなかヘビーですが、サビ前?のメロディーが特に気持ちよく踊り狂ってて、頭の中でイマジナリー火柱を囲みながらずっとリピートして聴いてしまう中毒性があります。
歌詞の語尾を母音「あ・い」で韻を踏んでいるのも、聴き心地のよさになっているのかな。
MVではコンテンポラリーなダンスが披露されていますが、私の中ではどちらかというと民族系の踊りのイメージです。狂気の祭囃子的な(なんじゃそりゃ)
amazarashiのライブは基本動かずじっと聴き入る感じだけれど、この曲は身体がゆれてしまいそう。
繰り返される〈暮れる陽を止めろ〉というフレーズ。
最初はどう解釈したらいいのか分からなかったけれど……
陽は毎日必ず暮れる(くり返す)から、それを止めろ=(負の)連鎖を止めろ
……っていうふうにある日ふと聴こえて、なんとなく自分の中ではしっくりきました。
少なくとも、私が止めたいのは負(悲しみ)の連鎖だなぁ……。
誰かにとっては存在の存続にかかわる一大事も、別の誰かにとっては「スワイプ」して一瞬で過ぎ去ることで。でもそれは仕方のないことで。
すべてを受け止めることなんてできないし、そうしないと進めないから。
それでも、自分にとって見過ごせないもの、大切にしたいことだってあるはず。
そういうものに出会ったとき、あなたはどうする?……と、問いかけられているような気持ちになる曲です。
4月は他にも『アンチノミー』や『独白』、『境界線』、『性善説』などのamazarashiの曲をよく聴いていました。
なんとなく、私の心境が表れちゃってるラインナップ……
誤解を恐れつつ言うと、私は『独白』のここの歌詞がとても好きで。
目に見える傷は消えても、心に負った傷の深さは外からは分からない。
この痛みが、悲しみが、目に見えたらいいのに…… なんて思ってしまうこともあります。
でも、「自分はこれだけ傷ついているんだから何をしたって許されるだろう」って勇気や刃のふるい方を誤ってしまうと、『スワイプ』MVの彼みたいになってしまうのかなって。思ったりしました。
彼の苦しみが救われる世界線がどこかにあってほしい。
FOOL/羊文学
ジャギジャギなギターの音と、ダウナーな塩塚さんの歌声。さらに浮遊感のあるコーラスに身を委ねて、心地よく聴ける曲。
……と思っていたら突如として
という歌詞に射抜かれました。
誰かの常識や正しさに惑わされないで、
あなたの心はあなただけのものだよ。……そう耳元で囁かれるような。
失って傷ついても信じたいなんて馬鹿げているかもしれないけれど、自分にとって大切なものだけは決して離さないでいたい。そんな、静かな意志を感じる曲です。
ハイキ/リーガルリリー
イントロ、なんて表現したらいいのか分からないけれど、とても好き。
リーガルリリーの曲の中でもリズム遊び、ことば遊びの要素をつよく感じる曲だなぁ、と思います。
『地球でつかまえて』を聴いたときの感覚に近いような。
この曲も母音「あ・い」で韻をたくさん踏んでいて、耳に楽しいです。
歌い回しも実験的で、いろんな「たかはしほのかボイス」を楽しめるというか。
「お月さま」や「おなかがすいたの」の歌い方とか、サビ入りのエッジボイス(「い」に濁点ついてるみたいなとこ)が特に好き。
5月
5月は、家で視聴したメトロックの配信の記憶が大きいです。
中でも印象に残っているというか、ふとした瞬間に頭の中でぐるぐる鳴っていて、鼻歌をうたっていて、気付くとかなりお気に入りの1曲になっていたのがこちら。
ケダモノのフレンズ/にしな
実は聴くのは初めてではなかったのですが、当時はそこまで響いたわけではなかったはずの曲。
でも、聴いた瞬間に記憶の引き出しから飛び出すくらいには、どこか印象に残るものがあったのだろうな。
ライブ映像を観るのは初めてでしたが、とてもリラックスして歌われる方なんだな、と。
ステージ上をリズムにのってゆったり動きながら、お客さんやサポートメンバーとコミュニケーションを取りつつ歌う姿が微笑ましかったです。
ひとつ気になったのが、ステージのあちこちに置いてある“もふもふの物体”
最初、機材の上に本物のねこが鎮座しているのかと思ってびっくりしたけど、“ケダモノのしっぽ”っていうグッズなんですね。
めちゃくちゃかわいい…… ライブでふりふりしたい。家でもふもふしたい。
(同じくメトロックに出演していたジグザグさんの『きちゅねのよめいり』の“あの部分”でぶん回しても楽しいかも、と思ったり……。
ジグザグさん、グッズでどうですかね。“きちゅねのしっぽ”的なの)
絵本みたいな可愛らしい曲調も好きですが、歌詞にも好きなところがたくさん。特に
という歌詞が大好き。
暗闇を照らすより、照らさないでいてくれる優しさに安心することもあるから。
(クライは cry=泣く とかけていたりもするのかな)
U+(ユーアンド)/にしな
もうひとつ、この曲もとても響きました。
(個人的に↑のライブ映像がライティング含めておすすめ)
歌詞を、じっくり聴いてみてほしい曲です。
サビで繰り返されるこのフレーズ。
肩書きとか、カテゴライズとか、アイデンティティとか。さまざまな境界やその狭間で迷う人に、肯定も否定もなくそっと語りかけるよう。
Cメロの展開が気持ちよくて、まさに「爽やかな風」が吹き抜けるような開放感。
にしなさんの歌声ものびやか。
裏返りそうで裏返らないギリギリの揺らぎを含んだ歌声と、それでいて安定した歌唱力も彼女の魅力だなぁと思います。
ライブ行ってみたいなぁ。
See C Love/Chilli Beans.
出だしのベースから、もう好き。
さらにボーカルMotoさんのダウナーな歌声がカッコ良すぎる。
歌詞も「全部どうにでもなれ」みたいな投げやりな気持ちと乾いた笑いに、ちょっと涙がにじんでいるみたいな(?)
Twitterでフォロワーさんが「メトロックのChilli Beans. 良かった!」と紹介しているのをみて、「わー!観てきます!」という軽いフット(?)ワークで視聴したら、くらいました。
まったくの初見だったのだけど、聴いたそばから身体がゆれて踊りだしてしまうような音楽というか。
会場の空気を一瞬にして掴む頼もしさもあって。
メンバーのステージ慣れ感というか、楽しそうで自由な感じも良かったです。
メトロックのセットリストの中では特にこの曲と次に紹介する『lemonade』がお気に入り。
お気に入りすぎてこの2曲ばかりリピートしていましたが、最近やっと他の曲もちょっとずつ聴くようになって……
けっこう曲によってガラッと印象が変わるというか。これは沼が深そうだなぁ、と思っているところ。
lemonade/Chilli Beans.
メトロックの配信にて、曲の冒頭からメンバーが左右にリズムよく揺れるのが楽しくて、家にいるのに思わず身体が動いてしまいそうに。
『See C Love』とはまた雰囲気の違う感じで、なんだか“音が涼しい”なって。
「さわやか」ではなく「涼しい」 がしっくりくる感じ。
暗くはないけど、明るすぎなくて。
飄々としつつも、ちょっと浜辺で感傷に浸っているようなイメージ?
歌詞も、アクエリアスとかカルピス的な青春の爽やかさというよりは、確かに「レモネード」という甘苦酸っぱさがしっくりくるような気がします。
リズムとメロディーにのせて流れるように言葉が紡がれる歌詞も、それだけにとどまらず心情も物語もしっかり見えてきて。でも語りすぎなくて…… っていう。
このバランス感覚が、とても聴き心地いいのです。
リーガルリリーとのツーマンライブ、行きたすぎた……!
メトロックの配信、今年もたくさん楽しませていただきました。
去年に引きつづき、-真天地開闢集団-ジグザグでは命さんのおもしろMC、『きちゅねのよめいり』の可愛さ&盛り上がりも楽しすぎて。
『Promise』ではちょっと泣きそうになったり。
水曜日のカンパネラは、いっしょに観ていた娘にもヒットしたようで、アーカイブを何度も「みせて」と言われて一緒に観たり。
詩羽さんの自己肯定感高いMCもよかった(メトロックのではないけど、こんな感じの内容だった。↓)
大好きなリーガルリリーも良かったし、フォロワーさんの推しのミセス(Mrs. GREEN APPLE)も、ヘッドライナーで照明演出バチバチに決まっててカッコよかった!
ライブになかなか行けない身なので、メトロックの配信は本当にありがたかったです。
アーカイブもけっこう長いこと残していただいて。
元気のあるときも、あんまり無いときも、お気に入りを何度も堪能しました。
where?/リーガルリリー
『where?』は5曲入りEP(ミニアルバム)のタイトル。
どの曲もそれぞれ良いのですが、私が特に好きなのは『ライナー』
リリース前のちょこっと聴きの時点で、サビのメロディーに一聴惚れでした。
心のゆらぎ、疾走感と焦燥感。
旅立ちの、少し背伸びしたセンチメンタルみたいな。
アウトロの、回想シーンを思わせるギターの音が、もう戻れない過去への愛惜と、それを上回る未来への期待みたいで。
瑞々しくて、ひたすら眩い。
歌詞だけでいうと、『キラーチューン』がいちばんグッときたかな。
リーガルリリーが描く残酷さと、その中でも祈り願い愛すること。それらの共存した歌詞の世界が好きです。
euphoria(ユーフォリア)/Homecomings
ふわふわと掴みどころがないようでいて、安心に包み込まれるようなコード進行。不思議な魅力を醸し出しています。
実はこれを書いている7月現在、再びはまってよく聴いています。
サビのメロディーと畳野さんの歌声が美しすぎて、多幸感でとけそう。
あなたを世界につなぎとめるものの名前は、何ですか。
その名前を思うだけで、涙が出そうなほどの。
そんなものに出会えることを、人は「しあわせ」と呼ぶのかも……。
6月
実は、6月はあまり新しい出会いはなくて。
もともと好きで定期的に聴きたくなる曲たちを聴いて過ごしていました。そんな月もあるよね。
特に、5月によく聴いていた
にしなさんの『ケダモノのフレンズ』『U+』、Chilli Beans.の『See C Love』『lemonade』…… この4曲は(この文章を書いている7月現在も)よくセットで聴いています。
自分がなにを聴きたいのか分からない…… そんなときでも、すっと聴けるのが今の私にとってこの4曲です。
そんな中、6月も終わりが見えてきた頃に出会った2曲を最後に紹介したいと思います。
正直、まだそんなに再生回数は多くないけれど、歌詞がいまの自分に響いた曲なので記録として。
ファンタジー/Cocco
出だしからにこやかに殴りかかってくるような(?)歌詞でなかなかCoccoパンチが効いています。
特に好きなのが、Bメロの歌詞の1番と2番での対比。
と歌う1番のBメロ。
そうだよね、きっと全部を話して見せる必要なんてなくて。
ついつい心の奥の声がこぼれそうになる…… というか溢れてしまっている最近の自分を省みて、気持ちが揺れました。
と思ったら2番Bメロで
出ちゃっても、いいんだ?
正義の名の下であれば何をしてもいいわけじゃないけれど、でも、本当の気持ちまで押しころさなくて大丈夫だよって、言われているようで安心しました。
そんなの綺麗事でファンタジーだよ って歌いながら、でもきっと願う気持ちは本心で。
誰のどんな気持ちも否定することのない寛容さが、じんわりと沁みました。
荒野に立つ/のん
Twitterで何人かのフォロワーさんが紹介していたのが気になって、6月の最終日に思い出したように聴いてみました。
そして、一瞬で惹き込まれました。
私の中でのんさんは「女優」という認識で、音楽の活動もしているとは今まで知りませんでした。
というより、女優としての彼女のこともあまりよく知らずにきてしまいました(ドラマや映画をあんまり観なくて…… 役者さんに疎いのです…… すみません)
それでも、どこか惹かれるところのある、存在感のある人という認識はあったのですが、それをこの曲(MV)から改めて感じました。
歌声、所作のひとつひとつに吸い込まれるように見入って(聴き入って)しまう。
作詞作曲はヒグチアイさん。
歌詞からイメージするこの曲の中の人物は、きっと何かにとても怯えていて、でも必死で祈っていて。
震えながら立っていて、その足でどこかへ踏み出そうとしている…… そんな印象を受けました。
Cメロでくり返される「ふざけんな」という言葉と歌声、表情に胸が苦しくなるけれど、ラストに差し伸べられる光が、「きっとこれからはうまくいく」と、そう思わせてくれます。
以上、2023年上半期によく聴いた・心に響いた音楽でした。
長くなってしまいました。
長くなりすぎて、書きながら「これ、前編・後編に分けた方がよかったんじゃ……?」とも考えたものの、そのまま突っ走ってしまいました。
もちろん全部読んでいただけたらうれしいけれど、気になるところだけでも読んでいただけたら、そして曲を聴いていただけたらとっても嬉しいです。
のんびりゆっくり書いていたら、7月も後半に。
2023年の下半期も、心に響く音楽との出会いがありますように。
そうしてまた、年末か年明けくらいに下半期バージョンを書けたらしあわせです。
最後までお読みいただきありがとうございました。