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まほうがつかえた夜 【ライブ感想】羊文学 まほうがつかえる 2024.12.24 @大阪フェスティバルホール
生きていると、思いがけない瞬間が訪れることがある。今年の12月24日は、私にとってそういう日となりました。
毎年、東京と大阪で行われている羊文学のクリスマスライブ『まほうがつかえる』
今回はご縁あって、その大阪公演に行くことができました。念願の初ひつじです。
今もまだライブのしあわせな余韻がつづいていて、忘れないうちにその感想や感動の記録を書いていこうかと。
すでに両公演とも終了しているので、ネタバレは気にせずに書いていきます。
私自身があの日のことをなるべく覚えていたくて書いている部分が大きいので、とても長いです。
記憶があいまいなところもあるし、いつものように余談も多いので、ライブ本編から読みたい!という方は目次から飛んでいただけると良いかも(本編にも余談多いかもですが)
▶︎ライブ当日まで
ライブに行けることになったのは、公演まで2週間を切ったころ。SNSにて、フォロワーさんから一通のDMが。
12/24の羊文学のチケットが1枚余っています。どうですか?と。
一緒に行く予定だったご友人の都合が合わなくなってしまったらしく、ずっと羊文学のライブに行きたがっていた私に声をかけてくださったのです。
突然舞い込んだ幸運(チャンス)。めちゃくちゃ行きたい。でも、もともと行けないと諦めて申し込みすらしていなかったライブ。
クリスマスイブの夜に家にいないのはさすがにダメだよね…… と思い、一度は行けない旨のお返事をしました。母親として、致し方なし……。
でも個人的には、子育て中のママさんパパさんでも行けるなら行っていいと思っています。家庭の状況はそれぞれだし、子どもの年齢や性格にもよるだろうから。行きたい気持ちと行ける可能性があるなら、行っていいと思っています。
……と考えながら、「私は、ほんとうに行けないのか……?」と自問自答が始まってしまいました。
そして、1人で判断してあきらめる前に一度家族にダメ元で相談してみては……?それでダメなら諦めもつくだろうし!と、家族へ相談&プレゼン(羊文学のライブに行きたいという熱意を伝える)を決行。
そしたらまさかのOKをもらえて、クリスマスイブの夜、ライブへ行けることに……。信じられない……
思いもよらない出来事に、実感が湧かず。
信じられない気持ちと、楽しみで仕方ない気持ちをいったりきたり。
どうか無事にその日を迎えられますようにと、毎日毎日祈っていました。
そうして迎えたライブ当日。仕事を終え、家の用事も済ませ、電車に乗って目的地へ。
会場のフェスティバルホール(こちらも初)はとてもきれいで、ゴージャスでびっくり。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/167511787/picture_pc_1d12e25890e9fbdea477d8d013ec3a1d.jpg?width=1200)
大きなクリスマスツリーと赤い絨毯の階段に迎えられて、舞踏会場へ来たかのような気持ちに。
ドレスコードとかないよね……?と、若干気後れしそうになりつつ、でもワクワクもしながら非日常的な階段をのぼっていく。
階段上のエントランス?で、今回ライブに誘ってくださったキタガワさん(@psychedelicroc2)(@IPieerot)とご対面。
キタガワさんとは5年前、amazarashiの音楽文をきっかけに繋がって…… その辺りは過去にnoteでも書いているので今回は割愛しますが。
音楽文での(私の中ではけっこう衝撃的だった)邂逅を経て、5年越しの初めましてです。
キタガワさんから「ようこそお越しくださいました」的なことを言われて、いやいやそれはこちらのセリフですよ……!(キタガワさんは島根県から遠路はるばるおいでなので)と、言いたかったのだけど言葉が出てこず……。オウム返しになってしまいました。初っ端からこんな感じですみません。
入り口でチケットを提示して、ながーいエスカレーターにのって3階まで。ゆっくりゆっくり昇っていく。ゆっくり気持ちも高まっていく。
ホール内は思わず「すごい……!」と声に出てしまう景色で。高級感のある赤い座席がびっしり。
私たちの席は3階席の最前列、やや上手寄り。
3階席といってもあまり遠い感じはしなくて、見晴らしも良くてテンションが上がる。
キタガワさんとチケット代のやりとりや雑談をしながら、開演を待つことに。
ホール内の壁には特徴的な凹凸(これが音をいろんな方向に散らして届ける当ホールの音響にも繋がっているらしい)があり、そのところどころに出窓?のように突出した2人乗りの席(BOX席?)があったり、その下辺りにはジェットコースターの座席のように並んだ席もあったりと、もの珍しくてきょろきょろしてしまう。
自分がここにいることが、まだ信じられない……
緊張しながら開演を待っていると、暗転。
隣で「ちょうどだ」というキタガワさんの声が聞こえたので、時間ちょうどの開演だったのかな。
暗闇の中、羊文学のメンバーが拍手に迎えられ登場。
▶︎ライブ本編
最初の曲は、『くだらない』
塩塚モエカさん(ボーカル・ギター)の歌声がホールに響きわたる。というか、降り注ぐ。
河西ゆりかさんのベースの音が、ぐわっと体に飛び込んでくる。ユナさんのドラムのキック音が、心臓に心地よく響く。
うわぁ、ライブだ…… という高揚感に包まれる。
青系の照明に包まれた仄暗いステージ。メンバーはほぼシルエットしか見えないけれど、確かにそこにいて。
ステージには、メンバーの足元などを囲むように点々と配置されたスタンドライトがぼんやりと光っていて、昔絵本でみた「光るきのこ」みたいだな…… なんて思ったりして。
そんな光景に見惚れ、音に圧倒されているうちに2曲目へ。
『砂漠のきみへ』
聴きたかった曲……!(初ひつじなんで、聴きたい曲だらけなんですけどね)
〈涙だけは命取り でもあふれた〉というフレーズが好きで。
この曲の「砂漠」は、それだけ「きみ」が限界状態であることの比喩だと思っていて。
砂漠という環境下で、体からこれ以上水分(涙)が出ていくことは命取りなわけで。でもあふれちゃって。
それを掬って瓶に集めて
いつか花にあげる日まで
とっておくよ
それしかできない
ごめんねと 書く
その不器用な優しさというか、「きみ」を思う気持ちとか、温度感が、この曲がまとう雰囲気も相まってじんわり響く。
2番の〈胸にきいて深呼吸〉で、モエカさんが両手で胸の上あたりをトントンと叩く仕草をしていたのが印象的だった……
大好きなアウトロのギターは原曲以上に歪んでいて、うわぁ……と鳥肌が。
(私信 : 終演後、キタガワさんに伝えようとして言葉になっていなかったの、この部分です)
興奮そのままに、掻き鳴らされた次の曲のイントロに心はさらに湧き立つ。
ここで『光るとき』……!!
イントロとともに1階席の人たちが立ち上がりはじめて、その光景にも鳥肌が。
ユナさんのドラムがあまりに力強く、まるで荒野を駆ける力強い足取りのよう。私の心も、走り出しそうになる。
何回だって言うよ、世界は美しいよ
君がそれを諦めないからだよ
永遠に見えるものに苦しんでばかりの日々だけど、泥だらけのままで輝きを見つめていたいんだと、胸の奥で奮い立つ。
noteでも、この曲をきっかけに繋がることができた方々もいて、そんなことにも思いを馳せたり。
大好きな曲。ライブで聴けて、泣いてもおかしくないのにそれどころではなく。
Cメロからラストへ向けては、一際明るい光を放つ照明が眩しく点滅、光へ誘うかのよう。
ゆりかさんの高音コーラスも、拝みたくなる美しさだった……
アウトロの残響までたっぷり歪みつくすギターもあまりにカッコよく、拍手を送る両手に熱がこもる。
聴けてよかった……!
4曲目、『パーティーはすぐそこ』
最後のチャンスなの、許してママ、今夜だけは
子どもの目線で語られる歌詞で、普段の私は「ママ」側の人間だけれど、この日は子どもの目線からこの曲を聴いていた。
家族にお願いをして、このパーティー(ライブ)に参加させてもらっているのだから。
サビでは歌詞にもある「ミラーボール」がくるくると周り、星のように散りばめられる光の粒の美しさにハッとなる。本当にまほうみたいだけど、パーティはまだまだ始まったばかり……!
ここで最初のMC。
「まほうがつかえる、 2025……!」
初っ端いい間違えるモエカさん。気持ちが来年へ先走ってしまっていました。
今回のライブは、「羊文学のおうち」がテーマとのこと。
(だからあの光るきのこ…… ライトなのか。ルームライトみたいな)
特に今日はベースのゆりかさんが管理人?理事長?という体(てい)で進めていくらしい。
おうちみたいにリラックスして。いろんな年代の人がいるから、膝とか痛かったら座ってもいいし、立ってもいい。過去グッズの光る指輪をもっている人は光らせてもいい。好きなように楽しんでね。……というようなことを話すモエカさん。その口調も含めて、心はすっかりくつろぎモード。
「次は隠れクリスマスソングです」と言って演奏されたのは、『キャロル』
私にとってこの曲は、世の中のしんどいニュースに胸を痛めるだけで何もできないと嘆く自分を、少し楽にしてくれる曲で。
スーパーヒーローになって、奇跡のドア開いて
遠くの街の彼も、隣の君のことも
同じ強さでハグして大丈夫だって笑って
寂しい夜があればいつだって飛んでゆく
なんて、言えたらな
「なんて、言えたらな」という距離感、祈ることしかできない無力感とか、後悔。
クリスマスの夜、街に溶けて消える誰かのため息とか。そんな思いに絶妙に寄り添う曲。
クリスマスに限らないけれど、クリスマスはなんだか特に、誰かの幸せを願ってしまう。奇跡が起こってほしいと願ってしまう。
今日この曲を聴ける尊さを噛みしめた。
6曲目、『tears』
イントロが鳴った瞬間、ハッと息を飲んで背筋が伸びた。キャロル終わりに送った拍手の両手をそのまま胸の前でぎゅっと握って、祈るようなポーズに……。
私が、今年いちばん聴いた曲(Apple Musicしらべ)
おかゆソング。
2024年は個人的にも、それ以外でも、いろんなことがあった。
好きな音楽も、なんとなく聴く気持ちになれず。自分が何を聴きたいのか分からないくらい、気持ちが沈んでいた時期も多くあって。
でも、そんな中でもこの曲は聴くことができた。風邪を引いたときのお粥のように、身体にすっと沁み渡った。
今日聴けたらいいな…… とは思っていたけれど、本当に聴けるなんて。
幼い頃の夢を教えて
まだ世界が君に優しかったころはさ
どんな未来が美しいと
わかっていたのか
今のあなたの夢を教えて
綻び出す世界を見つめてたその目は
どんな未来を美しいと
思っているのか
少しだけ変化する、この歌詞の対比が本当に好きで……。
世界の「美しさ」を無邪気に信じられたあの頃。
でも、ずっとそのままではいられなくて。
世界は綻び、壊れてしまった。知りたくなかったことも、知ってしまった。
それでもなお、あなたが諦めなかった「美しさ」は何? 教えて、と。私も自分の胸にそっと問いかける。
ステージを包む緑色(信号の青をもうちょっと薄めたような)の照明がきれいで……
世界が壊れて泣いていたあの頃の自分ごと、癒されるような時間だった。
今年いちばん聴いた曲を、今年の終わりにライブで聴けて本当に嬉しかった。
暗闇の中、モエカさんに斜め後ろからピンスポットが当たり演奏されたのは『Flower』
Flower
僕は年をとって
君をきっと置いてゆくけど
君の1と0は悲しい顔をして
僕と学んだ言葉でさよならいうんだろうな
この歌詞を、まだ自分の中でうまく理解できていないけれど。でも、とても惹かれる歌詞だから、いつかハッとできたらいいな。
後半、ゆりかさんとユナさんにもピンスポットが当たり、3人が織り成す音の渦に埋もれるのが心地良すぎた。
(たまにモエカさんが横を向いて演奏したときに見える、ポニーテールのシルエットもカッコよくてきれいだった)
最初の一音でハッとなった、絶対に聴きたかった曲のひとつ、『マヨイガ』
私が羊文学にはまったきっかけとも言える、10年近い付き合いのフォロワーさんがいて。その方に「ひとちゃんのイメージの曲」と言っていただいたのをずっと胸に抱いていて。
その方がある日突然、SNSから姿を消してしまって、共通のフォロワーさんたちと騒然としたこと。
今年はじめの震災でも、その方の安否を共通のフォロワーさんたちと心配したこと。無事を知って安堵したこと。水道が復旧したと聞いて、よかったと胸を撫で下ろしたこと。
そんなことが一気に、脳裏を駆けめぐった。
祈っている、たとえどんなに遠く離れても
君の今、君のすべてが、喜びで溢れますように
溢れますように
いま私、羊文学のライブにきていますよ。マヨイガ、聴けていますよ。……心の中で思いを飛ばす。
連絡をしようと思えば手段はあるけれど、なかなかできなくて。でも、祈っています。
「喜びで溢れますように」で、ミラーボールがパッと点いて。天井だけでなく、足元からも光の粒であふれた光景があまりに美しすぎました。
ここで、MC。
今年はよく体調を崩していたというモエカさん。
病名のない体調不良…… 花粉症とか、気管支炎とか、謎の胃痛とか。
でも、9月くらい?から一周回って強くなったと。
だから今の私はちょっと違います。
みんなも、なんかいつもと違うって感じてるかも!と得意気に話す、つよつよモエカさん。
(会場の反応はぼんやりしていた気がする)
口調にほっこりするけれど、羊文学は今年も大忙しだったし、どうかたっぷりとご自愛もしてほしいです。
「夢なら覚めて頂戴〜〜」
先程までのほっこりMCから一転、ドスの効いた?歌声とバチバチの赤照明のギャップに思わず笑いそうになってしまった『FOOL』
たしかに、モエカさんつよつよだ……
わからないの?
初めから常識とか正義では心は奪えないのよ
初めて聴いたときから胸にグッと響いた歌詞。
この日はつよつよモエカさんの威力も相まって、より一層つよく心を揺さぶるよう。
つよつよバチバチを引き継いだまま、『Burning』でさらなる音の洪水へ。
後にキタガワさんがあまりの轟音っぷりに「何じゃありゃあ」と言っていましたが、ほんとになんじゃありゃあ。照明も眩しく激しかった気がする。
でもただ激しいだけではなく、「ねえ答えて 涙が ああ 涙が」からCメロへかけての、かすれ声で絞り出すような内面の「叫び」にはグッときたりも。
どんな痛みさえ輝きに変えながら
命を燃やすの
1階席では楽曲の熱量に応えるように、命を燃やさんとばかりにたくさんの腕が上がっているのも壮観だった。
これもどうか聴けますようにと願っていた曲のひとつ、『OOPARTS』
MVみたいなくるくる照明があちこちからステージをかけめぐる(MVで回っているのはメンバーの影の方ですが)
思えばこの曲をきっかけに、私は羊文学にはまっていった。
先述の10年近い付き合いのフォロワーさんが、最近好きで聴いてるとSNSに載せていて。
それまでの私は、羊文学の名前は知っている。曲もちょっと聴いてみたことはある。けれど、まだ好きになるには至っていなくて。
でも、そのときに聴いた『OOPARTS』は自分の中にストンと響いて。なんだこれ!って。
そこからは、何を聴いてもはまるゾーンに突入して、次々と羊文学の曲を聴いていった。これも好き、この曲も好き。好きが加速、そしてじわじわと確信に変わっていった。それが、2年くらい前のこと。
こうして今、ライブで聴けていることに感慨深くなる。
驚いたのが、一旦曲が終わって次の曲(激しめ)が始まった……?と思ったら、ライブバージョンのアウトロ?が追加されていたこと。
そしてそのとき(だったと思う)、モエカさんもゆりかさんもステージ前方へ歩み寄って各々の楽器を激しく掻き鳴らしていて、ゆりかさんに至っては一瞬、床にゴロンっと寝転がってベースを弾いていてびっくり。
(そのあとすぐに起き上がっていた。腹筋すごい)
とてもかっこよかった!
12曲目、『more than words』
温みのある音色のギターとベースが鳴る。
このイントロだけで泣けていたときもあった……
私にとって去年、2023年に何度も心にぴったりとはまって支えとなった曲のひとつ。
永遠に答えなんて出ないんじゃないかってくらい同じところでぐるぐる悩んで、迷って、決めきれなくて。何も進めていないような気がしてしまうけれど……
今日ここに自分がいられるのもそういう日々の積み重ねがあってこそなんだと思うと、これまでのこと無駄じゃなかったのかも……って。
ライブ中はそこまで考えていなかったけれど、今これを書きながらそう思って、泣きそうになってしまう。
サビでエフェクターを踏んでブースト?かけるモエカさん最高にかっこいい。サビ終わりの、突き抜ける高音が気持ちいい。
ユナさんのドラムのハイハットも心地いい。
きっと 同じような痛みを
辿ってく夜がきみにもあるなら
Just be by your side
And give you more than words
会場にいるひとりひとりに、言葉以上の力で寄り添う楽曲。それはきっとライブが終わったあとの日常にもつづいていく。そう思える演奏だった。
次の曲はなんだろう…… と固唾を飲んで見守っていると、モエカさんが足元のエフェクターを踏んで、ふわんふわんとループするような音がホールに鳴り響いた。
その振動で、ドラムのスネア(の裏のジャラジャラ?)が微かに鳴る音も響く…… それ以外は、静寂。
何がくるんだろう…… 期待が高まる。
そうして鳴らされた聴き馴染みのあるイントロ。ここにきて、ついに『1999』!
しかもこの繋ぎ…… 鳥肌。
雪のように、ミラーボールの光の粒が舞う演出が美しくて。
コーラスアンサンブルも、音源より力強く熱を帯びていて、圧倒されるとはこのことだと思った。
ときどき聴こえた低音のコーラスはユナさん?ゆりかさん?
原曲での、控えめに調和するフクダさんのコーラスが大好きなので…… フクダさんをほのかに感じられて嬉しかったり。
間奏部分、ギターに合わせて膝を曲げるモエカさんの動きも可愛らしかった。
それは世紀末のクリスマスイブ
ㅤㅤㅤㅤㅤ
— 羊文学 (@hitsujibungaku) December 24, 2024
" それは世紀末のクリスマスイブ "
羊文学 / 1999#クリスマスイブ #羊文学 #Hitsujibungaku pic.twitter.com/1LFG8Jc7g5
↑終演後、公式さんがアップしたその日の映像より。
音も光も、実際にホールで見聴きしたそれはずっとずっと素晴らしかった。
クリスマスイブの夜にこの曲を聴ける奇跡
まほうみたいだ……
そのまま、まほうの余韻のような『マフラー』へ。
夕暮れ時、マフラーを巻いた人物が電車に揺られながら窓の外を眺めている情景が浮かぶ曲。
「君は今、遠くの街で」からのモエカさんの歌声に胸がぎゅっとなる。
ゆりかさんのコーラスも、天から降ってくるようで。どこまでも伸びていくようで。
あたたかく、どこかノスタルジー。なんて冬の似合う曲なんだろう。
からの、ほっこりMCタイム。
「衣装かわいいでしょ?」と、両手を広げ体を傾けてこの日の衣装をお披露目するモエカさん。
モエカさんとゆりかさんは、黒メインの衣装の上に白い蜘蛛の巣のような(……あまりかわいい表現じゃなくてすみません。あれ、なんて表現したらいいんだろ)布を纏っていて。
ユナさんは白メインの衣装に赤い蜘蛛の巣。
(うまく表現できないので、後ほど載せる公式さんのツイートをご参照ください)
客席のどこからか「かわいい〜!」と女性の声が上がると、「ありがとう。そういうのもっとちょうだい!」とモエカさん。
私の席からは表情までは見えなかったけれど、嬉しそうに笑うモエカさんが浮かぶ。
2024年、羊文学はいろいろあった。よかったことも、そうじゃないことも。そういうの含めて今日ここにたどり着けました、と感謝を述べる一幕もあったような。
そして、今日はクリスマスイブ。
クリスマスといえばチキン。ケンタッキー。そう語るモエカさん。
でもお客さんからイマイチ反応(共感)が得られなかった?からか、クリスマスイブにここにいる人たちはそういうの関係ない?どうでもいい?と。
でもクリスマスデートで来ている人もいますよね?
それ以外の人たちは…… しんだ顔をしていますね。
と、ほんのり毒舌モエカさんも。
少なくとも、今日ここに、羊文学のライブに来ることができている私はしあわせですよ……!(と、心の中で言う)
※書きながら思ったのだけど、ここのMCこんなに長かったかな?もうちょっと別の場所に分散されていたかもしれないです。
最近の羊文学は、アンコールなしにはまっていますとモエカさん。
なので、これが最後のMCになるのでグッズ紹介をします!とグッズ紹介コーナーへ。
ずっと一緒に仕事をしたかったイラストレーターさんが手がけたという、今回のグッズデザイン。マフラーやニットセーターなど、冬ならではのアイテムも。
まほつか恒例のピンバッジは、今年はオレンジ色。これはドラムのユナさんの髪の色から決めました!とモエカさん。
ここでスペシャルドラマー、元CHAIのドラマーでもあるユナさんにスポットが。
5月にドラムのフクダヒロアさんの休養が告げられてから、ずっと羊文学のサポートをしてくださっていたユナさん。
モエカさんがユナさんのことを「太陽みたい」と言っていたのをどこかで見かけたのが、個人的にとても印象に残っていて。
この1年、羊文学を支え続けたユナさんにありがとうの拍手が会場から送られる。
ひきつづきグッズ紹介。受注販売のブランケットを紹介しようとするも、現物が見当たらず。
そのときユナさんがすっと舞台袖にはけていったので、ブランケット取りに行ってくださってるのかな?なんて思っていたら……
ハッピーバースデー・トゥーユー♪
と陽気な歌と音楽が流れて、ケーキを運びながらユナさん再登場(ケーキがのっている台にはちゃっかりブランケットも)
そう、この日はベースの河西ゆりかさんのお誕生日🎂
みんなで手拍子しつつハッピーバースデーの歌をうたい、お祝い。
ゆりかさんがケーキのろうそくを吹き消すと、現れたのはベースを持ったひつじちゃん(羊文学の公式キャラクター)のケーキ。
ゆりかちゃん、おメェェエェェエ!!!🐑🎂✨ pic.twitter.com/xvYf9qUqrf
— ひつじちゃん (@124Hitsujichan) December 24, 2024
かわいい!
[Thank you!]#羊文学「まほうがつかえる2024」
— 羊文学 (@hitsujibungaku) December 24, 2024
🎄大阪 フェスティバルホール
お越しいただいた皆様 ありがとうございました!
Merry Xmas🎅🏻✨
▽新曲「Burning」を含むプレイリストはコチラhttps://t.co/QJQUWOIzoA
※セットリストではございません。#羊文学_まほうがつかえる2024… pic.twitter.com/s6o5nTxnnu
思えば、アーティストさんの誕生日をライブでお祝いする場面に立ち会えたのも初めてかも。
その後、グッズのセーターをマイクスタンドにかけてマイクをあたためているマイペースなゆりかさんに、そんなことする人初めてみた、とツッコむモエカさん。マイクスタンドにセーター、2025年のトレンドになるかも、と。
そしてモエカさんから「宇宙人」と呼ばれるゆりかさん。「◯◯な宇宙人」……◯◯の部分は忘れちゃったけど、ポジティブな言葉だったのは確か。
その後も「今日はアンコールなしなので」と話すゆりかさんに「さっき言ったよ」「お伝え済みですよ」とツッコむモエカさん。
なんとなく、普段の2人の人柄ややりとりが想像できる一幕にニコニコしてしまいました。
そうしていよいよ、パーティも終盤へ。
ゆりか管理人?理事長?の指揮のもと、声出し練習タイムを経て『GO!!!』へ。
1階席の人たちがサビの「一斉に GO!!!」で腕を上げたり、光る指輪を揺らしたり。
そんな光景を見るたびにニコニコになりながら、私も多分この日いちばんノリノリで。
「鐘が ding dong,ding dong,ding dong」……では、自分も鐘になった気分で体を揺らして。楽しい。
視界の端(左隣)ではキタガワさんもリズムにのっているのが分かって、ああ、ライブっていいな楽しいなぁという気持ちに(ちなみに右隣は通路だったので誰もいない)
つづく『あいまいでいいよ』でも、たくさんの手が上がる。
あいまいでいいよ
本当のことは後回し
生きているとあいまいでよくないこともあるけれど、今日くらいは、この曲を聴いてるときくらいは、肩の力を抜いていいんじゃない?って。ちょっと気持ちが楽になる歌。
そうやっていろんなことを一旦2025年に後回ししたところで、ラストの曲へ。
「2024年の残りの、みなさまの◯◯(忘れちゃった)と健康、そして2025年の…… だいたいの穏やかな生活(だったかな?)を願って、最後に私たちが大好きな曲をやりたいと思います」
そうモエカさんが告げ、最後に演奏されたのは『ワンダー』
これも聴きたかった曲……!
ゆったりと壮大なリズムにのせて、モエカさんの歌声がどこまでもどこまでも伸びやかに響いて。
ゆりかさんのコーラスがその周りを……なんだろ?妖精?魚?のように自由に泳いで、澄み渡る。
グッドナイト、それまで
僕の方も退屈なりに何とかやるよ
君の長い旅、無事を祈るよ
オレンジの、暖色系の照明とミラーボール、天井から吊るされた星の粒のようなライトがゆっくりと点滅、瞬いて。
この日最後のきらきらが会場いっぱいに降りそそいだ。
心の中でその満天の星に手を伸ばしながら、目で星をつかまえながら、あまりに、あまりに美しすぎるその瞬間を目と耳と心に焼きつけようとした。
最後はモエカさんとゆりかさんがステージ中央(ユナさんの前)に向かって走りながら交わってジャーンプ!で大団円。
会場から、滝のように降ってくる拍手。
手を振りながら舞台袖へはけていくメンバーに、私も精一杯の拍手を送る。胸がいっぱい……!
▶︎終演後&セットリスト
終演後、「よかったですね〜!!」とキタガワさん。
胸の内にあふれる感動にまだ言葉が追いついていない私は、赤べこのように頷くので精一杯でした。
よかった。本当によかった。今日ここに来られて。
キタガワさんは初ひつじではないけれど、ホールの環境であの轟音を、羊文学のライブを一度観てみたかったとのこと。
今までに観た羊文学のライブでいちばんよかった、と。好きな曲(砂漠のきみへ)も聴けたし、と。よかった。
また、「ひとさんを羊文学のライブにつれてきたかった」という言葉にじーんとしたり。
(SNSでも度々、羊文学のライブに行きたいと嘆き呟いていましたからね……)
最終的に自分があきらめなかったからここにいられるのだとしても、誘ってもらわなければ始まらなかったので本当に感謝の気持ちでいっぱい。
私は全体的にに反応が遅くて鈍いので、咄嗟にうまく返せなかったり言葉が出なくて伝わりにくかったかもしれませんが……
本当に本当に感動して、感謝しているということはお伝えしたい……
(他にも音楽文時代からの積もる話もたくさんあったはずだけれど、あんまりちゃんと話せなくて……。またいつか、機会があれば)
お会いできて、一緒にライブを観られて、本当に嬉しかったです。
エスカレーターを降り、そのまま流れるようにグッズ販売コーナーへ。といっても、私が欲しかったひつじちゃんのぬいぐるみキーホルダーは会場に着いた時点で売り切れてしまっていたのだけど……(キタガワさんはトゲトゲひつじちゃんが欲しかったみたいだけど、そっちも売り切れ)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/167596883/picture_pc_4f180600617c9d195353249f75bf3771.jpg?width=1200)
ひつじちゃんと、トゲトゲひつじちゃん
並んだからには、なにも買わずには出られないですよね。どうしようどうしよう……と優柔不断を発動しながら待っている間にも売り切れ続出。小物系で残っているのはピンバッジだけに。
結局2人ともピンバッジを買いました。
ひつじちゃんを買えなかったのは残念だけれど、ひつじちゃんはまたいつか買えるチャンスがあるはずなので。
まほつかのグッズはまほつかでしか買えないから、ピンバッジは今日という日の記念になって結果的によかったかも。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/167596690/picture_pc_03827ad588fb7970b633b2548da67fcf.jpg?width=1200)
うちにいるひつじちゃん似のぬいぐるみを添えて。
(ちなみにこのひつじちゃんは9年くらい前?、シナリオアートの『ナナヒツジ』がリリースされたあたりにたまたま雑貨屋さんで出会って、羊モチーフに惹かれて購入したもの)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/167622338/picture_pc_c3cb8b37033e033c07b1899d4adf3de5.jpg?width=1200)
ライブに行けたことも、ホールの環境も夜の街のキラキラも、クリスマスの雰囲気も、会いたい人に会えたことも、すべてがまほうみたいだった。
忘れたくない光景が、瞬間がたくさんあった。
諦めざるを得ないことも多い日々だけれど、こんな幸せがあるのだから、これからも腐らず生きていきたいと思う。思える。
会場のフェスティバルホールも本当によかった。音響も照明も雰囲気も。
立って盛り上がる人もいれば、座っている人もいて。私は今回3階席だったのもあって、座って体を揺らしつつゆったり音に浸れました。
そういえば耳栓するの忘れてたなって後で気付いたくらい、耳にもやさしくて。
ひとつひとつの音がくっきりと聴こえて、心地よかった。
いろんな人にここでのライブを体験してほしいなって思ったし、いろんなアーティストさんに来てほしい。
私もいつかまた行けるといいな。フクダさんのいる羊文学のライブにも、いつか行けるといいな。
羊文学のみなさま、(まだCDJがありますが)2024年もお疲れさまでした。
そして、素敵な夜をありがとうございました🍀🐏
【まほうがつかえる 2024.12.24】
大阪フェスティバルホール セットリスト
01.くだらない
02.砂漠のきみへ
03.光るとき
04.パーティーはすぐそこ
05.キャロル
06.tears
07.Flower
08.マヨイガ
09.FOOL
10.Burning
11.OOPARTS
12.more than words
13.1999
14.マフラー
15.GO!!!
16.あいまいでいいよ
17.ワンダー
一緒にライブを観たキタガワさんの目線からのレポも、ぜひ。
▶︎おまけ
翌日25日。家族とおうちクリスマス。
ライブが楽しみでしょうがない気持ち(クッキー部分は事前に焼いた)と、ライブの余韻が滲み出てしまっているクリスマスケーキ。
家族には「犬?」って言われたけれど、もちろん羊ですよ。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/167600431/picture_pc_dcfad499fb9ffdbd92e591038f019fa7.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/167600411/picture_pc_3004eef4c173cc166716d215f4260e72.png?width=1200)
【おまけ その2】
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/168699951/picture_pc_ae4b66a30fe65cc03f512da80d053816.png?width=1200)
おそらく年内最後のnoteになるので、ちょこっとご挨拶も。
今年はあまりnoteを書くのも読むのもできなかった気がするけれど、変わらずかかわってくださった方、ありがとうございました。
この文章を最後まで読んでくださったあなたにも。
どうかあなたがしあわせでありますように。
世間一般的にどうとか、誰かが言っていた幸せとかじゃなくていいから、あなた自身が「しあわせ」だと思える日々を、生きていけますように。