「どらえもん のびたとシルバーサンダル 〜誰がために服を着る 他者目線と他人の目〜」
のびた「ようやく届いたよ!!!!」
どらえもん「うるさいなぁ、こんなウサギ小屋みたいな家なんだから叫ばなくても、どこにいても聞こえるよ」
のびた(以下、N):ようやく届いたんだよ! この夏の! マストバイアイテムが!!!
どらえもん(以下、D):君、いつもマストバイいうてない?
N:いいんだよ! オンリーワンでもナンバーワンでもないんだから、何個あったっていいだろ?!
D:それにしてもペース早すぎひん?
N:まったくもう! こっちがテンションバク上がりだってのに! みせてやらないぞ! これを!!!(どーーん!)
D:いや、めっちゃどやりながら見せられても、、、、って、サンダルかい?
N:ふふふふふ
D:なんやねん。。。。
N:どらえもんにはこれがタダのサンダルに見えるのかな?
D:、、、、、、、、いや、サンダルやろ。それ。
N:おいおい! 22世紀から来たってのにそのセンサーは節穴なのかい!? 見えないかい?
D:いや、もうめっちゃ見えてるよ、そのサンダルやろ? なんかシルバーなへ、、
N:そう!! シルバーなんだよ!! このサンダル!! よかった、シルバーの輝きで、目が眩んでみえなくなってるのかと思ったよ!!!
D:めっちゃ腹立つな、自分。。。。
D:だからそのへんな、
N:ただのサンダルじゃないんだよ!! みてみろよ、このフォルム!!!
D:絶対なんかワイに言わせない気やな。。。まぁええわ、そのサンダルがどうしたんだい?
N:このフォルム! ふつうのサンダルとはちょっと違うと思わないかい??
D:うーん、、、、、
N:ふっふっふっふ、まぁどらえもんにはーー
D:まぁなんかシルエットがスマートな感じはするね。トゥの部分が細身になっている。おそらく革靴のソールを元にしているんじゃないかな? なるほど、サンダルといえばカジュアルの代名詞だけれども、フォルムを革靴、、ドレスライクにすることで、フォーマルに印象を整えているというわけかい。そして、シルバーの選択。アッパー部を黒にするのももちろんありだけれども、夏に使うことを考えると、シルバーというのも確かにありかもね。夏はワンツーコーデとか、アイテム数が少なくなるからこういうシルバー系の目立つ。けれども面積がそこまでじゃないから悪目立ちはしない。シルバーというのはグレー系だから、メンズのモノトーンライクなコーデにも合わせやすいというわけか。なるほど、まぁ確かに考えられているアイテムだね。
N:そん感じだよ!!!!!!
D:なるほど、まぁよくわかったよ。
N:ふっふっふ! これで夏のコーデはバッチリさ!! 今年は自粛自粛でうんざりしていたからね!!!
D:君、ずっと寝ていたけどね。勉強もせずに。
N:どうせ学校にいっても寝ていただけだから問題はないよ! まぁ布団で寝れる分だけ、ラッキーだったけど!
N:でもようやくいろいろあったけど、自粛も開けて、外に出られるんだ!
D:まぁよくわからないけどいろいろあって外に出られなかったけど、出られるようになったしね。よくわからないけど。そうなったということで。
N:さっそくこれでデートにいってくるよ!! はるかちゃんと!
D:誰だよ、それ。
ーーーーーーーーーーーーーーー(1時間後)
N:うえーーーーーーーーーーーーーーん!!!!!
D:めっちゃ涙目で帰ってくるなぁ、君。
N:う、、うぅ!!! くそ!! みんな、なにもわかってないんだ!! くそお!!
D:めっちゃ口悪いな。どうしたん。はるかちゃんにシルバーサンダルをばかにされたのかい?
N:う、、うう、、!!
D:まぁ仕方ないよ、女子受けはあれ、
N:はるかちゃんは褒めてくれたんだ! モノトーンコーデの中でかわいいわねって!!
D:うそやろ。。。
N:ホントさ!!!!!
D:まぁそうならそうでいいけど。じゃあ、なんで泣いて帰ってくるんだい?
N:ばかにされたんだ、、このサンダルを!!!!! 学校のセンセイに!!! あのメガネに!!!!!!!!
D:君もめっちゃメガネだけどな。
N:それとこれとは別さ!! イオンモールにはるかちゃんと遊びに行ったんだけど
D:めっちゃ健全やな
N:そこで学校のセンセイにあったんだ! そして、ちゃんと勉強しているのか! とか小言はいわれたんだけ、それはいいんだ!! それはいい!! ぜんぜんしてないからね、勉強も課題も!!!
D:君のそういうところは本当にすごいな。
N:でも、この僕のコーデをおかしい!! っていったんだ! そもそもデートにサンダルはないだろうって!!
D:まぁ一理あるっちゃあるかもしれんが。。TPOと相手次第なんですけどね。
N:僕は反論したんだ!! このサンダルがいかにすごいか!!
D:君もようやるなぁ
N:でも、それでもセンセイはおかしいっていうんだ! さらにそこにセンセイのお子さんがやってきて、このくらいのちっさい女の子が 僕の格好を見て、、、ヘンだっていったんだ!!!
D:子供にはちょっとハードル高いやろうなぁ
N:僕は子供だからって甘やかさない!! だから僕はさらに、おかしいのは君の感性さ! これがいかに考えられたアイテムか! いかにこのコーデがかっこいいかを!! 全力で伝えたんだ!!!
D:地獄絵図やな。。
N:そしたら、その子が泣き出して! 僕は先生に怒られたってわけさ! はるかちゃんも、もうやめて! って制止してきてさ!! だれも、、、ぼくを理解しくれない!!!
D:・・・・・・・・
N:どうしてなんだい、どらえもん!! ぼくはぜったいにかっこいいって格好をしているのに!! みんなぼくを
(バシィ!!!)
N:ど、、、どらえもん
D:君は間違っているよ。
N:そ、そんな、、ぼくは
D:そして、君は正しい。
N:え。。。。。!?
D:君は今日、その、、えーとはるかちゃん?だっけ? とデートするためにそのコーデをしていったんだろう? そして、はるかちゃんは褒めてくれたんだろう?
N:そうさ! はるかちゃんは褒めてくれた!! それなのに!
D:だったらそれで十分じゃないか。
N:?
D:君はセンセイに褒められるためにその服を着たのかい? その女の子のことを考えてコーデしたのかい? 違うだろう? はるかちゃんとのデートを楽しむために喜んでもらうために、その服を着て、シルバーサンダルを履いたんだろう?
N:そう、、、、だ。
D:君が一番思った相手が喜んでくれた。それだったら、いいじゃないか。それ以上なにを望む。
N:そうか。。。。ぼくは一番、認められたい相手に認めれて、褒められて嬉しかった。だったらそれで十分なのに。本来、考えていなかった相手からの声で、その認められたということを忘れてしまった。。。蔑ろにしてしまった。
D:認められないことだってあるさ。でも一生懸命考えて、自分が楽しんで、そして大切な人が喜んでくれているのならば、それで十分じゃないか。
N:そうか。。それなのに、ぼくは、、、無関係な他人の声に感情を揺さぶられて、大切な人との時間を台無しにしてしまった。。!!!
D:客観性は大事さ。でも人の目を気にするのとは違う。そうじゃないかい?
N:人を気遣うことを、人の目を気にするのは違うんだね。。。そうか。
D:いいじゃないか。十人中十人全員に認められなくても。外野一人のヤジを受け流す方がクールじゃないかい? そのくらいでいいのさ、ファッションは。
N:ありがとう! どらえもん!!
N:よし!!! うん、やっぱ、このシルバーサンダルは最高だ!!!!
D:まぁ正直、シルバーサンダルの女子受けがいいとは思わんけど。
N:じゃあ、どらえもん! 次はしずかちゃんとデートしてくるよ!! 同じコーデで!!!!!
D:サイテイやな、君。
FIN