最後に勝つのはまごころである

シベリア抑留をテーマにした「ラーゲリより愛を込めて」という映画が一時期話題となった。
映画は拝見していないが、その映画のあらすじを読んだ際、学生の頃に遺書をまとめた本を読んだことを思い出した。
著名な作家の遺書が並ぶなか、最も心が惹かれたのが山本幡男氏の遺書だった。
読後10年ほど経過した今でも、以下の言葉は忘れられない。

最後に勝つものは道義であり、誠であり、まごころである

山本幡男 遺書 一部抜粋

最後に勝つのは、まごころである。
なんと美しい言葉であろうか。
シベリア抑留という絶望的状況下、「まごころ」が通じないとしか思えないような環境下で「まごころ」が通じると言い切るには一体どれほどの精神力が必要なのか。
今の我々には想像もできない。

この言葉が現代にも残っているのは、遺書を書いた山本幡男氏とそれを繋いだ人々の歴史的努力の賜物だと言える。

この言葉に報いるためには、現代に生きる我々も実生活において真心で尽くさねばならない。
たとえ真心が踏みにじられても真心を尽くせる人間にならねばならない。
真に心を尽くす者に人は動かされるのだろう。

平時よりも有事のとき、人生の困難な局面においてこそ、その真贋が問われる。

きっと真心で貫徹していたから、山本幡男氏の遺書は日本まで届いただろう。

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