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【日本全道人力踏破 JPWEX 熱海市攻略戦Days314】2024-7月期一日目 山行準備の日
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―――― 1. 前日譚
「結構前回から経ったとな?前は行ったというには滞在短すぎだよな。
次、いつ行くつもりだ?」
…さあね。
「るうさん、4月最期に行ってからゴールデンウィークも行かなかったし、どうするんです?
このまま夏になっちゃいますよ!夏は確か別の計画が…」
…天気に言ってくれ。
そんなやりとりを去年の末から定期的にしている気がする。
ああ、天気が晴れないんだよ。
単発で晴れるんだ、単発ではな。
長期滞在前提の今はその単発では出撃できないってわかってんだろうが。
今の経済環境では通う回数が限られるので、行ったが最期、以前の週四ペース…
いや、それ以上の成果を出さないといけないんだ。
そのことをいい加減わかってくれませんかね。
外野ならともかく、中の人から言われると、さすがの俺も腹立たしいわ。
まあここまで魔が開けば単発でも行けというプレッシャーなんだろうが…
それでも最終決断は俺だ。
俺が「ここだ」と思うタイミングで行かせてもらう。
その自由が俺にこの計画にすべてを捧ぐ条件の一つだったろ?
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今年の夏は富士山頭頂計画と、それに連動する形で伊豆半島一周(イズイチ)計画も進めていた。
シミュレーションをし、予算配分も…まあ理論上は実現可能なものに落とし込めるように
頑張って立てていたんだが…
熱海出陣が延びるにつれて、その実現性も怪しくなってきていた。
「優先するとしたら?」
…やはり熱海だろうな。さすがに熱海市踏破しなければ死ぬに死ねないだろう。
富士山は入山に金を取るようになった。
この傾向は他県にも波及するはずだ。額も上がるかもしれない。
伸ばせば伸ばすほど、行く機会を逃す危険がある。
だからこそ、今年こそはと踏んでいたんだが、天気がその障害となった。
8月まで動きがなければ…考えを改める必要があるのかな。
…そんなふうに思っていた矢先、予報レベルだが一週間は晴れが継続する日が訪れた!
来た!
すぐさま中央に打診し、出撃最終決定の認可を取り付けた…
…はずだったがその直前まで別件の仕事を進めていたのでバックアップが完了しているか不透明だった。
確か前回終了時、すぐ取り組んでいたはずだ。
だが散歩ロケ以降、日常の録画と多摩動物公園などのミッションが間に入っていて、その分のバックアップが済んでいないことがわかり、早速開始する。
出撃を当初の予定から2日延期し、バックアップに取り組んだが…
最終出撃可能日として設定した日曜の前日…土曜日になっても終りが見えない。
あ、これは徹夜コースかもしれん。
月曜まで待つわけにはいかない。まーた強硬策か。
仕方ない。
日曜は山入するわけではないから、まあなんとかなるか。
俺の旅の初日あるあるってヤツだ。今更な話だ。
…とはいえ、一切眠らないと不測な事態も有り得るので、早いタイミングで短時間眠り、
夜通り最期のバックアプを進め、そのまま終わり次第出撃という体制を取ったのである。
―――― 2. 出陣
バックアップが終わったのは午前5時くらいだろうか。
荷造り自体は主は概ね早い段階で済ませていたから、リュックに詰め直したりする程度であった。
体の煩わしさも、頭の重さも、どうにか対処できるレベルだ。
強いて言えば、腹の調子が少々悪いか…
一応最低限の食事は接種したが…
体調が完全とはいえない状況では無理はできない。
始発や早期で行くことは諦め、正午近くで向かうことに決めた。
そのほうが電車の混雑を避けられるし、そもそもの話、今回はいつものように
草刈鋏やその他の山行に対する備品を初日調達する必要がない。
鋏は前回の時、新品を購入したが結局たった一日の復旧作業程度では、その前から使っていた鋏で対処できていた。
…つまり、未使用の鋏が既に港に保管してある。
…ただし3ヶ月超を港に保管していたことで腐食劣化していないかという懸念は残っているが…
さらし置きしているわけではないとはいえ、影響があるかもしれない。
江村さんたちに状態を確認してもらおうかとも考えたが、仮に見てもらったとして錆の侵蝕は認識できるとして、その切れ味の比較は俺自身にしか出来ないだろうしな…
…万が一、買い直しになるとしたら、いきなり出遅れる。
それは避けたいなぁ。
まあ無事なことに賭けるか。きっと大丈夫だと。
大量の荷物を持って出発。駅に向かった。
今回はまあタイミングそこそこで電車に乗ることが出来た。
最近は眼の前で行かれたりすることが多かったからな。
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急行に乗り換える際、混雑するかと乗る車両を様子見していたが、入ってくる車両内の客がそう多くもなかったので先頭車両へと移動し、うまく運転席の近くに陣取ることが出来た。
やはり午前中の早期を狙わないのなら、敢えて昼近くまで待ったほうが乗車率は低い。
この推測は正しかったようだね。
しかし、始めはよかったが徐々に体調が悪くなっていくのがわかる。
なんだ、疲れか?
置いたリュックを椅子代わりにして体重を預けて体の力を抜く。
なんだ、この調子の悪さは。寝不足か?腹痛か?
はっきりとした原因がわからないまま、とにかく大人しく回復を待った。
初日から…現地着く前にいきなりこれとは先が思いやられる。
―――― 3. 伊豆多賀へ
相当気分が悪ければ途中下車も考えたが…
途中で座席が空いたのでリュックの上に腰掛けていたバランスの悪い状態から、移動して体を休めた。
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それが功を奏したのかわからないが、最終の小田原駅へ無事辿り着けた。
不調だった気分もだいぶ回復した気がする。
すべての荷物を背負い、駅のホームを進む。
改札階に上がり、いつものように改札を抜けようとするも、立ち止まった。
…トイレ行っておくか。ちょっとお腹に違和感を感じる。
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大体トイレは時間があれば小田原駅自体の駅ビルのトイレ、時間がなければ東海道線内のトイレを使うのだが…
時間は半端だしな。そうだ!小田急線改札内のトイレはどうだろうか。
さすがにすべての荷物をトイレの個室に持ち込むのは無理があるので、どうせならと貴重品の入るトートバッグ以外をトイレ入口のエレベーターボックスの裏に預け置いた。
逆に目立つ場所に置くことで防犯の意味もある。
なにげに忘れ物取扱所から見える位置にあるのもポイントだ。
ここなら大丈夫だろうと。
…それにこれだけの重量物なら、簡単に持ち運べるものでもない。
(中に入ってるのは一般的には価値の薄いものだしな)
トイレの個室は1つ空いていた。ラッキーだ。
俺の主観だが東海道線の改札内トイレの方が個室の数は多いが、利用客の集中度合いが小田急線内の方が少ない気がするのだ。
今度から緊急時はこっちを使おう。
トイレを済ませて表へ出る。不安材料がまた一つなくなったからか、体調も回復したように思えた。やはりお腹周りが原因だったのだろうか。
精神面からものもかもしれない。
何にせよ、復調したなら喜ばしいことだ。
再度荷物を担ぎ直し、小田急線から東海道線へと乗り換えた。
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根府川駅最寄りの定点観測ポイントから相模湾を覗くと、なんとなく海の状態が暗い。
これはどう判断すればいいのだろうか。
まあ天候状態を気にしなければならないのは明日からだからな。
今日の天候不順は大目に見よう。
熱海駅へ到着すると伊東線のホームへと移動する。
昼飯として駅そばでも食べるべきか…とも考えたがここで何か入れて途中で不調をきたすのも悔やまれる。
もう少しだし、港へ向かってしまおう。
そこまで空腹というわけでもない。
さほど待たずしてやって来た伊東線の最後尾の車両に乗り込んで発進した。
2つ目の駅、伊豆多賀へ降り立つ。
さあ始まるぞ、3ヶ月半ぶりの死闘の幕開けだ!
この駅自体は乗降数は多いわけではないが、俺以外にも数人…数組が降りていく。
改札を抜けると以前は改装中だった駅脇のトイレが完全に完成していた。
おお。小田原で行ったからここでは見ていかなかったが、今度行ってみよう。
階段を降りると、下から車で身内を送迎する車がやってきていた。
夏休み帰省かな?
俺?俺はある意味天涯孤独なので帰省とかはないですよ。
さて、カメラをセットして撮影を開始する。
さあ、ではいってみようか!
―――― 4. いつもの人たち
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オープニングカットを撮ったらさっそく移動開始だ。
とにかくこの煩わしい大量の荷物から解放されたい。
向かうは戸又港。もちろん最短ルートでだ。
手足の長さとバッグの手持ちの長さが合ってないので、どう持っても端が地面と擦れてしまうもどかしさにイライラしながら進む。
未だにこれの解決策は見出だせていない。
上多賀交差点から長浜を経由して海沿いの国道を歩く。
戸又港に着く頃にはヘタっていたが、それでも気合で歩を進める。
港にさえ着ければ、この煩わしさが終わるのだからという一点でだ。
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小屋のある奥地へ立ち入ると、江村さんの車だけでなく、友人のバイクなどがあった。
人の姿も見える。
お、なんだ。今日は大所帯か?
きぃちゃんにはメールを送っておいたので今日来ることは知っているはずだが…
お、おひさし…
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「あー!来たよー!そんなに何を持ってきたの!?」
いや、いつも通りですよ。特段増えてるわけでは…
ってだいぶ日焼けしてますね。
「そこ(倉庫)にいっぱいあるじゃん!」
それはそれ、これはこれ!(息も絶え絶え)
昨日寝てなくて割とフラフラで…
「昨日どこいたの!?日陰入んな」
いや、家にはいたんですけどね…バックアップ作業で…
港行ったら寝りゃいいなと(笑)
江村さんの友人が席を開けてくれた。あら優しい。
「このクソ暑いのに…」
明日からの方が地獄ですよ。これで草刈りするんですから。
「荷物中入れなよ」
いや、全部入れたら狭くなっちゃうし…
ちょっと体に巻いたポーチとかだけ持って小屋の奥の木の長椅子に通してもらった。
「ところであなた何歳なの?」
あー、○○前です。
1単位で年齢の特定大会が始まる。
江村さんやきぃちゃんには話しただろ(笑)
俺自身よく把握してないんですよ。誰からも祝われないから。
「言えば祝ってあげるよ」
いやいや、そんな馬鹿な。俺を祝えってどこぞの王様かって話で好きではない。
俺は自分の誕生日に価値を置いてないので。
俺に関わる人の誕生日は祝う気持ちはあるけどね。
「いつまでいるの?」
んー、次の次の月曜日くらい?
「8月になっちゃうじゃん」
いや、確か7月29か30じゃなかったっけ?
まあ予定なので変わるかもしれませんが…
「もう雨降らないんじゃない?」
ええ。それを待ってたが故にここまで間が空いたわけでして…
一回帰ったらまた来るかもしれません(8月期)
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リュックも小屋内に入れ、椅子に座って中身を出していく。
夕方には買い出しに出るから一度中身を空にしないといけない。
リュックを出し終えたら次は他のバッグを…
あ、いや、そんなことより優先すべき事があった!
服も軽装になると、倉庫に向かう。
預けていた荷物の…特に草刈鋏の状態を確認せねば。
「全部出すの?」
いや、全部じゃなくていいんですけど…
「あっちにも靴あるよ?」
いや、今ここにあるのは全て壊れたものでしてね…。
「半年ぶりくらいだよね?」
いや、3ヶ月ぶりくらいですよ。4月の時来ましたもん。
実質一日みたいなものでしたから短いけど…。
あ、そうそう。まず草刈時身につけるものとか寝袋洗濯しないと…
虫がついてるかもしれないからね。
この暑さなら早くやれば明日の朝には乾くだろ。
とりあえず寝袋からと、頭洗う洗髪剤を持って洗面所に向かう。
いつものようにホースから出る水で洗うつもりでいたが、きぃちゃんが巨大なバケツを持ち出してきた。
「これ使えばいいじゃん。穴空いてるけど」
え、こんないいものがあったんですか。てっきり洗面器くらいのものしかないかと…
洗面器の7倍くらいは水が入りそうな巨大なバケツが2つ。
あ、でも確かに横に割れてるヒビがあるな。
実際水を入れると、そのヒビから出てしまうので実際のバケツの容量の5分の1くらいしか貯めることができない。
…まあそれでも洗面器より容量があるので使わせてもらいましょうか。
ではお借りします。
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蛇口を捻りバケツの中に寝袋を突っ込んだ。
水が貯まる間に次は身につける服などを持っていく。
めちゃくちゃ暑いので頭にタオルを巻いて作業する。
俺が洗濯物を水場に一生懸命運んでいると江村さんの友人が話しかけてくる。
「あなた草刈して報酬をもらうの?」
いえ?自己満足です。
「草なんかすぐ生えちゃうよ?」
いや、今はネットに記録を残せるので俺が死んでから、こんなことをしてる奴がいたんだと、馬鹿だなと笑ってくれればいいんですよ。
誰かに認めてほしいわけじゃない。俺がやりたいからやるのだと。
江村「シャワー浴びちゃえばいいのに。今ならお湯になってるぞ?」
いや、まずは洗濯を終えてからね。
バケツのもとに戻ると水が減っていた。おいおい。
また別のとこから水漏れを起こしていた。
再び水を補充する。
水が溜まったら、服から軽く水洗いして絞っていく。
基本的に汚れは前回去る時に洗ったから落としているので虫落としや殺菌をできればいいからね。
寝袋を広げて洗浄を開始したところで…
「じゃあ帰るからね」
きぃちゃんがご帰宅するらしい。
きぃちゃんが帰るということは江村さんも帰り、おそらく友人たちも帰っていくのだろう。
俺はどうぞ、お世話になりますと改めて挨拶すると洗濯を続けた。
全ての洗い物を終えてバケツを綺麗にし、元通りに積み上げる。
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洗濯物を抱えて小屋の方に戻るとあれだけ騒がしかった小屋が静かになっていた。
俺一人だもんね。
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静かになったので洗った洗濯物たちを集中して全て干しきった。
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取り急ぎやることが終わったので、小屋の中で少し休憩する。
明日への荷造りはまだ急がなくても大丈夫だろう。
数分スマホで投稿や調べ物をしたあと、行水の準備を始める。
江村さんが言ったように、全身流してしまうか。
今着てる上の服は濡らしても山行用ではなく、街歩き用の服だから乾かせばいいし、下は海水浴用の半ズボンに履き替えたらいい。
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着替えて洗い場に戻ると、ホースを持ち頭から水を被った。
こういう事ができるのも今の季節ならではだ。
まあ冬は汗自体大人しくしてる分にはそうそう掻くことはないんだけどね。
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頭を乾かし終わったタイミングで、きぃちゃんが一人戻ってきた。
「買い物行ったかと思った」
ああ、洗濯時間かかっちゃって、頭乾かしたばかりでこれからですよ。
「こんだけ暖かければ乾くでしょ」
寝袋がどうかですね。まあ一日くらいなくても我慢するけど…
頭も終わったのでリュックを小屋の外に出して買い出しの準備を進める。
とはいえ、リュックは基本空っぽにして、トートバッグ側に要るものは詰めていくだけなんだけど。
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荷物がある程度目処がつくと、次にやることは蚊帳の設置だ。
昨年買っておけば良かったんだけど時期を逃してキャンドゥで見かけたのに変えなかったんだよね。
わざわざ向ヶ丘遊園店まで行って買ってきたよ。
ついに現地導入だ。
まあちゃんと設置するには留め場に欠けるので急場凌ぎの設置になってしまったが、素の状態よりはマシだろう。
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設置と終わったと思ったら、すでに蚊帳の中に蜂らしきものが入り込んでいた。おおおおおい!中にいたら意味がないだろがい!一度捲りあげて逃げるように促した。んー、大丈夫かこれ。先行きが不安である。
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―――― 5. そして買い出しへ
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着替えを完全に完了し、いざ出撃…思ったらサンダルが無いことに気がついた。
前々期くらいに買ったはずなのに…
小屋や倉庫、周囲を見渡したが結局見つけることが出来なかった。
普通の靴で行くしかないか。
参ったな。今はいいよ。
問題は山行が激化した後、降りてきた後の時間帯を過ごす時に足を圧迫から解放し、休ませる意味で重要なものだってことだ。
んー、保管したつもりだったが誰か履いてってしまったのだろうか。
無いことがわかっていたら安い店で事前に買っていたのだが。
ここに来てからでは、あまり安くは買えないだろう。
限られた予算ではサンダル一つも馬鹿にならない。
…とりあえず買い出し先で見てみるか。
こうして、最低限のものに積み替えた装備で、買い出しへと出発した。
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サンダルを探すなら生活用品的にはバリエーションがあるウェルシアだろうと、マックスバリュの前に立ち寄った。
売り場を探し当て、相場を確認する。
やはりそこそこの値段がする。正直痛い。
買うのを控えようかと思ったが、使うのは今期に限った話ではない。
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今後の重要アイテムだ。食事以上に大切なものになり得ると考え、一番安いものを手に取った。これで何とかしよう。
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それとおやつ用にしっとりチョコを買った。
どうせなら今日は食材もここで揃えるかと見回してみたが…
やはり惣菜系はマックスバリュの方が強いか…
と悩んだ末、ウェルシアではその2つだけ購入するに終わった。
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店を出て、そのまま隣のマックスバリュに向かう。
入るとまず生鮮品売り場に。
バナナをまず手に取る。
暑い時期はなかなか食事が喉を通りづらいので山行では活躍するバナナ。
ちとパンより割高になるが仕方ない。
あと潰れやすいのが欠点だな。気をつけないと。
やはり来る時間が早かったのか割引シールのある惣菜は殆ど無い。
あ、いや、今第一陣のシールを貼り出してる?
店員の姿が目に入ったので他の商品をまず見てから最期にもう一度見返してみよう。
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麺類コーナーでそばを取って歩いていると、前方によく声をかけてくれるいつもの店員さんを発見。
目が合うと挨拶してきてくれた。
「お久しぶりです!お元気でしたか?」
ええ。来週の月曜日まではいるんで、よろしくお願いします。
いやぁ、いつも元気をありがとう。
山行行動食用のラムネを取り、再び惣菜コーナー弁当売り場へ。
こちらではシールが貼ってあるものが売られていた。
ミニ中華丼か。今日はこれでいいか。
夕飯自体は簡素でいい。空腹で辛い事にならない程度のもので。
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大事なのは置きてから食べるものと山の上で食べるものだ。
飲み物は初日ということもあり、1.5リットルペットボトル三本。
これは今飲むというより山の上に持っていくためのものとして、だ。
あと二個の菓子パンを買い、ジェネリックわかめスープの素、ティーパック。
キューちゃんを購入。
再度惣菜コーナーに戻り、シールが貼られた中から、海苔巻系が何故か売り切れたのか全く無かったのでおにぎりを一つ選んだ。
そして最後はガリガリ君ソーダ味をゲット。
やはり夏はあれをやらなきゃね!
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レジに行くと先程の店員さんがついていたので精算をお願いする。
「久しぶりですね」
改めて挨拶する。4月以来でしたっけ。
「もっとじゃないですか?」
あれ?…あっ、そうか。正確に覚えていなくて熱海に来てる=ここに必ず一度は寄ることが定番化しているから当然あの時も来てると思っていたが実質単発一日しか滞在しなかったも同じなので、もしかしたら4月の時は来てなかった可能性もある。
なら半年ぶりになるのか。
あ、そうだ。聞いてみるか。
すいません。ここで買ったコーラとかですが、栓を開けてない未開封の状態なら数ヶ月の常温保管でも衛生的に大丈夫ですかね?口をつけてたらだめでしょうけど未開封ならという話。
「涼しいところに置いてあれば大丈夫だとは思いますが…」
まあ下手に断定はできないよな。責任問題になりかねないし。
ちと意地悪な質問をしてしまったな。店員としての立場じゃなければもっと突っ込んだ意見も聞けたかもしれないが。
また今期もよろしくお願いしますと礼を言って立ち去った。
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弁当を温めて店を出ると、入口脇の座れる場所でいつものガリガリ君チャレンジを行う。
…とここで悲劇的なことに気がつく。
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ガリガリ君の大きさが小さくなってる!?明らかに袋のサイズはそのままであるのに中身のアイスの量が縦に短くなっている。実質的な値上げの波がここにも及んだか。がっかりだー。
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そしてくじも外れる。まあこれは想定内。
長期戦の闘いになる。まず一敗目だ。臆すことでもない。
さあ港の我が別荘に帰ろう。
―――― 6. 帰還からおやすみまで
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潮路橋の辺りに差し掛かると対岸の網代の朝日山あたりに丸い月が綺麗に浮かんでいた。
まだ出たばかりなのか光が赤みを帯びている。
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立ち止まって写真を撮る。
ほぼ満月と言っていい。
綺麗な満月だが勿体なく思ってしまった。
月の光は相当に明るく道を照らしてくれるので夕闇の中で下山したり、また日が昇る前の登山に於いては道を照らす最高の光源となるからだ。
…とここで子どもたちの声が響く。
行きは気づかなかったが海沿いの広場に何やら人が集まっているのが見える。
光で照らされた普段は暗いそこには太鼓のようなものが横に並べられている。
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あっ、そういえば…去年も同じ光景を見た気がする。
完全なデジャブである。
そうか、祭りだ!
去年もまったく同じ時期に来て、この祭りの雰囲気を体感したのだ。
あの太鼓は市内を巡る山車で叩く、お囃子の練習場。
あれから一年経ったのかと感慨深い。
まあ今はとにかく帰ろう。祭りのことは今後考えるとして…
夜道をそのまま戸又港へと進んでいった。
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真っ暗な港の中を進み、小屋へと戻る。
完全な闇なので前回から設置したランタンに光を灯す。
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荷物を置いて、改めて海際に行って月を撮っていた。
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すると車がやってきた。きぃちゃんだ。
「いるの?何やってるの?」
いや、月を撮ってたんですよ。
「ああ、満月だからね」
やはりそうなのか。
網代の花火はここから見えるかを聞いた。
「8月だよ?」
来期で観れるとしたら、ここで見るのもいいのかもしれない。
そういや上多賀の花火もあるんだが、それもここから見えるよね。
あ、そうそう。
さっき見かけた上多賀の祭りについても聞いた。
「来週だね」
どうだろう。今年は見れチャンスはあるだろうか…。
「花火は網代が17日で多賀が12日だったかな?」
熱海の花火は死ぬほど見てきたが多賀も網代もまだ一度も見ていない。
せっかく絶好の場所にいるのだから見ておきたいが…どうなることやら。
あ!そうだ、あと確認したいことが。
蚊帳をセッティングしたんですが俺がいる間だけでもこれこのままでいいですかね?
多少上にめくってずらせば椅子に座ることも出来るからそう邪魔にはならないと思うけど…
「いいよ、みんなわかってるから」
山から帰ってきていちいち張り直すのは面倒だからね。
このままだと助かる。
「じゃあ行くよ」
はい、気をつけて帰ってくださいね。
きぃちゃんを見送ると体が汗で気持ち悪いので一回洗い流すことにした。
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洗い場で軽く行水し、買ってきた弁当を食べる。
スープはお湯を沸かしてジェネリックわかめスープで。
相変わらず器が熱い。熱が伝導しすぎて唇が火傷するよ。
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ちょっと量が少なかったけど、まあさっきも言った通り夜の食事は適当で良い。
食後40分くらいスマホを見ながら情報収集して過ごし、早めに横になった。
昨日が寝ていないから、もっと早く寝るつもりだったけど普通に21時だな。
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まあこれで深夜1時か2時に起きればまあ基本的な体調に戻れるだろうと見越して…
おやすみなさい…
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7月期初日の夜はこうして更けていった…。
―つづくー
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