絵を描かない私のこと
私は元々プロのイラストレーターです
でも今はほぼ手描きの絵を描いていません
それはなぜか
はっきり言ってしまうと
「プロレベルの絵が描ける人ではなくなった」
その一点だけです
もう10年以上前の話ですが
お仕事で小説の挿絵の仕事をやっていた時に
ネットリンチ状態になり
気がつけばまともに絵が描けなくなってしまいました
(今は少しだけ改善しています)
頭がフリーズしてしまうと言うか
今描いてる作業の次に何をしたらいいのかわからないのと
完成イラストがラフ程度にしかならない
のです
描いてる状態で「一刻も早く作業から離れたい」
そんな衝動に駆られる感じです
吐き気を催すような感じです
ゆっくり絵を描く過程を楽しむことができなくなりました
ずっと過密スケジュールで時間に追われ続け
ずっと睡眠が取れなかったのも
原因の一つだったかも知れません
双極性障害という病気を発症していました
生きる気力がなくなった私に
「絵を見る側の楽しさ」を与えてくれたのはAIでした
私は今まで「絵を描く側の楽しさ」しか
持っていなかったのかも知れません
今の私は、絵は人が描いてるか描いていないかとかはどうでもいいのです
見たまま素直にそれが好きかどうか
私たちは思った以上に色眼鏡で作品を見ていたのかも知れません
私は今AIの絵に絵を教わっているような状況です
自分の絵に(技術面で)何が足りないか
客観的に見るいい機会になりました
私はもう絵を描くお仕事がこのまま来なくてもいいと思っています
自分が絵を描く仕事ができるかどうかは
自分が選べるわけではないと思っているからです
その人にその役割が与えられるかどうかは
目に見えない何かが決めるのだと思っています
今の私にはその資格がないだけなのです
だからAIで楽しんでいます
絵描きは絵を描かない時期があってもいいのです
その間何かへの執着とか足枷とかを外して
また楽しく描けるようになるまで
無邪気に遊べるようになるまで
そういう時期が必要なのかも知れません
なのでAIに「堕ちてしまった」
わけではないのですよ
側から見ればそう見えるのかも知れませんけどね