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私はどんなイラストが描きたいのかわからない


「私はどんなイラストが描きたいのかわからない」

と言ったら「やる気がないのでは?」と思われるだろう




実際には30年近く商業誌でイラストレーターをやってきたのだが

自分の描きたいように描かせていただいたイラストは初期の初期ごろの
電撃プレイステーションの扉絵のオリジナルイラストくらいだ


あれは特に指定がなく
自分で題材を決めて何を描いても良かったのだ

ゲーム雑誌だったのでゲームっぽいイメージのテーマで描いていた



その頃までは男性キャラも描いていた


というか同人誌では格ゲージャンルの全年齢の漫画を描いていたので
自分としてはサムライスピリッツのような作品が理想だったのだろうと思う



かっこいい絵が上手く描けるようになりたかった



96年あたりからか
依頼されるイラストが美少女イラストばかりになった

企画は女の子キャラしか出てこない

一体も男性キャラが出てこない


いわゆるエロゲが売れた時代で
商業誌では萌えが売れると認識された頃だった




最後の最後には小説のシリーズの本誌連載のイラストを担当したのだが
幼少期のお話だということで
3歳児の見た目の3頭身キャラをずっと描かされていた


それでイラストの連載を毎月していたのだ

4年間も、、、

それで「プレ編」だというのだ



編集さんは気を利かせてか、特集には本編の方の
ヒロイン年齢のキャラを描かせていただいた

それでもイケメンなどは出てこない作品なので
どんどん男性キャラは描けなくなっていく




私という作家性はどこを目指していたかわからなくなっていた




向上心というものは
「こういうものが描きたい」
という理想に向かってエネルギーが湧いてくるものだと思う



それが、無くなってしまった




最後には
「私、ちびキャラ絵描きじゃないんで、、、」

と担当さんに告げた

でもちゃんとアンケートなどの数字は出ていたのだろう



美少女絵を担当してた時もそうなのだが

なぜかどうしても相手の期待に応えてしまう

んでそれなりの結果を出してしまうので
次も次もとなる


そう言えば母親との関係もそうだったな
私はずっと絵の勉強がしたかった

なんでいい成績を取ったりしてたんだろう




人は我慢をし続けると心が壊れて
今までできたことがいきなりできなくなるのかもしれない



そのトラブルあたりでなぜか私だけがネットで酷く叩かれ
絵も描けなくなってしまった




それからもう10何年も経ってしまった
間の記憶があまりない




今の若い人は自分で自分の好きなジャンルを模索できて羨ましいなあと思ったりする

それでもできるだけ人気が取れるように必死に考えたりしているだろうけど




多分私がイラストレーターやってた時代は「歌謡曲」みたいな時代で
若い人がいるのが「R&B」が出てきた後の時代なんだろう


イラストも本格的なものに需要ができるようになった

時代が進んだんだなあと思う



この先どこへ向かえばいいんだろうかと思う

商業誌は楽しかったけど疲れてしまった

かつて目指したかった路線はもう目指すのは無理かもしれないと思う


AIも出てきたし、どちらが良いんだろうかとか思う




寿命がいつまでになるかわからないので
とりあえずどっちもやってみるしかないかなあ
とは思う


そんなに器用ではないので自分に期待はしていない




#仕事の絵
#描きたい絵
#方向性がわからない

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