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娘のためにできること

2020年3月、娘が産まれた。

コロナ渦での出産だったけど、緊急事態宣言前だったので夫の立ち合いのもと。ひとりめの出産で陣痛がトラウマになったので、無痛分娩を選択した。

約8時間の出産を経て産まれてきた娘は、無痛分娩で私の体力にまだ余裕があったためかすごく可愛いく思ったのを覚えている。(長子のときは大量出血のためにひどい貧血でフラフラになり、産後直後は意識朦朧としていてそれどころじゃなかった……。)

5日間の入院生活を経て、コロナ渦真っ只中娘のいる生活が始まった。

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夫は仕事。息子は保育園。私と娘の2人きりの引きこもり生活が始まる。(緊急事態宣言中は保育園登園自粛だったので、そうもいかなかったけど。)

外に出るとコロナコロナと大変なので、ほとんど家に引きこもり。娘が産まれてから数ヶ月は、コンビニすら行かなかった。

恐ろしいほど時間があるのに、やることがない。気晴らしに外出したいけどできないし。

そうなると、人って本当に余計なことしか考えなくなる。

娘に将来何をさせたいか。どんな女性になって欲しいか。どんな仕事について欲しいかなどなど。

昭和が終わる頃に産まれた私くらいの女性なら一度は経験あると思う、「女」だから諦めたこと、押し付けられたことを娘には経験して欲しくないなとモヤモヤ考える。

小学生の頃、女の子なのに男の子と混じって遊んでいたら「男好き」と仲間外れにされたこと。

本当はミニスカートが好きだったけど、「女の子が派手な格好していると犯罪に巻き込まれる」といって地味な格好しかさせてくれなかったこと。

新卒で入った職場では、おじさんたちから「女の子はお茶汲みがしっかりできなきゃね」と言われたこと。


女の子は男の子と一緒に遊んじゃいけないの?悪い奴らのために好きな格好を諦めなきゃいけないの?なんで女の子だからって理由で仕事を決められるの?

娘には、一緒に遊ぶ相手も、格好も、仕事も自由に選んで欲しい。少なくとも私は、娘を「女の子だから」じゃなく、ひとりの人間として接していきたいなと思った。

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「女の子ってことを気にせず、なんでも自分の好きに決めていい」

って耳触りのいい言葉だけど、履き違えると押しつけになってしまうんじゃないかと思い始めた。

なんでも自分の意志を持って決めるのは、なかなかしんどい。(少なくとも私はそう。)たまには誰かに流されたいときもあるし、正直「女だから」に逃げてしまうときもある。

女だから委員長はやらなくてもいい。女だから(母だから)定時で帰宅してもいい。女だから社会人でも髪を明るく染めてもいい。

「女だから」を理由に許されてきたことも、多分たくさんある。

娘には男性とか女性とか関係なく、芯の強い女性に育って欲しい。でも、それを押し付けるのは親のエゴなのでは?

コロナで暇だから、モヤモヤ考え出して止まらなくなる。

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私はまだまだ未熟だから、きっと娘に対して「それはないよ!」といったこともすると思う。

でも、娘と二人きりの時間に、娘のためを思ってモヤモヤグルグル考えた時間はムダではないはず。いまのところ最適な答えは全然出ないけど、少なくとも何があっても娘の見方でいようと思っている。

もし娘が女性であることでいつか悔しい思いをしたら、しっかり話を聞いて寄り添おう。もし娘が女性であることで良いことがあったら、一緒にめいいっぱい喜んであげよう。

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あと2日で娘は1歳になる。最近「ママ」と「バイバイ」を覚えた娘はより一層愛おしい。

私の最愛の女性が幸せに暮らしていけるように、数年後、数十年後の世の中が性別関係なく生きやすい世の中になっているように。私が、大人ができることは何か、これからもモヤモヤグルグル考えていきたい。

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仲奈々
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