TPP等の多国間協定及び二国間FTAに関する陳情(内容だけ)

大して言いたいこともないし、耳だって鬱がれているけど、陳情出したので…。既出かもしれないけど。

TPP等の多国間協定およびFTA協定に関する陳情書
一、陳情要旨
政府与党は感染防止を目的として国民に自粛を強要し経済活動を萎縮させ、国家間では人モノ金を自由に行き来させるグローバリズムを強行した。岸田政権は、脱新自由主義を政策に掲げているが、自由貿易こそ過激な新自由主義であり、国民や地方経済には多くの弊害をもたらす政策でもある。
以下、TPP等の多国間協定およびFTA協定が国内にもたらす弊害を述べる。
政府調達に関する協定によって外資企業の国内入札が可能となる事から、すでに施行されている改正国家戦略特区法も相俟って、外資企業にとってはビジネスがしやすい環境となる一方、コロナ禍で打撃を受けた中小零細企業を廃業に追い込む、外資企業優遇政策であり、行政権をも外国資本に私物化される懸念がある。また、先の国会で成立した改正銀行法で、非上場企業の株を銀行が持てる比率が100%に変更された。経営権は株式を過半数保有する人にあり、海外からの出資規制も緩和され、外資による地方の中小企業の統廃合が進み、政府調達に関する協定や、改正銀行法と共に成立した改正金融商品販売法も手伝って、外国資本による地方中小企業の統廃合は過激さを増す。
東京大学の鈴木教授の試算では、RCEPによる農業生産物の減少額は5600億円である。TPP11の減少額の1.26兆円の半分ということになるが、相当な額である。また、野菜、果樹の減少額はTPP11の3.5倍であると指摘されている。日米FTAによる産業生産物の影響試算では17.3億~34.2億円、日英EPAは日欧EPAと同様の内容になっており、岩手県の日欧EPAによる影響試算である14.8億円~29.9億円と同等の減少額が考えられ、地域産業の衰退と、上述の外国資本による地域の産業の乗っ取りが懸念される。
政府は輸出入を促進して経済成長を目指しているが、それには以下のような弊害がある。輸出で得られるのは外貨であり、日本円ではないので、国内の消費と投資が滞る原因になっている。外貨の使い道は、殆んど日系外国法人の投資財源であることは、日銀の公開している統計で確認できる年々増加する対外直接投資から説明できる。外貨で得たお金は、日本で働く人たちの所得にはならず、外国で、外国人を雇う、外国に納税する為に使われている。外貨が日本円に替えられたら日本で働く人たちの所得になるが、円の需要が高まり円高になるので、輸出企業の製品が海外で売れにくくなり、業績が悪化するので円に替えられる事はない。結果として、稼いだ外貨は外国へ再投資され、国庫に貯まるだけであることは、対外準備資産が、日本が世界でトップクラスであることからも明らかであり、地方の経済産業の衰退を促進させ、日本の労働者の所得向上を妨げている。また日本は、多くのモノを輸入に頼っているため、コロナ禍やロシア・ウクライナ間の情勢悪化に伴い、サプライチェーンが混乱し、国内の製造業が、輸入が止まるなどの理由で打撃を受けている。これはグローバル政策が有事の際に国内に混乱をもたらすことの証左と言えるのではないか。このままTPP等の多国間協定やFTA協定を推進し、内需を置き去りにしていては、政府は有事の際に何も対応できず、国民に負担を強いる政治が横行することになる。
経団連の提言にあるように、全ての自由貿易協定は、いずれ一つの枠組となることが予想される。国家の枠組みがなくなり、日本としての国体や文化が壊され、資本家による経済特区としての枠組みのみが残り、アメリカやシンガポールのように、低所得者には人権すらない世の中になることを強く危惧する。
TPP等のグローバル政策が施行され数年が経つ今現在でも、国民のほとんどの所得は依然として低く、失業、倒産が相継ぎ、自殺者、変死者も増えているのが現状である。中には餓死する母子家庭まで出ている状況下で内需を縮小させ、産業を壊し、格差を広げるグローバル政策を強行しては大多数の国民が苦しむことになる。
以上の理由から、TPP等の多国間協定およびFTA協定の脱退を求める。

二、陳情事項
1、政府と関係各省庁に対しRCEP、TPP、日米FTA第一ステージ、日米FTA第二ステージ、日英EPA、日中韓FTAの脱退、交渉の差し止め
2、締結国と投資協定を別枠で結び、ISDによる訴訟を回避し、中国輸出管理法「域外適用規定」の適用を避ける交渉を求める
3、自由貿易協定を核とした新自由主義的な政策の廃止

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