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Nikon Zcreators 掲載に寄せて

物心ついたときから自然に絵を描いていたわたしが本格的に写真を撮り始めたのは、「押せばできるから」という至極単純な理由。

絵画は一から構築できるのに対して、写真ではすでにあるモチーフを自分の感性を用いて料理していく、その手触りが至極しっくりきたから、というのもあります。

ともあれ、何気なく始めた撮影行為が、縁あって生業以上のものと相成り、カメラを持ち替えながら早10数年。

人と関わり、撮り続けるなかで、自分の内側にあった欲求…というか、魂の願いみたいなものの輪郭がどんどん明瞭になっていくのを感じていました。

その心情は、個展の内容にも表れています。

2015年「女装の軌跡と幸福論」では、自己の再発見と幸福。
2016年「レディビアードのKAWAII世界展」では、<カワイイ>にまつわる既成概念の破壊と解放。
2019年「女装の自由宣言」では、ありのままの自分で生きること。

つまるところ、わたしはずうっと、幸せの形ってなんだろう、みんなが幸せであるにはどうすればいいんだろう、と考えつづけていたんですね。

その手掛かりとして主に手繰ってきたのが、LGBTQのうち女装という糸だったように思います。それは、自分自身と深く向き合いながら、普遍的な幸福のかたちを織り上げていく取り組みでもありました。

そんなごく個人的な哲学の旅を、たくさんの人が温かく見守り、快く力を貸してくれたことが、確固たる信念を築き、大きな自信となり、歩みを進める力となっていました。

そうして今、フォトグラファーとしての自分のキャリアで一つ、大きな実をつけました。


長年愛用したNikon、そのコーポレートサイト内特設ギャラリー「Zcreators」にて、わたしのインタビュー記事と作品が掲載されています。

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https://www.nikon-image.com/sp/zcreators/2104/

インタビュー記事が載った、その裏には自分としてはものすごく大きな意味があるのです。

というのも、自分が愛するカウンターカルチャーやそれにまつわる人を表の世界へ推しだすこと、それこそが自分の役割だと自認していたので、自身が外に出ていくのに興味がなかったんですね。

大手メーカーさんとお仕事をするポートレートフォトグラファーは、芸能人やファッションモデルを撮影して、広告や雑誌で活躍しているものだ、という思い込みすら、正直なところありました。さらに、師匠も学歴も受賞歴もない自分。そんなところにお声がけいただいたというのは、まったくもって僥倖そのものでした。

だけど振り返ってみると、思っていた以上に遠く高いところに来ることができていて、不思議と納得感もあったのです。

一つ一つの撮影に対して自分なりに真摯にあたってきたけれど、関わらせてもらった人々の想いがここまでわたしを連れてきてくれたんだなあ、そんなありがたさをしみじみと感じています。

掲載ページを見ていると、作品制作に携わった人たちとの出会いの数々が思い浮かび、それは誰によってどこでもたらされたものなのかと、シーンの一つ一つが光を帯び、どこまでもさかのぼることができるほどです。

お礼を言いたい人ばかりなのですが…

たくさんのヒントを私に与え、丁寧な誌面に仕上げて下さったニコンイメージングジャパン広報宣伝部の皆様。
快く作品制作に協力してくださったモデル、ヘアメイク、芸能事務所の皆様。
<推す力>に気づかせてくれた原田翔太さん。

あと、これを読んでくれている、あなたへ。

本当に、ありがとうございます。
愛機と愛する人々との出会いに恵まれて幸せです。

これから先もずっと、自分を使い切るその時までこの世界で遊んでいきたいと思っています。

ということで、ぜひ。
これまでの自分を総括したインタビューをご覧くださいませ。

感想、いただけたら嬉しいです。

あと、Zシリーズはマジでいいです。
機材ガチトークはこちらで口角泡を飛ばす勢いで早口イメージでやってますw

https://dc.watch.impress.co.jp/docs/interview/z7iiinterview/1310052.html


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