エクストリーム7年生 (11)
第三章・舞台を止めるな (8)
「ところで貴様ら、秀央大学風紀委員会の者だと聞いたが?」
サルの着ぐるみの二人組と対峙したまま、エクストリーム7年生は尋ねた。さっきと違って落ち着いた口調になり、二階浪には心なしか威圧感が増したように聞こえた。
「それがどうした!」
手前にいるサルが、怒声で返した。エクストリームが次いで発したのは、ただ一言だった。
「……許さん」
そう言うと、二人組に向かっておもむろに歩き出した。二階浪は止めに入りたかったが、サブマシンガンの銃口がエクストリームに向いたままであることに気づいた。
「あ、危ないですよ!!」
「下がっていなさい……できれば、物陰に」
二階浪の必死の声掛けにも、エクストリームは冷静だった。一歩、一歩と徐々にではあるが前に進み、二人組とは2メートルほどの間合いに入った。
「兄貴!」
「やむを得ん……撃て!!」
兄貴と呼ばれた側の合図で、二人組は同時にトリガーを引いた。フルオートマチックゆえ弾丸は際限なく発射され、ダダダダダンという音とともにマシンガンの右側から次々と薬莢が飛び出した。
「「エクストリイィィィィィィィィィィィィム!!」」
(続く)