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サウスポイント

-儚さと美しさ

ハワイの永遠に続きそうなくらい穏やかな時間は一瞬で過ぎて、写真の色だけが鮮明に残る。記憶はきっと曖昧の方が、時に美しい。


-わたし達だけに流れる

真夜中ソファーの上で人を好きになること、生きること真面目な話をずっとした。スピードいっぱいに車を走らせ、窓を全開に開け、顔いっぱいにハワイの風を感じながら、KinKi Kidsを熱唱したでしょ、わたしKinKi Kidsを聞いたらこのハワイを思い出す。きっとそんなのわたし達だけ。

トイレットペーパーを買いに行くついでに見た夕日とか、冷房が効きすぎた店内で食べたアサイー、車のハンドルに足を乗せて車内で昼寝をした日。今回の旅はこうやって脳内から、あの時間を思い出す感覚が楽しい。

写真は「わたし達だけの時間」をそこにいなかった誰かに見せることができる、凄く不思議なこと。そこにいなかったのに、その人は同じ景色を見ることができる。フィルムにその一瞬の光を焼き付けている。私にとって写真はまるで魔法のようなもの。

10日間オアフ島の北、ノースショアで暮らして、私は初めて何も考えない旅をした。何も考えず朝日で目を覚ましてはカメラを持って海へ行き、シャッターを切っては目を瞑る、起きてはまたシャッターを切る。ただただやってることはほとんど毎日同じでも、全く違う時間が流れて、全く違う写真が撮れる。人の表情だって毎日違う。同じ人だけど、少しだけ昨日と違う、そんなことを感じた日もある。多分、あなたの心の違い。


-ファインダーを覗くこと、残すこと

記憶の一部を残しておきたい。

何気ない一瞬でも、その写真から、その時間話したこと、その日見た空気の色、行った場所。少しずつ、曖昧だけど淡く鮮明に記憶が蘇る。その感覚が心地よい。

わたしの親友へ
また一緒に旅をしよう、おばあちゃんになったら全部の写真を見返そう、夜中まで旅の話をしよう。

ーサウスポイント

風が強く吹いても、足元が岩だらけで前になかなか進めなくなったとしても、大丈夫。

止まったりしないよ、歩いたりするけど
さぼったりしないよ、休憩はするけど
下を向かないよ、上を向いて
歯を食いしばっているかもしれないけど
泣かないよ、笑えなくなる時もあるけど

笑って生きるの。
それが1番わたし達らしいから

South Point : Ka Lae
まわりは大きな岩海岸で、風の強い場所

風が強く吹いている方が、きっと早く走れる

(2017年4月12日記事転載)

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