"分け与える精神"の強いポートランド
放浪の末にオレゴン州ポートランドにたどり着き、住み始めて3年目に突入。映画AKIRAのように荒れるアメリカの情勢の中、日々生きる希望をポートランドでコツコツ集めている。住む街のいいところを見つけることは、わたしの人生のいいところを見つけること。1988年生まれ、鎌倉育ち。
私の家から歩いて10分くらいのところに、University of Portlandという小さな私立大学がある。アメリカの女子フットボール選手としてオリンピックでも活躍した、ミーガン・ラピノーさんの出身校だそうだ。キャンパスの手入れが行き届いていて、涼しい木陰も多く、犬の散歩にちょうどいいのでよく寄らせてもらっている。
その大学の学生たちが、キャンパスの一画を使って、オーガニックの野菜と果物を育てている。その畑の横に、今年からかわいらしくペイントされたシェアボックスが設置された。何かがたくさん収穫できたり、余ったときは、このボックスに入れておいてくれる。ほしい人はだれでも持っていってOK。
去年までは「Free!(無料!)」と書かれた段ボールが畑の脇に置いてあるだけだったから、このボックスの設置は素敵なアップグレードだ。そもそも、人に無料で何かをシェアするのに、わざわざボックスを買うか作るかして、自らペイントまでするなんて、すごく手間をかけている。「シェアすること」に大きな価値を見出していないと、できないことだと思う。
犬との散歩のついでに、「今日は何かあるのかな?」とボックスをのぞき込むのが日々の楽しみになっている。
おとといは、なんと大根が入っていた。
アメリカの若い人たち、大根なんて食べるんだろうか?
アジア系の学生さんたちが植えたのだろうか。
実は、ここ最近ポートランドが急に冷え込んできて、大根が食べたいなあと思っていたので、大根が収穫ボックスに入っていてすごく嬉しかった。オーガニックなので虫にかじられていたけど、皮をむいたら全然問題なくいただけた。牛すね肉と、ズッキーニと、にんじん、リークとともに昆布だしで煮て、最後に大根の葉っぱも加えた。
ほくほくの大根にいやされた~。ありがたい🫶🏼
ポートランドに引っ越して来てから、3年目。これまでも、家具や観葉植物など、「え、これ本当にもらっていいの?」と思うモノを、ポートランドの道端でいくつも拾ってきた。まあ、ときどき、「これ、誰がほしいの?!」なんてモノも置いてあるけれど…それはそれで、クスッと笑えて面白い。
きっと、ポートランドは、”分け与える精神”がすごく強い街なんだと思う。まあ、ただ単にいらないモノを捨てる代わりにシェアしているだけかもしれないかもしれないけど、「モノを大切にする」気持ちがあるということには変わりがないんじゃないかな。
ポートランドで分けてもらったモノたち、また今度紹介したいと思います。
拾い物のおかげでインフレーションを忘れられる度
★★★★☆(☆5中4つ)
物価は高いし、インフレで生活コストがどんどん上がっていくけど、たまにおおっと思う拾い物やシェアのおかげで、心がいやされる!