辛くても頑張れる自分になりたかった私が、 辛くならずに頑張れる道を信じるまでの6ヶ月
簡単に近況
2021年9月末日をもって、Link Sportsを退社した。
2019年3月に入社してから、メディアを立ち上げ、思いを伝え続けてきた2年半。
伝えてきた言葉に嘘はなかった。なのにというか、だからというか、辞めたことへの罪悪感が強いうちは「なぜ」をSNSで語ることを避けていた。
「B&の編集長の小田として出会ってきた人たちに、顔向けができない」
そんな気持ちがあった。
今、当時を振り返ろうと思えたのは、
「辛いことを投げ出した」
それも一つの事実
と受け止められるようになったことが大きい。
休職期間〜退職までの心の状態についてはinstagramで一度投稿したので、
そちらをどうぞ。
会社を辞めてもB&に携わらせてほしいというわがままを聞いてもらい、今は業務委託としてB&の記事づくりをサポートしている。
今日は「辞めた」ではなく、「変わった」という視点でお話をしたい。
自分で自分を生きづらくしている人へ、届くものがあれば嬉しい。
目の前の人が変化する瞬間に魅せられる
コーチングとの出会い
2021年の2月から、コーチングのオンライン講座を受け始めた。社会人2年目から続けてきた取材者という役割の延長に、それは自然と浮かんできた。
ある程度取材経験を積んでくると、インタビュイーと強く共鳴しあう瞬間に出会うことがある。こちらの好奇心がインタビュイーの芯に刺さって、今まで気づかなかった自分の声に気づいていく、何となく時空を超えた感覚に包まれる。そんな瞬間のこと。
目の前の人が問いを通じて変化していくのを間近で感じられるご褒美のような時間。
でもその「対話」を「記事」にした途端、あの感動は消えてしまう。そこにあった表情や温度感、口調、構成から溢れたいくつもの言葉や小さなストーリー。それらは優先順位を勝手に私につけられて、無かったことにされていく。
取材も執筆も大好きだ。だけどあの対話の時間を、もっと取材対象者のためのものとして過ごせないか。そう考えた先に出会ったのがコーチングだった。
ぐいぐいどはまり
実践の時間が多いTHE COACH Academyの授業は、とにかく面白かった。自分もクラスの仲間も、1日の授業の中でどんどん変わる。どんどん気づく。今まで本音だと思っていたもののさらに奥に、見つけられずに燻っていた想いを見つける。
授業は全てオンライン上だけど、画面越しでも人の変化は伝わる。あちらこちらで蕾がぽんっと花開くのを見ている感じ。
マイナスの言葉もプラスの言葉も全て場に出すところから始まる。
「弱音を吐くな」「頑張る」「愚痴を言ってはいけない」
そんな精神論で生きてきた(ことにも気づいていなかったけど)私には、人間のどんな一面にもその人の中に居場所があるということが衝撃的だった。
そんなこんなで「傾聴」の世界にどハマりしていった私は、基礎から応用の一通りのコーチとしてのスキルを学んだ後に、さらにコーチングを深めるプロコースに進むことを決めた。
未完了との出会い
クライアントの変化
THE COACHを受け始めてから、知り合いにクライアントになってもらい、練習をするようになった。
「話を聞いてもらって勇気が湧いた。自分がやりたかったことに気づいた」
と、それぞれ独立や引越し、転職と人生を変えていく人たち。
変化の瞬間に立ち会うと、その度に鳥肌が立った。
彼女たちは最初、自分の行動を止めている一面を「自分の嫌なところ」と表現する。それが徐々に、自分の力にもなっていたことに気づく。やがてその一面を行動力に変えていく。
それが、自分のリソースに気づくということであり、生まれながらにして完全であることを信じる第一歩。
自分でつくっている壁をとっぱらい、正直な心のために行動する彼女たちが格好良かった。
そしてなぜか思った。
「羨ましいな」
そうこうしてプロコースが始まった。
自分が一番変わっていない
プロコースは、プロとしてのスキルを学ぶというよりも、コーチ自身が自分の器を広げる、自己理解を深めるための時間だった。
コースの最初に「未完了シート」というものを作った。このコースを終えるまでに、自分がやり残したことを決めて、それを終える。自分の行動を止めている何か。それと向き合うためのリスト。
未完了のリストの中には、いろんな粒度のものがあっていい。
・両親に感謝を伝える
・家を買うための貯金を始める
・英会話を習う
・掃除をする
・独立する
とかもう本当になんでもいい。
その中で優先度や重要度を決めていくと、おのずと完了にすることを阻むものたちが目に付く。それらとどう付き合うか。
そして、抽象的な言葉のまま分解できない未完了の扱いにも悩んだ。
私が出会ったクライアントたちは、次々に未完了を完了へと変えていった。その清々しさが眩しかった。
彼女たちが次々に羽ばたいていくなかで、私だけが地上にいる。
そんなイメージが日々強くなっていた。
キャパオーバーに向き合う
私はずっと、「頑張れば全て両立できる」「できないのはやる気の問題」「モチベーションこそ宝」そんな価値観で生きてきた。
別に誰にやれと言われたことでもなく、自分がやりたくて始めたいろいろなこと。だから自分ひとりでやり抜かないといけない。
心はどんどん頑なになり、事業の相談を本来すべき会社の誰にも相談できず、人への接し方にもゆとりがなくなっていく。
そんな自分に返ってくる言葉、自分で自分に勝手に掛ける煽り。頭の中で誰のものともわからない言葉が鳴り響く日々だった。
そんなとき、急にいっぱいいっぱいになった。
ある朝ぷつりと糸が切れたように、体が動かなくなった。
急にではなかった。その少し前から毎日涙が出ている状態だった。
気づいていたけど、自分のキャパシティの本当の大きさに気づかないふりをしていた。
私が本当に心地いいと思う、バランスをさぐること。
それが私の一番大きな未完了だった。
今、何でもできるとしたら何がしたい?
辛いを初めて言葉にする
コーチングに向き合うことすら怖くなって、THE COACHプロコースのリード担当であるこっちゃんに相談したら、こっちゃんはすぐに時間を作ってくれた。
その時初めて私は「辛い」と言えた。
「辛いけど頑張る」ではなく、「辛い」。
そう、辛かった。私は、本当はもっと人に頼りたい。甘えたい。相談したいし、一緒に喜びたいし、悩みたいのだ。
誰かのために動く時間も、自分のために動く時間も、もっとバランス良くほしかった。
でも、「できない」と言えない私の中のソルジャーが、どんどん私を一人にしていた。
私の感情をひたすら見つめ、受け取ったあと、
「何の制限もないとしたら、何がしたい?」
こっちゃんはそう尋ねてくれた。
そこで浮かんだイメージが、背伸びしない私が本当に実現したい生き方だった。
やりたいことだけやる3ヶ月
とにかく休むことだけを考えて、やりたい放題好きなことをして行きたい場所に行った。
プロコースの課題の1つである、自分の「ビジョン」にも出会った。仕事や中期的なゴールではなく、人生を通じて実現したいビジョン。
私が好きなこと、得意なことからふと降りてきたビジョンの、心へのハマり具合といったら・・・!
この出会いを自ら作り出せたことが、私の自信になった。
ビジョンのお話はまた今度。
完全性への納得感
振り返ると、コーチとしていろんな人の完全性を信じてきたのに、自分の完全性だけは信じられていなかった。そのギャップに苦しんできた時間だったんだなと思えた。
自分が見つけたビジョンに向けて、自分の全てが力になると初めて信じることができた。
たとえば面倒くさがりなところや、優柔不断なところ、でも猪突猛進なところ。いろんな私がまだ見ぬチームワークを発揮していく。そんなイメージを確信できた。
ビジョンが山の頂上だとすると、その山の登り方までイメージできている感じ。獣道をひたすら一人で突き進むのか、多少時間がかかっても緩やかな道を選んで、仲間との時間や道中の出会いを楽しむ登山なのか。
どんな道を選んでもそれは正解で、間違えたと思ったら道を変えてもいいし、山ごと変えてもいい。なんなら湖のほとりでキャンプに切り替えてもいい。
なんだか生きやすくないですか?
気軽にリュック持って山に向かえそうじゃないですか?
全ての変化を一緒に楽しむコーチという存在
ガチコーチ:モニーさん
自分のリソースや、転職の過程などは後々記すとして、
自分の完全性を信じられるようになるまでの間のお話をもう少ししたい。
ビジョンを見つけたから急に自分を信じられたとか、そんな階段5段飛ばしみたいなことは起きていない。その間には振り返ると短いけど、最中は永遠にも感じられる暗黒期もあった。
「自分はこのダメなパターンをこれからずっと繰り返すに違いない」
そう凹んだ時期もあった。
そんなとき、話すたびに変わる私の心情や決断を、毎度のように面白がり、笑いながら、そのプロセスにある私の願いに耳を傾け続けてくれたのが、同じプロコース同期のモニーさん(@coach_monie)だ。
プロコース内でマッチングされる、6ヶ月間の継続コーチング(通称がちコーチング)のコーチとして伴奏してくれた。
私はとにかく一貫性のないクライアントだった。
仕事を頑張るための次回アクションを決めたり、彼氏とうまくやっていくと言ったかと思えば、仕事を休んで彼氏とも別れているわ、後に転職する会社のことも最初は断ろうとするわ。
この前Aって言ったじゃん、みたいな。代理店だったら絶対に付き合いたくないクライアント。
でもモニーさんは、たいてい私の「気が変わった話」に爆笑してくれる。
私が落ち込んでいても喜んでいても、過度に共感はせず、その感情の奥にあるものに好奇心を向け続けてくれた。
「人っておもしろいな〜」と言いながら。
私は自分の優柔不断さや、一度決めたことをすぐひっくり返したり、1週間後に急に海外に行ったりする落ち着きのなさを良くないと思っていたけど、
モニーさんとの6ヶ月で、それもいいんだ、私なんだと肯定できるようになった。
それも私のリソースで、
「正直で素直で、自分のWILLを大事にできる力」
「結局すべて正解にできる力」
だと変換できるようになっていった。
私の登山道は蛇行ばかりで、行ったり来たりすることもあるけれど、絶対に、必ず辿り着くことができる。寄り道した先で、超でかいお宝に出会えてそこでお店とか構えちゃうかもね。みたいな。
コーチと話しているというよりも、同じ会社の別部署の先輩、みたいな感覚。ふらっと席に遊びに行って、好き勝手話してたまに「うえ〜ん」とか言って、その時間がいつの間にか壁打ちになってすっきり自分のフロアに戻れる、そんな時間を過ごさせてもらった。
モニーさんのクライアントになれたこと、確実に運が良い。
同級生たち
そしてTHECOACH Academyで基礎から応用、プロコースまでで出会った仲間たちの存在は、もうとってもとってもとっても大きい。
親友にも親にも話したことがないような気持ちや自分の一面を開示しあった仲なのだ。毎回の授業が傾聴レベルが高すぎるパジャマパーティー。
互いの変化にすごく敏感で、その気づきを伝え合う。
どんな私でもいいんだ。これから先どんな私になっても、みんなは絶対に受け止めてくれる。
そんな仲間に出会えたこと、そんな自分を祝福したい。
もっと綺麗にまとめようと思ったけど無理でした
うん、無理だった〜!途中まではその努力が垣間見えると思う。
でももうTHE COACH振り返り始めて、モニーさん、みんなへの感謝を伝え続けたあたりから溢れちゃった。
でも一応最後に、また私がひどく落ち込んだり、生きづらさを感じたときのために、立ち上がるための7つのTipsを書いて終わりにしたい。
完全にこれは私専門のマニュアルです。
ビジョンについても転職についてもめちゃくちゃまだ書けるので、また書こう。
そして、今回noteを書くきっかけをくれたのむのむさん(@nomusn2017)に感謝。
このお話はコーチングについて語るアドベントカレンダーの中に収めさせていただくものです。