消費税と遠足のおやつ問題
1989年(平成元年)4月1日、日本ではじめて消費税が税率3%で導入されました。
今やあたり前のように存在している消費税ですが、30年前の導入当時、世間は大変な騒ぎとなっていたのです。
消費税は、一般市民にとても身近な「消費」という行動に課せられる新たな税であり、毎日の暮らしを直撃するであろうその税金に対する拒否反応は凄まじく、各地で反対運動なども起こりました。
テレビや新聞のニュースでも毎日のように消費税のことが取り上げられるなど、消費税に対する当時の国民の関心は相当なものでした。
そんな消費税問題は、当時小学生だった私にとっても他人事ではなかったのです。
何故なら、小学生にとってのビッグイベントである『遠足のおやつ』を300円きっちりで収めることが、極めて難しくなってしまったからなのです。
それまでは、300円きっちりで収まるように、10円や20円の駄菓子で微調整をし、如何に300円で充実したラインナップを揃えられるかが子供ながらに腕の見せ所だったのですが、3%という超微妙なパーセンテージの消費税が導入されたことで、どうしても端数が発生してしまい、300円きっちりで収めることはほぼ不可能となってしまったのです。
これが如何に絶望的なことであったかは、消費税が当たり前に存在する現代っ子には分からない悩みの種だと思います。
ちなみに、先日うちの子が持ち帰ってきた学校からの便りによると、今年から遠足のおやつは350円までになったそうで、それはそれでとても羨ましく思いました。
一方で、私の小学生時代と今の子供たち世代とで、貨幣価値がほぼ変わっていなかったという事実に、日本という国の経済が如何に停滞していたかを痛感させられもするのですが…。
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