【観劇】小舘絵梨×布袋田雅代 朗読「真冬のホラーナイト」
2025.01.10
小舘絵梨×布袋田雅代「真冬のホラーナイト」
at おむすびシアターBARシモキタ
観劇初めでした。朗読を観劇と言って良いかはわかんないけど笑
もう安心して見れる二人だよね。お客さんも固定になってきているので本人たちにとっては良いのか悪いのか何だろうけれども(客の新規開拓が出来ないから)、私にとってはありがたい限りです。役者の新規開拓なんて、たった二人しか出演者がいない舞台ではしたくないもん。だってひとりはハズレだったらもう最悪じゃん。出演者が多ければまだ何とか救いがあるけれども。なのでやっぱりそれよりもハイレベルなものを安定して観たいなという話で。
この二人、というか主に小舘さんは毎回1本はホラーを朗読している印象なのだけれども、今回は「ホラーナイト」とわざわざ銘打ってまして。ええ。ホラーが苦手な演出の遠藤さんがついに腹を括ったか?っていうね。
もうずっと真夏に昼から夜にかけて百物語の朗読会してくれってお願いしてるんよ。
でもほら遠藤さんが怖がりだから。嫌がっちゃって。
今回ようやく、です。真冬だけど。ありがとうございます。
1st 長編1本
これは良かったね。言葉や描写が綺麗。伏線も見事だった。っていうのも、読み手が文章を聞くのを邪魔しない読み方をしてたからなんだよね。ホラーってなると変に怖がらせようとして文章が持つ本来の雰囲気とは違った方向の読み方をしたり、そこまで行かずとも誇張したりっていうのを過去に別の組み合わせの時に聴いていてげんなりしていたんだけれども。キャリアの違いというかなんというかでね。匙加減が絶妙なわけですよ。ね。
だもんで、数行聞いた時点で、これは読んでいる役者の表情を見るよりしっかり脳内で情景を思い浮かべた方がいいなと思ってすぐに聴き方を切り替えたよね。ずっと上空見てたw
とはいえ、要所要所では表情も見てたんだけどね。祖母の表情とかさ。あれは見逃しちゃいけない表情だった。良き。
そういえば吉田さんの伴奏というかパーカッション(カホン)が素敵でさ。お祭りの描写があったんだけど、指で叩くカホンのリズムだけで「お祭りだ!」ってなったのよね。お囃子が、お囃子が聞こえてくる…!って。祭りのリズムってあるんだねって思ったよ。あれはすごかった。
誰が書いたのか聞いておけばよかったな。タイトルといい伏線の貼り方がほんとに素敵だった。
とはいえこれをホラーと言えるかどうかはちょっと、んー、なところだけれどもね。ホラーなら、木の根を這い上がってくる何かがいるはずだからwww
惜しかったのは肝心なところで小舘さんが噛んじゃったんだよなー。いつも噛まないのにまさかここで?!っていうね。
あと気になってた箇所は読み間違いだったらしいね。安全、安産。安産って言われたからこれもどっかに引っかかってくるのかと一瞬思考を巡らせてしまったよね。
そうなんだよなぁー。下手な人が物語を描くと伏線っぽい描写とかが出てきて、これはどっかに繋がるのか?って頭の片隅に置きながら物語の続きを観て、さらにはちょいちょい伏線になっているのかを引っ張り出して照合するっていう作業が発生するから、ほんとに無駄描写って読んでて脳の容量取られちゃうのよ。
今回は読み間違いだろうなで流したけど。それでも一瞬考えちゃったよね。勘弁してください。私は脳の容量が小さいんだ。。。
2nd ランダム超短編4作、短編1作。
ランダムは1〜10まで番号を振った超短編を客から番号を指定してもらって読むというもの。選んできたのは小舘さんなので小舘さんはうっすら内容を把握しているものの、布袋田さんと伴奏の吉田さんは全くの初見。まぁ小舘さんも選ぶために読んだだけなので初見っちゃ初見に近い感じ。
前回似たようなのをやった時に私は小舘さんのページ数を指名したので、今回は布袋田さんのをと思って。ホラーナイトなので当然選ぶ数字は「4」か「9」だよなと思ってw
小舘さんの話はほんとに短くてしかもホラーなのに笑えるやつだったので、追加で吉田さんに読んでた。
弾きながらですか?って試しに言ったらちょちょっと弾きながら読んでくれたよね。器用すぎる。
ライトめの話もあったけど、小舘さんが選んだというのもあって、短編なのにしっかり怖い話もあり。面白かったな。毎回だと、ちょっとなぁと思うけど、半年に1回くらいはこういう企画いいかもね。前回のネタも面白かったけどね。読み手も想像できないような内容の方が楽しいよね。
3rd 長編1本
ホラーナイトを締めくくるにふさわしい1本だったけれども、そうね、これはホラーではないわね。ていうか、言葉の選び方や言い回しが独特なので、誰の話かわかってしまったわ笑
人魚との関わりの話。真っ当そうに見えて主人公もどこか感覚がおかしいんだけれども、それを当たり前のように描いていくからどこか何かおかしいのかもしれないというぼんやりとした空気感だけがある。この人の描く異形のものとの恋愛模様はそういうのがあってめちゃくちゃ好きなんだよね。
普通人魚なんて出てきたら、その人魚の存在から疑うんだけど、そこに疑問は抱かない。人魚はいるのだという部分は受け入れる。人魚を見せてきた相手の頭がおかしいとも思わない。あと人魚という異物以外は普通の生活を描写しているから、なんともいえない世界観になるんだよね。人魚も当たり前というほど当たり前の存在ではなく、ただ当たり前に存在を受け入れてるだけなので。もしかしたら周りにバレたら大事になるかもしれないんだけれども。それはわからない。本人たちもそこは気にしていないし。
その絶妙な空気感を毎回ちゃんと作るんだよな小舘さん。淡々とした語り口というか。一人称で語られるので、もう少しよう供養のある感じにしてもよさそうなのに、んでセリフの声は高いのに、地の文は抑え気味。それがどこか不気味に響くこともあるっていう。
いやぁ、この作家にこんなに合う人いる?って思うわ。むかしキョン2この作家の別の話でドラマやったけど「せんせぃ〜」っていう甘ったるいセリフが解釈違いすぎてダメだったんだよね。そこらへん小舘さんならあんな言い方しないんだろうなぁとは思う。舞台化するならやって欲しいな(やりません)
そんな感じで。あれだね。読み手が上手いから元の文章とかに耳がいっちゃうけど、そっちもそっちで上手いから、普通に何のストレスもなく物語として楽しめるなぁという感じでした。昨日は。
なので感想が非常にざっくりw
たいそ飲んでいたせいかいま2ndの2作目が思い出せないんだけど、どんなんだったっけ?申し訳ない。なんか喉元まで出かかってはいるんだけれども。
いやぁ楽しかったなぁ。初めて吉田さんに曲をリクエストしたしね(世にも奇妙な物語のテーマソング)
あとお店開いてすぐは私しかいなかったので、なぜかBLの話もしたしねw
なかなかにカオスだったな。
ああでも一つ。
ホラーガチ勢からすると、ぬるいというか、ホラーではないのでは?というところ。です。
もちょっと怖いやつ、次はください。