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教育って内省を促す環境づくりのことなのかしら

林業の現場で働く仲間と日々接する中で、改めて「教育」とは何かを考えさせられることがあり、その中で「教育とは内省を促す環境作り」のことなんじゃないかと思うようになりました。なぜなら、人は自ら課題や問題に直面し、それを解決しようとすることで初めて、それが重要かどうかに気づき、実際の行動を起こすと思うからです。

去年より、ありがたいことに20代の新卒新人が入社して来てくれました。私は営業職なので、実際の現場仕事の教育は現場の先輩方にお任せしており、時々技術の習熟度や仕事への取組み方などについて話し合ったりしながら、教育に取り組んでいました。

この新人は、教えたことや指示はちゃんと聞くし、機械の扱い方も覚え、時間も守るし、さぼらずちゃんと一日真面目に仕事に取り組む、話していても素直でとっても気持ちの良い人間です。

ただ、少し受け身の姿勢があり、指示されたり促されたりしないと自ら行動しないように見受けられる時が多々ありました。会社からのタスクをちゃんとこなしているんだからいいじゃないかとも思う一方で、社風からも自分から課題を見つけ行動していかないとキャリアアップにつながらないこともあり、今の状況が続くことに少しおせっかいですが心配になっていました。

一度そのことについて「もっと積極的に仕事に向き合った方が良いよ」、「今、たくさん失敗しておけば後々の財産になるよ」と声をかけたことがあるのですが、あまり響かないどころか、逆に「何をがんばったらいいんすか」と怒らせてしまったことがあります。よくわからん抽象的なことを押し付けられたんですから、そりゃ怒るよなと私も反省しました。

このことでの気づきは2つ、1つ目は人は実際に課題に直面しないと解決しようと行動に移さず、ただ言葉で伝えてもその人の行動は変えられないというもの。2つ目に人によってその重要性は異なるということ。特に2つ目は私のアドバイスが正しい前提で進めているが、それは人によって違うよなとも思い、この私のアドバイスは単なる価値観の押し付けなのでは?と私自身も悩みました。「教育することと価値観を変えさせるこのとの違いってなんなんだろう」と。

なので、そのことが重要かどうか、行動に移すべきか含め本人に気づいてもらうことしかないなと思ったのです。気づくことがどうかのコントロールはできないが、気づいてもらう(内省を促す)環境を作ることはコントロールできるなと思いえたのか今回の主張に行きついた経緯です。

人に言われるだけでは、その重要性は認識できませんし、身につけようともしません。だからこそ、教育においては、ただ知識を与えるだけでなく、実際に問題に直面し、それを解決したいと思える環境を作ることが重要だと思いました。

では、その「環境づくり」とは具体的に何をすればよいのでしょうか?今のところ以下の5つが大切なんじゃないかと考えています。(ちょっとメモもふくまれます)

① 目標・目的を作る
この会社やチームは何を目指しているのかを提示すること。その中で自分の位置づけはどこなのかを伝える。

② 試行錯誤できるフィールドを作る
失敗しながらでも経験を積む場をつくること。ここでいうと林業の色々な現場仕事をつくる。現場仕事だけでない、タスクを提示すること(このレポート書いてみてとか)

③ その人の安全を確保する
試行錯誤する際には、安全が確保されていることが重要で、特に林業の現場では、危険を伴う作業が多いため、安心してチャレンジできる環境を整えることが必要。失敗しても全然OKという心理的安全性を担保することも重要。

④ 具体的な手段を与える
試行錯誤するにもできることがないと何も実行できない。現場の道具を準備したり、使い方を教えたりするのがここに当たります。レポートの場合だとざっくりとした問を設定するようにした。

⑤ フィードバックをする
試行錯誤を繰り返しても、何が良かったのか、何を改善すべきかが分からなければ成長につながらない。適切なフィードバックを与えることで、自分の行動を振り返り、次のステップへ進むことができる。現場の振り返りMTGもこれにあたる。ここで私自身の主観で言わないように気を付けたい。

この5つの要素が内省を促す環境づくりで今私たちができるこだと思います。ただ、まだ全部できていません(頑張ります)。そしてこの環境づくりについても試行錯誤していき、新人含めみんなと一緒に成長できたらと思います。

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