球持ちとしなりに関する考察(3)
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今回は、つかむ、という感覚について考えていこうと思います。
ボールをつかむという表現は、インナー系ラケットでよく使われる表現ですね。インナーフォースから聞くようになった表現な気がします。
つかんで飛ばす。野球でいうなら相手のボールをグローブで捕球して、そのままグローブで投げる。そんなイメージでしょうか?
ここで考えてみてもらえばわかると思いますが、グローブで投げたところでそこまで早いボールは出ないと思います。その理由はなぜかというと、グローブがボールを持ちすぎるからです。
このように、つかむという感覚は、飛ばす感覚とは対称的な感覚であるといっていいかもしれません。
では、なぜインナーフォースが、ボールをつかんで飛ばすことができるのでしょうか?その答えは簡単で、ラケットの内側に木材より固い特殊素材が入っているためです。
だから、木材の柔らかさがボールをつつんで、内部のカーボンがボールを弾き飛ばす。そんなイメージを持ってもらえるとわかりやすいかと思います。
ここでしなりとつかみは、球持ちという表現でひとくくりをされていて、分かりにくいという人もいるのではないかと思います。そこで、こんな図を書いてみました。
真ん中の丸が人の体、黒い線が人の腕、赤い線がラケット、青い丸がボールを示していると捉えてください。
上の図が、しなりの感覚を示した図で、下の図がつかみの感覚を示した図になります。
これはあくまで二次元的な図なので、どういう風に回転をかけるのか、という話は次回以降にしようと思いますが、自分が普段打つときに、どちらの感覚で打球しているイメージが強いのかを考えてもらうと、ラケット選びや練習で伸ばしていく感覚がわかるかと思います。
ただ、固いラバーを好む選手は、上の図のようにしならせて打球し、それより柔らかいラバーで打つ選手は、このようなつかむ打ち方をする選手が多い印象です。
この二つの感覚はどちらがいいという話ではなく、その人の個性であり、得意な方を伸ばすべきです。しかし、反対の打ち方も状況によっては必要な感覚になり得ると思うので、練習で心がけて両方の感覚を養うべきだと思います。
3回にわけて、球持ちについて考察してきました。
つかむ感覚は手でボールをつかむ感覚にちかいと思うのでイメージしやすい思いますが、しならせる感覚はどうでしたでしょうか?
皆さんの卓球に関する何かの役に立ったなら幸いです。
次回は、ラケット上のボールの軌跡について考察してみたいと思います。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
※一個人の私見です