見出し画像

勝手に1日1推し 238日目 「男子」/「男子部屋の記録」

「男子」梅佳代 /「男子部屋の記録」小野啓     写真集

オモロ!男子、オモロ!
一世を風靡した梅佳代さんの「男子」大好きでした。が、存在をすっかり忘れてました・・・。
ひょんなことから手にした小野啓さんの「男子部屋」。ぴかーんと脳天に「男子」が降臨してきて、2冊の繋がりに打ち震え、萌えました!

2作品とも「男子」がいきいき(?)しているのがいいなって思います。
少年の「男子」のバカさは、青年の「男子」にしっかり受け継がれている!
成長して外で表せなくなったバカさを、内で存分に表してる。それが部屋という表象。って思うと、一人の男子の肖像が浮かび上がると思いませんか?

梅佳代さん、小野啓さん共に、中高生の写真も撮られていると思うんですが、思春期はまた色物と言うか、それはそれで別途、好奇心をくすぐられるものがありますが、でも、やっぱり迷走しまくってて個人としての本質を捉えにくいと思うんです。

個人として無邪気な男子だった少年を切り取った「男子」。
個人としてアイデンティティを確立した男子に成長した青年を切り取った「男子部屋」(部屋に佇む男子あり)。

「男子」と「男子部屋」。素の個性、形を変えて表れる個性、経験を積んで得る個性・・・。両者の根は確実に繋がっている!!がっつりリンクします。

全体でみると同じようにひょうきんで茶目っ気があって、あほな感じがする少年たち。
全体でみると同じようにごちゃごちゃで散らかっていて、無秩序な感じがする(整頓されている部屋もある)青年の部屋。
当たり前だけれど、一人として一つとして同じってことはないんですよ!

「男子」としての生態がつまびらかに明かされている、なのに、一人ひとり「個人」としても浮かび上がってくるというミラクル。とても興味深かったです。

「男子」発売当時(2007年)は、嬉々として笑ったり和んだりしていた見ていたのですが、今見返してみると上半身裸の子がいたりするので、世相に照らし合わせて「この子、今これを見てどう感じているだろ?」とか若干モヤっとしなくもないですが。
でもでもやっぱりおバカで可愛くて、自由で個性爆発で、ほんと宇宙人。見ると元気になりますね!

「男子部屋」もね、笑っちゃうの。ここまで集まると荘厳とさえ思えます。
ほんと、多種多様、オリジナリティがあって生き方&生き様を見て取れます。
+各部屋の男子のコメントみたいのが載っているんですけど、まだまだ思春期に片足つっこんでるままの男子もいますが、それも個性が出ていていい感じです。言い訳じみてるのとか、かっこつけてて可愛いんだよなあ(ちなみに高校卒業後~30代くらいの男子たちの部屋が収められています)。
ベッドの上に丸まったバスタオル(?)とか何故か愛でたくなる(←タオルを)。親とかだったら、マジいやだけど。他人事だと散乱しているものたちが愛しくなるのは、なぜ?
京大吉田寮も拝めます。自治は令和も存続する!!発売時、2019年。まだまだ本や雑誌、テレビやビデオなんかが詰まれていたりして昭和感が残るスタイルの部屋が多数あり、それもほっこりします。
あと、映画や漫画などの設定資料としても役立ちそうだなあって思いました。

2冊とも面白く、なぜか勇気づけられる作品でした。
そして私にとって、男子って本当に謎の生き物だなって改めて思いました。

ということで、推します。

いいなと思ったら応援しよう!