勝手に1日1推し 215日目 「TORIO パリ・東京・大阪 モダンアートコレクション」
「TORIO パリ・東京・大阪 モダンアートコレクション」東京国立近代美術館 芸術
間に合った!会期終了間近、くっそ暑かったけど早起きして行って良かった!面白かったです!!
パリ市立近代美術館、東京国立近代美術館、大阪中之島美術館、3館が所蔵する作品を共通のテーマを元にセレクト、TORIO展示。
テーマが同じだから見える相違と創意が面白い!作家の感性や民族性、時代性などが感じられ、本当に見応えがありました。取り扱った作品は、近代絵画のみならず、写真や彫刻、現代アートから映像まで各種を網羅。美術史の流れも垣間見えます。
コンセプトもユニークで、こんな括り方があったのか。ってなりました!多くの知識と審美眼を持つ専門家にしか成し得ない企画であり展示方法であり、もはや、軽く奇跡!!エッジが効いていて誰もが楽しめる展覧会になっていました!
それに、東西様々、沢山の有名作家の作品が一気に見れるもの嬉しいポイントです!
なんと、110名の作家の作品が150点展示されているとか。やっぱり奇跡だった。Yabai!もう、目移りしちゃって大変。
知らない作家を知ることも出来るし、気になる作家の作品を生で鑑賞し次に繋げることも出来るし(?)、まあ、何よりお得~って感じで、イイこと尽くし。今回、私はずっと見逃していた佐伯祐三、萬鉄五郎、倉俣史朗作品を見たかったのと、デュフィの「家と庭」を見たかったんですよ!!見れました、良かった!!
って、そのお目当て作品もそれぞれ思わぬ切り口で他2作とTORIO展示されていることでより魅力的に見えました!!
【都市のグラフィティ】
佐伯祐三×バスキア×詩人フランソワ・デュフレーヌ
時代も国も違うのに、ストリートアートな共通点で同質に見えるんだもんなあ。各都市の街の色や生活が見えるの。ジャンルの異なる作品、当然扱っている素材やコンセプトも異なる作品な訳で、単品で見るとそれぞれ油絵、落書き、造形作品だけど、トリオで見ると完全にナカーマってなってて、違う印象を受けるんだもの、本当に不思議。おもろ。
【モデルたちのパワー】
萬鉄五郎×マティス×モディリアニ、横たわる美女という同じ構図なのにこんなにも違って見える。大胆な色使いでインパクトがある女性たちそれぞれの自我をも描いているからだと感じました。筆致の違いは当然ながらその差異以上に三人の美女から受ける異なるパワーがびしばし感じられるんです。モデルたちのパワーって、ほんとナイスタイトル!
【まどろむ頭部】
デ・キリコ×ブランクーシ×イケムラレイコ
一番気に入ったTORIOがこれ!なんか異彩を放ってた。まどろむ頭部て何よ・・・
3Heads。頭部にフィーチャーするとか、ピカ一のクレイジーさ。
ブランクーシの展覧会も行けてなかったから、見たかったの。見れて良かった。
それでも販促さん、「眠れるミューズ」の頭部クッションのグッズ化には無理があるのでは?自由で遊び心ある発想は買いますが、クッションは買いません。需要は限りなく少ないと思われます。そこもピカ一のクレイジーさが光っていて、まあ、おもろ。
岸田劉生の「麗子肖像」と藤田嗣治の「少女」の並びも地味に良かった!愛しまくってる娘麗子を描いた「麗子肖像」よりモデル(だと思ってる)を描いた「少女」の方が愛らしいって、もはや作家性しかなくていいなあって思いました。
他にも日本のシュルレアリズム作家たちの作品が見れたのも収穫でした。
が!!しかし!!いかんせん点数が多いことと情報量が多いことで、頭の中がパニックになっちゃって、正直、気が散ってしまった感も無きにしも非ず。そこは個人的な反省点。
でも、マリー・ローランサン?ダリ?シャガール?マグリット?デュシャン?ドローネー?岡本太郎?草間彌生?これでパニックならない人いるぅ?
いやいや、こりゃあ、もはやフェスだね。夏だね。
そうだよ、うまいこと言ったな、私。マジでフェスだったよ。夏フェス!!
夏だからお祭りだから、いいとこどってつまみ食い感覚も良し!楽しみましょう!
ということで、推します。
追伸:企画展以外のコレクション展示も充実していて、びっくりしました!東西大御所作家の作品をたくさん所蔵しているんですね!疲労でじっくり鑑賞は叶わなかったのですが、4Fのハイライトっていう展示室がとても良かったです。夏休み企画なのかな?作品の見方、楽しみ方と共に日本画、洋画、立体が展示されていて面白かったです。
同じく、4Fの「眺めのいい部屋」にて一休みもおすすめです!!皇居のお濠と緑を眺めながら寛げるの、贅沢時間~。