エンジニア、音楽家、起業家…。様々な顔をもつ開発者、関根元和が語る「nana」の開発
nana musicで働く多彩な経験をもつ人々に迫る連載企画「nanaな人々」。今回は「nana」の要ともいえるiOSの開発に携わるエンジニア、関根元和(せきねもとかず)に話を聞きました。
SNSを開くと「趣味を仕事に」、という言葉を目にすることがありますよね。関根はまさに「趣味を仕事に」を体現した働き方をしています。中学生の時にプログラミングでゲーム開発をはじめてから35年間、常に最先端の技術を追いかけてきた彼の目から見た、nana musicはどんな姿をしているのか?
ズバリ聞きました。
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「ワクワクする仕事を自分で選び取りたい」。自分の興味を仕事にするための決断
──関根さんは、エンジニアとして仕事を初めて、約30年、様々なご経験をされてきたと聞いています。まずは自己紹介代わりにエンジニアとしてのキャリアを教えてください!
僕がはじめてプログラミングで収入を得たのは中学生の時。当時からプログラミングが好きで、ゲームを開発して収入を得ていました(笑)
高校、大学はハードウェアに興味を持って、新卒で入社した会社では、プリンターのハードウェアの開発をしていました。しばらく経つと、「やっぱりソフトウェアの開発がしたいなぁ」と思うようになり、会社に相談して業務用プリンターのソフトウェア開発の部署に異動させてもらったんです。
ところが、その後プリンターの出力サービスを開発する部署に異動になってしまったため、Windowsアプリを開発している会社に転職しました。
──今は会社を経営されつつ、フリーランスのような働き方をされていますよね。なぜ、フリーランスになろうと思ったのでしょう。
転職した先では、担当業務だけでなく、自分で力になれそうな案件を時々手伝っていたんです。
例えば、イントラネットの整備の簡略化です。今の人には馴染みがないかもしれませんが、90年代後半のIT企業は、組織の中で紙のデータをデジタル化していくイントラネットの整備を盛んに行っていました。でも、実際には技術はあるのに知識や情報がないという部分も多くて…。
例えば、イントラネットの整備にあたって、若手が社内文書をHTMLで入力して、そのコードの正誤を機械で確認する、という作業がありました。しかし、入力したコードが正しいかをチェックする機械が一つしかありませんでした。
そこで僕が使わないPCでコードをチェックするシステムを組んだら、効率が上がって、すごく感謝されたんです。
一方、色々な知識や技術に手を出しているうちに、個人でも最新技術を使う案件を相談されるようになってきました。しかし、会社で働くと、どうしても時間が取れず、興味のある最新技術を使う仕事になかなか手を出せなかったんです。
次第に「最新技術を使って課題を解決したり、新しいものを作ったりする」という自分が一番ワクワクできる仕事をしたい気持ちが強くなり、思い切って会社を辞めてフリーランスに転向しました。
──確固たる知識や常に最先端を学ぶ意欲があったからこそ、思い切ってフリーランスという選択に舵を切れたんですね。その後、友人と一緒に起業されたんですよね?
フリーランスになると、年収が上がる代わりに、月ごとの収入が不安定になり、税金も増えてしまいました。そこで同じ悩みを抱えていた友人と一緒に会社を立ち上げようと。そこから今日まで、約20年間一緒にやっています。
「週末音楽家」としての活動が、「nana」への共感につながった
──関根さんのキャリアの幅広さがわかったところで、nana musicに関わることを聞いていきたいと思います。「nana」といえば音楽ですが、関根さんは音楽制作チームを運営していると聞きました!
もともと創作活動が好きで、中学生の頃から、小説や漫画を書いたり、ゲームを開発したりしていました。音楽をはじめたきっかけは、たまたまゲーム開発をする中でBGMが必要になったからなんです。実際に音楽を作って見るとすごく楽しくて、気がついたら続けていました。
同人の音楽即売会に出たりしているうちに、サークル感覚ではじめたのが「くじら音楽部」という音楽制作チームです。その後、知り合いのよしみで元でんぱ組 inc.の夢眠ねむさんに曲を提供しました。それがきっかけで、仕事としてアイドルソングを書くようになり、これまで約100曲作りました。
最初は趣味の延長線上でしたが、次第に仕事が増え、気づいたら「週末音楽家」と名乗るようになり、立派な副業になってました(笑)。
──そんな関根さんとnana musicとの出会いを教えてください!
nana musicを知るより先に、社長の文原と知り合いだったんです。はじめて話した時に、「世界中の人とWe Are The Worldを歌いたい!」という野望の話を聞いて、「面白いこと考える人がいるなあ」と思ったことを覚えています。
自分自身も音楽に携わるので、「nana」や文原のビジョンにはすごく共感できました。文原は熱心に「エンジニアとしてnana musicに入って欲しい」と誘ってくれたのですが、僕も二人で会社を回している手前、どうしても収益の面で折り合わなくて。
そこからたまに文原に呼ばれては、「こういうのどうだろう?」と相談を受けるようになり、その報酬として食事を奢ってもらっていました。
そんな関係がしばらく続いて、2年前に「お金ができたから働いてくれませんか?」と誘われたんです。熱意も初めて会ったとき以上に伝わってきたので、働くことに決めました。
──なるほど。2年前からnana musicの仕事がメインになった、という感じでしょうか?
そうですね。週4日はnana music、週1日は他の企業で、業務委託として働いています。nana musicでは、iOSアプリの開発に取り組んでいます。
エンジニア歴35年の目が捉える、nana musicの魅力と課題
──これまで様々な環境で開発していた関根さんから見たnana musicで働く面白さや魅力ってなんですか?
まずは人ですね。自分で音楽をやっている人が多いのは、音楽サービスをやってる会社ならではですよね。音楽室や卓球場もあって環境的にも遊べる余地がたくさんあるオフィスも好きです。
「nana」の魅力は、オンラインのサービスなのに、オフラインで場を作っている気持ちになれること。
リアルだったら会うことがない人たちがサービスの中で一緒に新しい曲を作ったり、歌や楽器などの表現で遊んでくれたりする。インターネット上でできる表現の中でも、歌や音ってすごく肉体に近いものを感じます。だからこそ、オンラインでも場をつくっているという意識が生まれるのかもしれません
実際にオンラインの延長線上でリアルでユーザー同士が集まって、仲良くなっているのは驚きました。経験上、ユーザー同士の交流をコンテンツに、運営側がイベントをして、人が集まるって中々難しいことなんです。開発側にしてもユーザーが見えると、サービスを作る指針にもなるし、モチベーションにもつながりますよね。
──では、nana musicで働く中で見えた課題や改善点ってありますか?
技術的な課題は、古くなってしまった技術の処理ですね。「nana」はサービスローンチから6年以上経っているので、古い技術が使われているところもまだ残っています。長期的にサービスを運用していく上で、少しづつ改善していきたいです。
例えば、モノラルで簡単に録音できることは、「nana」の魅力の1つでしたが、デバイス側の技術が発展する中、音質の改善は考慮したほうが良いのでは、と思っています。
組織的な課題は、まずはチームが安定感を持つこと。そのためには、目標の共有が大事なのかな、と。ほとんどの人がnana musicでの仕事を楽しんでいますが、よく見るとみんな見ている方向が違う。例えば、上の人たちは会社の経営に目を向けているのに対し、現場の人たちは、いかに楽しくサービスを作るかを考えています。
みんなが楽しみつつ、経営やサービスについて同じ方向を向けると、さらに良い組織になると思います。
──面白いものができつつあるのに、組織的、技術的な課題もある、という状況で、関根さんが一緒に働きたい、と思うのはどんな人?
技術力に関わらず、プログラミングが楽しいと思う人と仕事したいですね。僕自身、音楽制作もプログラミングも楽しむことを第一に考えたからこそ、新しいものを創造できたし、ここまで仕事が続いてきたのだ、という自負があります。だからこそ、プログラミングを楽しめる人となら、良いチームになれるし、良いサービスを作れるんじゃないかと思うんです。
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自分の「好き」という気持ちに素直でありながら、キャリアや仕事の選択という節目節目では合理的に判断を下す──。クリエイティブとビジネスの狭間で絶妙なバランス感を持っている関根だからこそ、インターネットが一般家庭にも広がり、スマートフォンの登場で、コミュニケーションのあり方や仕事の方法もガラリと変わったこの30年以上の期間、「好きを仕事に」することができたのでしょう。
nana musicでは、関根のように、「楽しむことを大切にしたい」という思いを持っている仲間を絶賛募集中です。
iOSエンジニアだけでなく、Androidエンジニアの応募もお待ちしています!働き方も含めご相談受け付けていますので、まずは下記のリンクを見てみてくださいね。
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