結婚して出産して離婚した話②

毎日毎日子どもと2人追い出されるようになって、寒い季節になった。

ゲーセンで暖を取っていたが、毎日赤子を抱いて階段に座っているとさすがに怪しまれるようになった。

私は人から注意されることが大の苦手で、ほんとにパニックになりそうになってしまう（なったことはない）ので、

いつもそういう時は空気を読んで怒られないよう怒られないように息を潜めて過ごしたり、笑って誤魔化したり、言い訳を必死で考えたりして逃避する。

そんな小心者なので校則だって破ったことないし、違法行為は引越し中の荷物運びでマンションの前に停めていた車に駐禁を貼られたくらいだ。

だからその時も店員の視線を感じて、「もうここには来れない」と察して出て行った。

しかし田舎なので他に行くところもない。

コンビニの前身の「ナイトショップ」がまだ存在していたくらいの時代だったので、コンビニもまだ少なかったし、イートインコーナーなんて気の利いたものはあるはずもなかった。

暑さ寒さに弱い温室育ちの私は、とうとう耐えきれずに実家へと足を踏み入れることを決意した…