Notefolio #02 | スプラトゥーン2用にJoy-Conをハックしてみた。(プロトタイピング編)
マンメンミ。七海乃音です。スプラトゥーンは今(2018.12.15執筆現在)、スマブラコラボフェスですね!僕はヴィランで参戦しております。ミステリーステージのしょっぱなで10倍マッチされ、無事負けました。無念。
さて、前回の書いた記事で、そのプロトタイピング編を書いてると言いつつ3週間くらい経ってしまいました。。ずみまぜん。。やっとこさ公開です。
まずはちょっとおさらいですが、僕はこういうのをつくったわけなのでした。
スプラトゥーン2のための、”ナイス”をいつでも押せるコントローラ拡張です。これを作るにあたって考え、試したことをまとめようと思います。
まずは、「イカセンプクを含む移動を行うと同時に、"ナイス"ボタンを押すにはどうすればいいか?」ということをちょっと考えてみてください。あなたならどうしますか?
僕の場合は、「コントローラ上のボタンと、指が押すボタンを位置を別にすればいいかな。」とか、「全てメカニカルで実装すべきか、マイコンかなにかで制御すべきか。」などといろいろ検討したのち、1つの構想を思いつきました。で、それを試すわけですが、失敗します。最終的に完成したものを含めると4つのバージョンを作りました。10日で。イカ、その過程。
1st Try ( 1st - 2nd day )
最初にやったのが、思いついた機構が実際に動くかどうかです。機構を単純化したものをCADで描き、3Dプリントしました。その他材料はとりあえず部屋にあったもので。で、出来たもの↓
ワイヤーを押し出すと、樹脂の弾性変形を利用したヒンジが動き、その先に伸びている腕の動きでコントローラ上のボタンを押そうというものです。
とりあえずこの機構が機能するということが確認できたので、実際に目標とするものを設計実装していきます。
そしてこれをJoy-Conに取り付けると、、
はい、失敗作のいっちょあがりです!(T_T;;
これの何が失敗かというと。。ワイヤーをチューブに通して、Joy-Conの裏側で押し出すという構造になっていますが、このチューブ、とりあえず部屋に転がってた軟質塩ビのチューブなんですが、柔らかすぎました。前の記事にも少し書いた気もしますが、"ナイス"ボタンの押下距離は、1mmイカです。で、ワイヤーやチューブの長さは十数cm。Joy-Conの裏側で数mmワイヤーを押したところで、その数mmは軟質塩ビチューブの伸びに消えてしまうのでした。。
ちなみにこの画像から分かる通り、Joy-Conへの取り付けに洗濯バサミを取り付けるというベッチュー案は最初からのものでした。そして、最初は、洗濯バサミはJoy-Conの下側だったんですね。でもこれは、実際にコントローラを持ってみて、選択バサミが腹に当たって邪魔!という事が判明し、次からは上側にしようと決めたのでした。
ここで、次の試作を試すわけですが、改良点は2つ。
・選択バサミを上側に変更。
・ワイヤーを通すチューブをもっと硬質のものに変更。
2nd Try ( 3rd - 4th day )
2つの目試作がこれです。選択バサミも上側にし、チューブはPTFEという軟質塩ビよりは硬い材質に変更しました。これを取り付けて、想定した通りの動きができるかJoy-Conを手に持って試してみました。
そうするとですね、、別の問題が出てきました。自分の指が押すボタンは、Joy-Conの裏側に設けたわけですが、これが押しにくい。この位置だとやりにくい。。なんと言語化すればよいのだろう。。プレイ中、ボタンさばきが激しくなるとグリップを握る力を強くなってきます。で、グリップを強く握っているのに、その指の一本だけ離して、グリップ横に設けられたボタンを押せ、、無いよ。。無理。
では次の改良点です。上記の気付きから、指が押すボタンの位置はJoy-Conの裏側ではダメだということがわかりました。表側にします。この時に、完成版とほぼ同じようなヒンジ構造を思いつきました。がしかし、最初の試作で思い知らされた、「0.数mmの押下を正確に伝達させるための動作精度の高さ」を鑑み、既成品のヒンジを使うか、3Dプリントのみで作った樹脂の弾性変形ヒンジにするか、という選択がありました。
既成品のヒンジを探していたら、使えそうなものがなかったわけではないのですが、入手するために数日を要しそうだったのと、かなり小型のヒンジの工作精度が心配だったので、とりあえず手元で試せる全3Dプリント製のヒンジを作ることにしました。
(あ、上の画像のチューブが中途半端になって片方接続されてないのは、この写真が試作品の残骸から引っ張り出して撮られたからです。。)
3rd Try ( 5th - 6th day )
はい、第三の試作です。
CAD画面をよーく見るとわかるかと思うのですが、左右に伸びたヒンジの片方を押すと、もう片方も一緒に動くという仕組みです。ヒンジのレイアウト上、複数設置することが出来たので、いっそのこと"ナイス"だけでなく"カモン"やキャプチャボタンも右手で押せるようにしました。
弾性変形を利用したヒンジなので、その硬さは樹脂の肉厚に依存するのですが、それがなかなか難しいのと、思ったより全然並行に動かないということでした。ヒンジの片方を押しても、全然もう片方は動いてくれない。。いや、もっとヒンジの部分を肉薄にし、押す力を軽くすればいけるのかもしれないけれども、そもそもあんまり精度のでない3Dプリントでは無理なようでした。。もう、普通に失策で失敗でした。
あー、もう3つも失敗していよいよどうしようかと思いましたし、使えるかどうかわからない既成品のヒンジ買うのもどうしようかなぁ、、と思っていたところ捻り出したのが、ヒンジの軸をネジにしようというものでした。
もちろんネジはそもそも部品と部品と締結するために用途であって、軸のためのものではありません。ただ、ここで僕が欲しかったのは、「すでに規格化され、」「軸側も軸受側も両方あり、」「汎用で入手性も高く、」「安く、」「工作精度も高い」というワガママボディで、「それってネジじゃね?」って事に気付き、そ・れ・だ!となったわけです。
軸側の雄ねじは、頭のない止めネジを使えばいいし、軸受側の雌ねじは、3Dプリントの部品に埋め込みたかったので、インサートを使えば良いと思いました。止めネジとインサートってこんなやつです。
4th Try ( 7th - 10th day )
で、完成したのがこれです。
あーもう、やっとまともに機能したかこんちきしょー!という感じです。前回のキャプチャボタンのヒンジは省略しました。スペースが足りなかった。。
この完成したバージョンの詳細は前回の記事でそれなりに書いているので、ここでは省略します。このバージョンだけ4日も掛かっているのはヒンジの動作精度を出すために、CAD修正と3Dプリントを何度もトライ・アンド・エラーしたためです。
最後に
ここまで書いて、もはや誰向けに書いているのかぜんぜんわかりませんが、とりあえず記録です。もう自分用でいいです。開き直るよ!
失敗に気付いたとき、むしろこれを読んだ方は、なんでもっと失敗する前に気付かなかったの?って思ったかもしれません。僕は思いました。もっと早く気付けよ。って。
まあ、全くその通りなんですが、言い訳としては構想も設計も実装もそれら試行錯誤も全部一人でやっていると簡単なことでも意外と気付かないってことはあります。はい、無能宣言です。出直してきます。
そして、下の写真はこれを作る過程で生まれた失敗作の残骸です。供養、供養、、
こんな感じで最近作ったものや予定しているものがいくつかあるので、たまにnoteに書こうと思っています。その中には今流行りのArduinoやRaspberry Piと使ったり使わなかったりして電子制御しているものもあります。そして今回は、「こういうものを作りました。」というだけの記事になってしまいましたが、もうちょっと、こう、なんか読んだ人が、自分もやってみよう!と思える何かをしたいなと思っています。野生のメイカーとしては、草の根的ものづくり界隈を盛り上げたいじゃないですか。
ではでは、マンメンミ!(もうちょっといい具合の頃合いに倍マッチに当たりたい!!)
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