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Ep.25「小さな商店」
「自動ドア」と書かれているが、自動で開かなかった。しかし店の中は明るい。
あっ。ドアに矢印がある。こっちに引いて手動で開けるってことかな。
ガラガラガラ、と扉の音がした。
奥から、店番と思われるおばあちゃんの姿が。
店番「いらっしゃい」
ルナ「あっ、こんばんは」
入り口すぐにあって目についた、「手作り弁当!」と書かれたものを一つ、野菜ジュースを一つ買って、レジに持って行った。
あれ、おばあちゃんどこ行ったんだろう。
ル「すみませーん」
店「あ、はいはい。ちょっと待ってね〜」
奥からテレビの音に紛れたおばあちゃんの声がする。
店「はいはい、680円ね」
ル「えっと、1000円でお願いします」
店「あ、ちょっとお釣り、切らしちゃったみたい。ちょっと待ってね〜」
また奥に消えて行った。
店「はい、お釣りね〜。あとあなた、カステラ食べる?」
ル「は、はい?」
店「カステラ。今ちょうど食べてたのよ。食べ切れない量だから、一切れあげるわ」
お釣りと、袋に入ったカステラ一切れをもらった。
ル「あ、ありがとうございます!!」
店「は〜い。またいらっしゃい♪」
おばあちゃんはゆったりとレジの奥に戻って行った。