カシュの路地裏で
カシュという街を歩いていた。街にある急な坂を登ると、古代の劇場から海が見渡せるスポットがある。海も劇場も美しかった。
帰り道、坂のところどころから海が見えた。そのうちの一つに、海に繋がっていく階段があったので下ってみた。
水着を着ていなかったので、歩いていけるギリギリのところ、岩の上まで行って座ろうかなと思っていた。すると、既に岩陰に座っている女性がいた。
写真を撮って欲しいと言われたので撮ってあげた。彼女はとても話し上手で、そのまま色々な話をした。
アメリカで大学教授をしているらしい。
わたしが、「10年くらい前にカンザス州に住んでいたよ!」と話すと、「え!?わたしがはじめて教授の仕事をもらえたのがカンザス州の大学だよ!!そんな偶然ってある!?」と大盛りあがり。
カンザス州というのはアメリカのド田舎。わたしも海外一人旅でカンザスに住んでいたという人と、初めて会った。
こんな路地裏から出た海の岩の上でカンザスに住んでた人と出会うなんて、一体誰が思う?!って2人で笑い合ったよ。
本当に面白い、一人旅っていうのは。
でも、今振り返って思う。
もしかしたらこの出会いは、「路地裏から出た海の岩の上」だったから起きたのかもしれないなって。これが街の路上だったら、ただすれ違っていただけな気がする。
路地裏って、すごい。
まるで宝石箱だ!!
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