得意じゃないなら他の人より努力するしかない【中学受験記②】
スタート時点で周回遅れだっただけではなく、困難は他にもあった。
暗記がとても苦手だった。特に歴史や地理の統計など、数字の羅列を丸暗記しなくてはいけない類のものを絶望的に覚えられなかった。
算数も苦手だった。抽象化された概念を理解するのが難しく、大変だった。
勉強が得意ではないことを自分で分かっていた。だから他の人より、量をこなすしかなかった。
他の人は1回か2回復習するテキストの内容を、私は少なくとも3回復習するようにした。
また、当時通っていた塾では授業後に「質問教室」というのがあった。先生に一対一でその日の授業の疑問点を解消するというものだ。
授業後は必ず残って質問教室に通うようにした。私一人しかいないなんて日も多かった。
小学校には、ランドセルの容量的にも気持ち的にも塾の課題を持ち込みたくなかったので、休み時間は思う存分走り回っていた。
だから休日や夜遅くに塾の課題を頑張った。夜寝るのが親よりも遅いこともあった。
トントン拍子ではなかったけれど、ゆっくりと、しかし着実に、成績は伸びていった。
小学校5年生の夏頃には、上から三番目のコース、偏差値62くらいに安定した。