劇団「コトリ会議」の視点|舞台チラシリサーチ
舞台公演のチラシ。データでの情報発信が簡単な現代ではありますが、目の前の人にすぐご案内ができる紙の「チラシ」は、データでの宣伝と並行しつつ、大切な存在として残りつづけていくと思っています。
これから先、チラシは、舞台芸術の広報活動において、どのように活かしていけるのだろうーー
私は、舞台芸術業界の創客を目的として、舞台公演のチラシについて、製作/配布/アーカイブ化に関するリサーチを実施しています。
今回は、舞台芸術団体の視点から。劇団「コトリ会議」の、若旦那家康さんにご回答いただいた内容を、シェアいたします。
劇団「コトリ会議」の視点
《チラシの製作》
ーー公演宣伝の際に「チラシ」は作成していますか
若旦那:作成しています。
ーーなぜチラシをつくっていますか
若旦那:公演に向けて、団体のセンスを表現したり、話題づくりを行うためです。
ーーチラシのデザインはどのように考え、どなたにお願いしていますか
若旦那:基本的には作家とデザイナーとで、作品の内容を共有して会議をします。 毎回変わらないものは、劇団所属の俳優によるイラストを入れることです。コトリ会議のチラシであることが、わかりやすいようにしています。
ーー花屋敷鴨さんのイラストですね……!きれいな砂浜をそおっと歩くような、柔らかいタッチのイラストで、私はそのあたたかみが大好きです
《チラシの配布》
ーーチラシの印刷はどちらに、何部ほど頼んでいますか
若旦那:ネット印刷を使用しています。予算と納期に合わせて調整していますが、1万部前後、印刷することが多いです。
ーーチラシはどこへ配布していますか
若旦那:劇場への折り込みがメインです。関係性の深い劇場の方々を中心に依頼しています。
ーー配布後の効果については、どのように感じていますか
若旦那:ここ数年は配布前にSNSで画像として見ていることが多いと思いますし、配布すらしないことも増えているので、大きな効果を感じにくいとはおもいます。
それを逆手にとって手にして見たい、手にいれたから観に行こうと思ってもらるようにしたいと思っているので、たまにそういう感想をいただくと、とても嬉しいです。
《チラシのアーカイブ》
ーー配布後、余ったチラシはどのように管理していますか
若旦那:10枚ほど残しておきます。そのほかは、本番期間中に捌けるようにするため、公演会場の装飾代わりとしても使用しています。
ーー舞台チラシの製作/配布/アーカイブに関して、未来に望むことをお聞かせください
若旦那:舞台の映像のアーカイブは一般的になりつつありますが、現物としてあるチラシはアーカイブされにくいですよね。質感なども劣化しますし、色も褪せます。それらを画像データとしてよりも、チラシを被写体にした写真のアーカイブなどがあったら面白いなと思います。それによって、紙とか形にもこだわったチラシが、さらに出てくると、より自由で面白いと思います。
◉舞台チラシのリサーチにご協力ください◉
舞台芸術業界の創客を目的として、舞台チラシの 製作/配布/アーカイブ化に関するリサーチを実施しています。
《対象:全国の舞台業界/印刷・デザイン業界/舞台ファンの方々》
まずは、こちらのnoteをご覧いただけると嬉しいです。
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