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鳥を飼いたい
用事のついでに、鳥を見に行った。
鳥専門のペットショップだ。
店内では、実にたくさんの鳥たちが、ピィピィと元気よく歌っていた。
人なつこい鳥だったりすると、頭掻いて〜とケージに頭を押しつけてきたりする。それを指でカイカイしてあげると、なんとも幸せそうにするのである。
とてつもなく可愛い。
私は鳥初心者なので内心ビクビクしていたのだが、鳥上級者の方はハイハイ、という感じで鳥の頭を掻いてあげていた。
そしてありがたい事に、その流れで鳥に触ることができた。人生初の鳥カイカイである。ああ可愛すぎる。
どんな鳥がいるのかなと色々見ていたのだが、1匹のインコに目がとまった。
「アケボノインコ」というらしく、頭が青色で、なかなかクールな顔つきをしていた。
しかしながらその外見とは裏腹に、とてものんびりとした性格で、ひとつひとつの動作が非常にゆるっとしている。
まるで私のようである。
あ、動作がゆるっとしてるところがね。
クールな見た目なのに性格はのんびり。
これぞまさしくギャップ萌えである。可愛い。
私はアケボノインコに釘付けになり、ずっとその子に話かけていた。きっと周りから見るとやばいヤツである。
私を警戒しているのか、あまり動こうとしないアケボノさん。「なんだこいつ」みたいな目でじーっとこっちを見つめているその子に、なんとなく「私ね、あなたのこと好きだよ」と言ってみた。
その瞬間、奇跡が起こった。
なんとアケボノさんが、頭をケージに押しつけてきたのである!
「掻いてくれてもいいんだよ」という無言の訴え。すかさず掻かせていただく私。ああ可愛い。
カキカキしていたのだが、他のケージの鳥がやたらとピィピィ鳴くので、ついチラリとよそ見をしてしまった。
その時。
「ビビッ!」
アケボノさんが、怒った(?)のである。
まさかこれは…私が他の鳥を気にしているのが気に食わないのか…?…つまり…嫉妬…!?
いやいや、そんなまさか…。
そう思って、一つ右隣の鳥籠に移動してみる。
すると、アケボノさんはこっちをじっと見て、「ビビッ!!!!」と呼ぶのである。やはり嫉妬しているようだ。
更に、アケボノさんをケージの右側から構っていたのだが、左側にぴょんと移動してしまったので、また仕方なく一つ右隣の鳥籠の鳥を構おうとしたところ、また「ビビッ!」と言って、右側に戻ってきた。そして「頭掻いて」とやってくる。
おいおい、なんだこの可愛い生き物は。
だめだ、鳥が飼いたい。