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第14話〜ねこ向けスマートバンド!? IoT首輪「Catlog」を使って子猫の活動データを24時間記録!〜

2020年8月6日に公開した記事を記録として残したものです。

楽しみながら、たまに失敗しながら、IoTハウスを作る「IoTおうちハック!」。築10年の一戸建てを、最先端のIoTハウスにできるのか? おうちハックで生活は便利になるのか? 筆者ななみんが2匹のねこと一緒に実証していく物語、第14話。

我が家は今年4月末、新しい子猫さんをお迎えしました。2020年2月22日(ねこの日)生まれ、まだ生まれて5カ月の子猫、「ころにゃ」さんです。

我が家にやってきたばかりの頃 だいぶねこを被っている……

子猫は本当に目が離せません。日々少しずつ体重が増え、走る速さやジャンプ力、食べる量やいたずらのやり方、先住猫とのケンカの方法など、この数ヶ月間の成長速度は目を見張るものがあります。限られた子猫時代をできるだけ多く記録に残したいと、多くの飼い主さんが願うことでしょう。

我が家では、ねこの記録に特化したものとして、IoTねこトイレ「toletta」を使っておしっこ回数と体重を管理しています。猫の体重は、筆者自身のトラッキング目的で導入したシャオミのIoT体重計の機能を使って管理しています。

tolettaで計測した3ヶ月の体重変化

ねこの行動を記録できる首輪型デバイス「Catlog」にも前々から興味はあったのですが、成猫2匹は首輪を嫌がるため、導入を諦めていました。首輪は子猫時代から慣れさせると良いとも聞いていたので、子猫を迎える際は導入しようと決めていたのです。

個人的には、人間が眠っている時間帯にねこは何をしていたのか、と疑問に思うことがよくあるので、ねこは本当によく「寝る子(=ねこ)」なのか解明してみたいという思いもありました! 

Catlogとは?

Catlogは、ねこの行動を計測・記録するための首輪型の活動量計です。

利用するためには、ねこに装着する首輪型のCatlog Pendantと、ハブデバイスのCatlog Home用意する必要があります。Catlog Pendantに3軸加速度センサが搭載されており、このデータがCatlog Homeを通じてクラウドで分析され、スマートフォンアプリ上でねこの状況が確認できる、という仕組みです。Wi-Fiに繋ぐので、外出先からでもねこが何をしているか、リアルタイムで分かります。 

首輪を着けられるかな? 「デビュープラン」で確認できる

Catlog Pendantは首輪型デバイスのため、首輪を嫌がるねこには利用できません。とはいえ、首輪未経験のねこの場合、着けてくれるのか分からない場合が多いでしょう。そのような飼い主さんのために、使用感を確かめるための「デビュープラン」が用意されています。今回わたしもこのデビュープランを利用し、まずは様子を見ながら慣れさせることにしました。

現在のデビュープランは、Catlog PendantとHomeのセットが届き、実際の使用感を確かめることができますが、筆者がデビュープランを利用した当時は、データを取ることができない、トライアル専用Catlog Pendantだけが届くサービスでした。

トライアル専用のCatlog Pendant、ころにゃさんが眠っているときを見計らって着けてみました。

眠っているすきに装着

まずは1日のうち、わたしが子猫の様子を見ていられる時間に限定して装着し、徐々に慣れさせていこうとしましたが……。

装着してすぐは、動画を見ていただくと分かる通り、首輪を引きちぎろうとしたり暴れ回ったりと大変でした。かわいそうなので諦めようかな……とも考えましたが、2日もすると慣れてくれ、全く気にしなくなってくれました。

Catlogとしては、体重500gからの利用をお勧めしているとのことです。バイオロギングの観点から、デバイスの重量を体重の3〜5%程度以下に収めることが推奨されているそうです。ちなみにデバイスは「10円玉2枚分」の重さ(ベンガル猫のころにゃさんは、生後2ヶ月で500gくらいだったため、推奨体重内でした)。

Catlog Pendantを着けた初日は、首周りの長さが最小サイズ(約16cm)より遥かに小さく、Catlog Pendantの長さが余ってしまっていたので、もう少し成長を待っても良かったかもしれません。

いよいよCatlogを導入!

デビュープランでCatlog Pendantに慣れてくれたところで、生まれて3ヶ月目となる5月22日、いよいよ本物のCatlog一式をころにゃさんにプレゼントし、計測を開始することにしました!

クロネコヤマトの専用Boxで届いてテンション上がる!

ここで初めてHomeを設置し、アプリを使って初期登録しました。

Catlog Homeはハブデバイスで、Catlog Pendantに搭載された加速度データをクラウド上にアップロードする機能を備えているほか、温度センサも搭載されています。また、Catlog HomeにCatlog Pendantを取り付け充電する、充電台としての役割もあります。

HomeでCatlog Pendantを充電します

なお、Catlog HomeとCatlog Pendantは常時Bluetooth接続されている必要があります(接続が切れてしまうとその間は行動判定されなくなります)。

我が家は、成猫2匹に着けるのは諦めているため、子猫1匹のみの着用にしているのですが、首輪に慣れているねこが複数いる家庭の場合は、Catlog Homeを買い足す必要はなく、Catlog Pendantをねこの頭数分用意するだけで利用できます。

ねこが何をしているか、アプリで一目瞭然!

充電後、Catlogのアプリ上でデータが同期されていることを確認したあと、ころにゃさんにCatlog Pendantを装着し、アプリで確認してみました。

このように、ねこが何をしているかがアプリの画面で一目で分かるのです!

寝ています


ねこの様子は、現在、「眠っている」、「くつろいでいる」、「毛づくろい中」、「歩いている」、「走っている」、「食事をしている」の6種類で表示されます。

くつろいだり 毛づくろいしたり
ごはんを食べたり
歩いたり 走ったり

※季節によって猫がイベントを楽しんでいることもあるようです
 
ころにゃさんはよく、家の中で隠れてどこに行ったか分からなくなる時があるのですが、その時にCatlogで確認して「眠っています」と表示されていたらそっとしておいてあげたり、外出した時に確認して「走っています」だった時は元気そうなので安心したりと、日常使用していると癒されるんですよね。

我が家はネットワークカメラやねこ用のカメラ付き餌やり器も導入していますが、ねこがくつろぐ場所がソファの下などカメラに映らない場所だと、外出先から確認しても見当たらなかったのです。Catlogは「今、ねこが何しているのか」を知りたいという気持ちに100%応えてくれる製品なので、そこが非常に便利だと思います。

また、直近1日分の行動はこのようにタイムラインで表示されます。

タイムラインの表示

ねこの状態の判定はリアルタイムではなく、平均で数分〜10分程度かかっているように見えました(電池持ちのためというのと、行動判別に時間を要しているのかもしれません)。ベンガル猫は、ねこの中でも群を抜いて活動的な品種であり、ころにゃさんも、さっきまで走り回っていたのに急に眠り出したりと目まぐるしく動くのですが、そのような場合はリアルタイムに動きが反映されないことが多いです。例えば、本当はごはんを食べているのに、眠っている判定をされたりしました……。

寝ている?

家の温度がわかるのが地味に便利!

使ってみて気づいたのですが、Catlog Homeに搭載されている温度センサで測定した部屋の温度がアプリ上に表示され、外出しているときは非常に便利です。

というのも、ころにゃさんが我が家に来て数日後、体調を崩したことがあり、気温が低かったことが原因ではないかと思ったため、それ以降、我が家は部屋の温度(と湿度)にこれまで以上に気を遣っているのです。

ねこさんにとって最適な気温は20〜28℃(湿度は50〜60%)と言われています。筆者は外出中、ねこの行動を確認するついでに部屋の温度が適温かどうかを確認しています。

毎日の「猫日誌」で今日1日の行動を確認

アプリには「猫日誌」という機能もあります。
毎日夜12時を回ると前日の猫日誌が表示され、食事の回数、運動時間、睡眠時間が表示されます。「運動時間」は、走っていた時間を累積表示しています(歩いていた時間はカウントされないようです)。

ある日の猫日誌 

充電は6日に1回程度

シャオミのスマートバンド並みの電池持ちとは言えませんが、1週間程度は電池が持つので、週末など定期的に実施することにしています。また、Catlog Pendantの電池残量が少なくなると、アプリで「充電してください」と通知が来るので、忘れていても充電タイミングを教えてもらえます。

1週間のころにゃさんの行動計測結果は?

まず睡眠時間ですが、平均5時間33分となっており、実際よりかなり少なめに計測されているようでした……。こまめに確認していたのですが、眠っている時間を一部「くつろいでいる」と誤判定されている可能性が高いと感じました。

子猫だからなのか、眠っていてもすぐ動いたり寝返りをしたりと動きが大きい場合は、睡眠時間が少なく出てしまうのかもしれません(もしくは、ころにゃさんは人間用のハンギングチェアに一人で眠ることも多く、揺れが影響を与えているのかもしれません)。

1週間の睡眠時間

平均運動時間は30分弱(もっと遊んだ方が良いかな?)、平均食事回数が1日5回程度というのもおおむね実際の行動と合致している印象です。

1週間の運動時間と食事回数

Pendantが首から取れてどこかに行ってしまった!

2ヶ月弱Catlogでの計測を続けてきましたが、いつの間にかCatlog Pendantが首から取れてどこかに行ってしまった! ということが数回ありました。

たいていは外れた後、ころにゃさんが自分でお気に入りの場所に隠しているので分かるのですが、探せど探せど見つからないハプニングもありました。その時は2日間見つからず、本当に焦りました……(Catlog Pendantは、ねこの安全のため、デバイス部分に急激な力がかかると外れる設計になっているようです)。

そして、Catlog Pendantが外れて家のどこかに置いてあるときは、「外れている」と検知されず、「眠っている」と判定されていまい、1日の睡眠時間に加算されてしまっていました。

加速度センサの値から、静止している=外れていると推測し、アプリで通知が来てくれるとより便利に使えると思いました。 

通信に課題も

Catlog Homeのカバー範囲は、仕様上60平米程度となっています。我が家は3階建てでワンフロアでも60平米を超えるため、本来なら2台は必要そうです。

我が家では多くのIoT製品を利用しており、経験上、Bluetoothの届く範囲は想像がつきますし、多くは「動かない製品」のため、ハブ機器とIoT製品の置き場所を工夫することで常時接続状態を保つことができます。

一方、子猫は予想しない場所に入り込んだり隠れたりしますし、Catlog HomeとCatlog Pendant間のBluetooth接続状態は、自宅の間取りや階数、ドアの開閉具合、家具の設置状況に影響されるため、接続を維持するのが困難です。したがって、一般的なIoT製品では接続に問題ない家庭でも、Catlog Pendantは繋がりにくい場合がある、ということもあると思います。

そのような場合、アプリ上で切断されていた時間が分かれば、例えばソファーの下や裏に隠れているときは切断されている、などと推測できるので、Catlog Homeをどこに増設すればまんべんなくカバーできるか、を検討できると思います。

今後も子猫とCatlogの成長を見守りたい

正直、Catlogはまだ改善点もあり、行動の精度に関してもねこによっては正確ではない(ころにゃさんの場合は睡眠判定が特に……)のですが、何より、外出先でも自宅のねこの行動を見られるという癒し効果が大きく、今後徐々に外出が増えることも想定すると、より重宝しそうなプロダクトです。

「行動推定」とさらっと紹介してしまいましたが、そもそも加速度センサのデータのみでここまで推定出来るということが驚きの技術ですし、特に「ごはんを食べている」と「毛づくろいをしている」が似ている動きなのにも関わらず判定できているのは、膨大な「教師データ」での機械学習の成果かなと想像します。さらにデータが蓄積されると、ねこの行動の癖を学習して精度も高まるとのことで、子猫の成長と共にCatlogの成長も見守っていきたいと思いました。

また、犬のためのGPS付き首輪デバイスは昔から存在しますが、ねこ専用の活動量計付き首輪デバイスは、わたしの知る限りCatlog以外に存在しないと思います。ぜひ、世界中のねこを愛する人のため、世界進出してほしいものです!

とてもわんぱくに育っています(5ヶ月目)

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