美穂さんの無敵の美しさ
訃報を聞いた時の嫌な胸騒ぎは、いつだって辛さしか伴わない。慣れることなんてない。
中山美穂さんは、デビュー当時からよくTVに出られていたので、あちらはこっちを知らないのに、こちらはよく知ってますよ状態の存在。たとえ実際には会ったことがなくても、自分の世界の一部というか、勝手に身内みたいに感じてしまう存在。
だから心臓が一瞬止まってしまったかのように胸がざわついた。
私は当時、特段彼女の大ファンというわけではなかったが、角松敏生さんやASKAさん、小室さんの曲を自分のものにして、連日TVで歌い踊るキラキラ輝く美穂さんに抗えず釘付けになって観ていたのも事実だ。
歌は元よりその美しさ、年齢に見合わない落ち着きはらった貫禄、笑顔よりどこかミステリアスな表情、所作、体幹の良さ、目力、衣装に髪型、赤いルージュ...素敵な要素しかなかった。
彼女はドラマにも出ずっぱりだったけど、私はどちらかというと音楽をやっている美穂さんが好きだった。
彼女が深夜に持っていたラジオのレギュラー番組もよく聴いていた。
何でも率直に話す人だったという印象。
前の恋が終わり「...(そういうわけで)私は他の人を好きになった。」と暗に井上ヨシマサさんとの恋についても語っていたっけ。
恋の噂が出ると冷静に「私自身が変わったわけではない。」と、ギャーギャーピーピー言ってた私の10代の頃と違い、あの若さで自分の言葉で語っていたものだ。
井上ヨシマサさんもTVのレポーターに追いかけられ、「美穂さんのどこが好きですか？」と聞かれ「オレみたいな男を選んでるところじゃないですか？」と答えていてめちゃくちゃカッコ良かった。
他によく覚えているエピソードは、同じ放送局でラジオをやっていた工藤静香さんがラジオ生放送中に、美穂さんがたまたま収録で通ったらしく「あー、美穂だあ！！」と騒いでいた。(2人がまだ仲良かった頃です)
そして、一通りわあわあ言った後に静香さんが放った言葉まで覚えている。「美穂って何であんなに顔が左右対称なの？」「私は鼻が曲がってるのよw」(自虐)
私は何でこんな細かいことまで覚えてるのだろうか？
きっとその言葉に、相当うなづけて激しく同意したからに違いない。
人間の顔は左右対称ではないと言われているが、美穂さんは、目の位置が完全に左右対称で本当に絵画のように綺麗な顔をしている。どの角度から見ても綺麗。
美人は3日で飽きるなんて嘘だ。
とびきり綺麗な花のような人だと思う。
あのヒムロックが惚れこんだオンナだよ、相当だ。レベチ。
美穂さんという人はTVで人の目に晒されるたびに美しくなっていくなあ、と勝手に分析していたものだ。最近も、ライブをやったり精力的に活動していたみたいなのに...
私は、たいしてファンでもないのに、誰かが亡くなると急にファンのフリをして、「早すぎる」とかRIPとか言う人が好きではない。
(何歳なら早すぎないんだよ⁉︎)
なので、これ以上は書かないけど、昔聴いていたラジオやカラオケでよく歌っていたあの良かった時代を思い出し、懐かしさと共に儚さも感じる辛い週末になった。
40代50代の方は、きっと皆さんも大ファンではなかったにしろ、TVに出てたら夢中で観てた方多いと思います。そんな皆さんも同じように今、胸がざわざわしてますよね。大丈夫ですか？
こういう時は、彼女の作品を観て聴いて思い切り泣くのが一番だと思います。