初めてのTOEIC 〜英語はIとYOUでできている⁉︎
私には苦手なものがたくさんある。
例えば、蛇などの爬虫類やアニメ、ピカソの絵画、鳩やカラス、プログラミングなどなど…
中でも「英語」は1位2位を争うほど苦手だ。おそらく日本人の英語に対する苦手意識は私だけでなく、たくさんの人も感じているかもしれないが、私が感じる英語の苦手レベルは半端ではない。ひどい英語アレルギー持ちだ。
小学生から親に英語の塾に入れられ、中学や高校で習う英語では、それなりにテストの点数も取れたはずだし、しかも私は英文科を出ている。大学の第2外国語はフランス語だった。
一応卒業はできている。本当に信じられないが。
おそらく私が卒業できたのは、単に出席日数が良かったからだとしか思えない。当時、英語が話せたかたというと全くだし、フランス語、中国語の授業もちんぷんかんだった。苦手なのは英語だけでなく言語全般のようだ。
高校時代、特に英語が苦手だったので、敢えて英文科を選んだというのに、全く話せない。
これは一体どういうことなんだろう。
大学を出て就職した先は日系企業だったので、ますます英語から離れた。そうこうしている間に、中学の友達が若くしてアメリカ人と結婚した。旦那様は日本語が全く話せない。彼女はいつの間に英語を話せるようになったんだろう?英語が得意だったっけ?へっ?私が口をポカンと開けている間に、その友達は、何年か後にはアメリカに渡り、今ではもうアメリカ人になってしまった。
私は、20代半ばで仕事を辞めた時期に、ロンドンに短期留学をした。英語をまだどこかで諦めきれておらず、留学したら何とかなるかもしれない、と短絡的に決心した。ロンドンの学校には、日本人がたくさんいて先に入った子たちは、もう日常的に英語を話していた。果たして私も皆みたいになれるのか?
先生は英国人で、授業はもちろん英語しか使わない。周りの日本人がどんどん英語を吸収していく中、私はというと「やっぱり無理なものは無理」状態に陥り、そのうち授業をサボってチューブ(ロンドンの地下鉄)に乗って遊びに行くようになった。本当にどうしようもない性格だ。自分で決心したことすら、まともにこなせない。
結局、せっかくロンドンにいるのだからヨーロッパを楽しもうとイタリアに向かった。初めて渡ったロンドンも最高に気に入っていたが、ミラノ、ベネツィア、フィレンツェ、ローマと旅行をしたら、イタリアにも恋してしまった。ちなみにイタリア人は日本人と同じで英語を話さない。私はイタリア語が話せない。食事のメニューもイタリア語のみだ。当時はスマホも翻訳アプリもない。いろいろとハプニングも多かった。そして、ローマからパリ行きの飛行機に乗り、パリにも行ったがパリには恋をしなかった。
フランス人が日本人に対して嫌悪感を抱いているのが手にとるように伝わってきた。たいていのフランス人は英語が話せるが、英語で質問しても、わざとフランス語で返されたりした。
そんなこんなで、ロンドンの学校に戻り、一応は卒業証書らしきものをもらって、予定通り帰国した。君は病欠だったんだよね?といったところか。
何も学んでいないのに卒業だけはできるのが私の得意技なのか??私の「卒業」ほど意味のないものはない。尾崎豊さんは支配からの卒業。私は「無」からの卒業⁉︎
私は一体何をしているのか?英語を学ぶためにせっせとお金を貯め、使い切って帰ってきたのに、行く前と何も変わっていない。
とんでもない欠陥人間だ。
その後も、少しだけ学んだ会話程度の英語を忘れまいと、自由が丘の英会話スクールに大金をはたいて通うも、3日でリタイア。ロゼッタストーンを一式買うも、一度だけ聴いてCDたちは行方不明。また別の英会話スクールに通うが残業続きで結局リタイア。ありとあらゆる英語関係の本、商品を買ってはリタイアを繰り返した。
私は一体「英語」のために全部でいくら使ったのか、皆目見当もつかない。何だか、ずっと一途に片想いしているのに一生実らない恋みたいだ。向こうは私を1ミリも愛してくれない。何ともせつない。
もちろん自分の努力が足りないことは自覚している。英語を独学で学び話せるようになった日本人は、努力家であるに違いない。英語だけでなく、継続は力なり、だ。私はこの「継続」が苦手なのだろう。元々飽きっぽい性格で、スキーを始めた時、なかなか上手くならないのが悔しくて何度も何度も転んでは起き上がり、やっと普通に滑れるようになるともう飽きてしまう。興味を失うのが早い。なんだできるじゃん、となると途端につまらなくなるのだ。そしてまた別の新しいことがしたくなる。
私にとって、英語を毎日コツコツ学ぶより、楽しいことに次々挑戦し、できるようになるとまたやめて次に移る、この繰り返しの方が楽しいのだと思う。
そんな調子で英語も、できるようになるまでやればいいじゃないか、とも思うのに、なぜか英語だけはできなくて悔しい、より、あそうか私はこれできないのか、で終わってしまう。
私にとって英語ほど厄介で手強い存在はない。
そして、スマホを持つようになってから、Instagramを始めた。2014年から3年連続でアメリカのLAに一人旅をしたので、その時の写真たちを載せると、フォロワーさんが外国人だけになった。コメントやDMが全て英語で届く。
私はアメリカが好きなだけで英語が得意なわけじゃないのに。
でも今の時代、スマホがある。翻訳機にかけて、合っているか合っていないのかわからない英語を返す。そのうちに、よくやりとりする人にちょっとした恋心を抱くようになったりもしたが、結局そこでもまた英語がネックになってくる。
英語でチャットを楽しむには、訳を見て自分の日本語を訳して、という過程が入ってくるので、日本語のチャットの数倍かかる。
そうです。もうおわかりのように、時間ばかり奪われるInstagramはログアウトしました。
せっかくネイティブと英語を学べるというのに、ここでも逃げ出すのが私というダメ人間。
他のSNSも使えるものは何だろうと使った。Hello Talkで誰かと仲良くなっても、日本語が上手い外国人ばかりと日本語で話すので、私の英語力はいつまで経っても上がらない。またログアウト。
他の英語アプリも少し使ってはログアウト。
私は、昔からjpopより洋楽好きで、映画もドラマも海外のものしか観ない。邦画などハチ公物語しか観たことがない。
昔からそうなのに、なぜいつまで経っても英語の歌の歌詞すら理解できないのか、私にもわからない。Netflixは吹替派なので仕方ないとは思うが、私のこの「英語できない」力は異常すぎると思う。
そうか。私は英語に恋しているのではなく、その反対で英語に全く興味がなく、英語が死ぬほど嫌いなんだと最近になって悟った。遅すぎた。
大体、英語ってIから始まるI〜が多すぎると思う。
I think , I know, I agree , I have, I will, I don't, I …
2人で話す時に日本語で、私は私の胃が痛い、とは言わないでしょう?「胃が痛いの。」主語は私ではなく胃なんだから!!
1人しかいない相手に、あなたはあなたの胃が痛いの?ってなぜそんな周りくどい言い方をするのかわからない。
英語って I、Youが多すぎると思いませんか?
とどのつまりは、日本人の私は日本語が大好きなんだということだ。
Thank youのthの発音に気をつけて言うよりも、ありがとう、とさらっと母音で言える一言の方が断然好きだ。
母音も好きだが、普段あまりたくさんは聴かない日本語の歌の歌詞も良いと思う。英語は終始baby babyの繰り返し。
でも日本語の歌詞には、行間があって想像力に駆られる。
タイトルもそう。例えば、ASKAさんの「はじまりはいつも雨」を英訳したらどうなる?
翻訳アプリにかけると、
Openings are always rainy⁉︎
んー、これじゃなんだかワクワクしませんね。
何のオープニングかわからない。でも日本人にはなぜかこのタイトルだけでドキドキしてしまう、日本語ならではの幸福感が垣間見える。それぞれが勝手に(恋の)をタイトルにつけて聴いてしまう。
たまに、jpopを英訳している動画を観ると、ん?ん?この歌詞は、そんな無機質な歌詞じゃないでしょう?英語の語彙力ってそんなものなの?と思ってしまう。
例えば、今全世界で流行っている松原みきさんの「真夜中のドア」の英訳はこうだ。
knocking on midnight's door.
I beg you not to go home tonight.
この英文に何か哀愁を感じますか?しかもまたI が入ってます。私には、ただの"I"の今夜の行動にしか聞こえません。
"真夜中のドアを叩き帰らないでと泣いた"
この歌詞はどうです?これは、とてもせつない光景が浮かびます。英語のネイティブの方はどうなんでしょうか。
やはり日本語ってマイナーな言語ではあるが、素敵な言語でもあるんだと思う。
日本人にしかわからない、AIにも英訳できない言葉たちを使える民族が日本人なのだと。
そんなことを思っている時に、偶然こんな記事を読んだ。
「ロゼッタが全社員に英語禁止令」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000077.000006279.html
目からウロコだ。私のように英語に悩まされ、英語に苦しめられてきた人たちが英語から開放されるそうだ。こうであってほしい。今どき、英語くらいできないと、という世の中になってほしくない。イタリア人のようにイタリア人であることを誇りに思うからこそ、イタリア語しか話さない。私はそれでいいんだと思う。
もちろん英語が話せると視野や世界や交友関係も広がるし、いいことづくしなのだろう。
でも、苦手なことや苦しいことを無理に続ける必要はないんだ。
そう考えたら、ずどんと肩の荷がおりた。
私は来週の日曜日、会社が払う受験料で、最初で最後のTOEICを受ける。もちろんノー勉強なので、散々な結果は目に見えている。
でも堂々としていよう。だって私は日本人なんだもん^_^
長くなりましたが、読んでいただき、ありがとうございました。私のような英語アレルギーの方がコンプレックスから解放されることをお祈りします!
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#母国語を愛そう