人生フルーツ
恵比寿ガーデンプレイスで野外上映された『人生フルーツ』を観てきた。
(※ネタバレ少々あり)
愛知県春日井市の高蔵寺ニュータウンの一隅。雑木林に囲まれた一軒の平屋。それは建築家の津端修一さんが、師であるアントニン・レーモンドの自邸に倣って建てた家。四季折々、キッチンガーデンを彩る70種の野菜と50種の果実が、妻・英子さんの手で美味しいごちそうに変わる。刺繍や編み物から機織りまで、何でもこなす英子さん。ふたりは、たがいの名を「さん付け」で呼び合う。長年連れ添った夫婦の暮らしは、細やかな気遣いと工夫に満ちていた。そう、「家は、暮らしの宝石箱でなくてはいけない」とは、モダニズムの巨匠ル・コルビュジエの言葉。
映画の主人公は、修一さん(90歳)と英子さん(87歳)のみのドキュメンタリー映画だ。ナレーションは樹木希林さん。
そもそも自分は邦画を観ることがほとんどなく、何の前知識も入れず、ただ観に行った。
風が気持ちよい日曜日の夕方。そこには映画好きの人々が集まっていた。
こんなに集まるほどの映画なのか?
開演まで1時間以上待たされ、すっかり空が暗くなり欠伸をして待っていた私は、始まるとすぐに画面に映し出された、ドアップのさくらんぼに目を奪われた。
ご夫婦が作ったさくらんぼの木に咲いたその果実の美味しいそうなことと言ったらもう、言葉にできない。
私は大のフルーツ好き。今日もこの映画のタイトルに心を奪われて来た。
イチジクや苺などたくさんの果物や野菜を自分の土地で耕し育てる。
英子さんは、その採れた果物たちを40年物のオーブンでスポンジケーキを焼き、これまで店で売っているケーキでは見たことのないたくさんの苺の量をケーキの上に敷き詰める。
さくらんぼは、ヨーグルトと一緒に食べたり、たくさんの野菜を使った料理が次々と出来ていく。
他にも、ご夫婦は一緒に餅をついたり、二人で作ったものをどんどん形にしていく。
自分で果物を作り、食べる。毎日、それだけができたらどんなに幸せだろう。
コンクリートに囲まれて生活をしている会社員には本当に羨ましいかぎりだ。
もちろん、大変なご苦労をされていることは承知している。
果物は値段がとても高い。それは、価値があるからだし、手をかけて作ってくれる人がいるから。
高くても、私は四季折々の果物を食べずにはいられない。自分の庭が果物でいっぱいになっていたら、楽しいだろうなと想像してみる。
幸せな時間。
そして、パートナーとコミュニケーションを取り、一緒に生きていくこと。
私にはその選択肢はないけれど、パートナーがいることや結婚って素敵なことだなと心から思えた。
途中、悲しい出来事もあったけれど、とても心が温かくなる映画でした。
残念ながらまた観ることができない映画だが、観られる機会があったら是非観ていただきたい作品だったので共有します。
#人生は長く生きるほど美しい
#人生フルーツ
#人生には果物がある
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