ふたりはミチナナ 〜She is in Utero〜
わたし達を強襲した敵の正体は少女だった。それほど強い訳でもなく簡単に捕縛できた。
「君、名前は何と言う?」
「も、モエは名前を敵に漏らすような馬鹿な真似はしません!」
「モエと言うのか。私達を襲った理由を教えてもらおうか」
「モエは鶴岡さんの忠実な部下なのでそれは言えません!」
「鶴岡という人物が君の上司か。君の口を割るのは簡単そうだな」
「ジン、なるべく手荒な真似はやめてあげなさい。この子はどうせ大した事は知らないだろう」
「それもそうですね。では処遇はどうしましょう?」
「ボスから指示が出るまでは地下に置いておけば良いだろう。こんな非力なお嬢ちゃんだ。手足を縛る必要もなかろう」
「も、モエは助かるですか!?」
「おそらく命はね。だが我々のボスがどのような指示を下すかによるね。」
「そんなぁー!」
「大丈夫です。もしもボスがわたし達に貴女を始末するように指示を出しても、わたしが何とかします」
「ナナは優しいのだな」
「当然です!こんなわたし達と同年代の少女を手にかけるなんてできません!」
「わたしもナナしゃんと同意見です!」
「だがもしこの少女が人間でなければどうするのかね?」
橘ジンは徐に懐からナイフを取り出してそのモエという少女の腕に突き刺した。
「えっっっ!?いたい!!!!」
「な!?!?何をしてるんですかあなたは!!!!」
「血の色は赤か。だとするとバケモノの類ではなさそうだ。ミチルちゃん、治してあげなさい」
「は、はい!ホール・ロッタ・ラブ!」
ミチルの能力によってモエの傷は一瞬で塞がった。
「ペリーコロさん!この人を処罰してください!」
「なぜじゃ?ジンは少女の正体を調べるためにナイフで傷を付けた。何の理由もなく幼気な少女を傷付けたとなると問題点だが、そうではない。それにミチルちゃんに傷を癒す能力があるのを知った上での行為だ。そうだろう、ジン?」
「ええ、仰る通りです。ペリーコロさん」
ナナとミチルは自分達が所属する組織に不信感を抱くのであった。
〜 一方その頃某所 〜
「モエはどうなった?」
「彼女でしたら鶴岡様の思惑通り無事に彼らに捕縛されました」
「そうか。では次の作戦に移れ、三島」
「分かりました。鶴岡様の仰せのままに」
To Be Continued...
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