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ふたりはミチナナ 〜God Save The Queen〜

夜中、わたしが部屋で勉強をしていると窓の辺りから猫の鳴き声が聞こえてきた。野良猫だろうか。しかし毛並みは良く艶があるので飼い猫だろうと推測できる。わたしは猫を部屋に入れてあげた。

「猫ちゃん、どうしました?おなかが減ったんでしょうか」

「にゃーん」

「何か食べられる物を探してきますね」

わたしがキッチンに向かおうと猫に背を向けると急に人の気配がした。

「驚かせてしまってすまない。この姿では家に入れてもらえないと思ってね」

「け、警察を呼びますよ!!」

「それはどうか勘弁願いたい。私は橘ジン、君に頼み事があってこのような強硬手段を取らせてもらった。」

「分かりました、お聞きしましょう。ですが少しでもおかしな挙動をしたら叫びますからね。それでどのような用件でしょうか」

「君は柊ナナを知っているね」

「ええ、わたしの恋人ですが何か?」

「その柊ナナのサポートをしてもらえないだろうか」

わたしはその橘ジンという男からナナしゃんには人類の敵という存在に対抗できる潜在能力がある事、その能力は諸刃の剣で使い方を誤ると人類を滅ぼしかねない事を聞いた。なんでもナナしゃんがその能力を使っている間は、彼女に宿っている悪霊のような存在が主人格として顕現するようだ。それを抑制する能力がわたしにはあるそうだ。

「つまりわたしがナナしゃんのブレーキ役になると?」

「端的に言えばそうなるね」

「もしナナしゃんが能力を発動している時にわたしがいなければ」

「悪霊に心身を乗っ取られて消滅する」

「分かりました。それでわたしはどうすれば良いのでしょう」

「話が早くて助かるよ」

橘ジンは不敵な笑みを浮かべた。

To Be Continued...



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