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ある日、私はブラック企業の凄さを知った。No.001

はじめまして、こんにちは、七海(ななみ)と申します。
ご覧いただきありがとうございます。

4月!
退職RTAやらなにやらがSNSをにぎわせている中、職場の方が、「息子がさぁ、就業時間は9時で定時5時半なのに、朝7時半には職場に着くように家を出て、帰ってくるの11時なんだよね」と話していました。
そんな話を聞いてしまい、つい「え、それタイムカードはどうしてるんです?」と聞いてしまいました。
どうやら聞いたところ、タイムカードは朝きるのは9時、終わりもきっかり定時に切らされているらしく、「いまはパソコンの稼働時間とかメールでやり取りの履歴が残っていたらそれも証拠になるので、労基署行ったほうがいいですよ」という話をしました。

そんな話をしながら、(そういえば私が1番最初に務めた会社もブラックだったなぁ)と思い出しました。
それなりに長くなりますが、お付き合い下さいませ。

ざっくり何があったのか

どんな話かっていうと、ざっくりいうと「会社から退職勧奨受けたけれど、拒否していたら入院中に自分はやめたことになっていた挙句、解雇通知渡されたので、労働審判→裁判をおこした」です。
とはいっても、そんなあっさりさっくりいったわけではありませんでした。

事の発端

事の発端は、2013年7月上旬と9月下旬におきました。

当時、私は神奈川県でK社に正社員として雇用されており、K社と同じS駅にある、駅から徒歩15分前後ほどのところにある施設Rに受付職として勤務していました。
その施設はスポーツなどでリハビリを行うことを目的として作られた施設で、1階には体育館やプールがあり、2階にはボーリング場、外にはそれなりに大きめのグラウンドがありました。

その①

そんなある日、とある中年の男性がいらっしゃいました。
それが2013年7月上旬でした。
彼はよく、その施設の課長である八重樫さん(仮称)を呼んでほしい、と受付に来る方でした。
ところがその日は受付には来ず、受付カウンターわきにある事務室の入り口へと向かっていったのです。
どうしたのかな、と思っていると、なんとそのまま事務室に入っていくではありませんか!!
私が一番近いところにいたため、すぐさま「そこは事務室なので、利用者の方の立ち入りはご遠慮いただいています」と制止すると、ものすごい剣幕で「俺はええねんや!!」と一言。
その日はタイミング悪く八重樫さんはお休みだったためそのまま帰られました。
ですが、その後2か月にわたってその方は、八重樫さんやいろんな施設職員さんを捕まえては「受付のことで言いたいことがある」といい、ついには受付職を委託しているK社(私が正社員雇用されている会社)の名前を聞き出すことに成功。
9月上旬、K社(K社と施設Rは、距離にすると5分ほどのところにあります)に行き、直接クレームを入れたとのことでした。

その②

さらにタイミングが悪いことが続きます。
それは、同年9月28日のことでした。

利用者が多くなると、当然施設の設備を利用するのに待ち時間が出てくるのですが、その待ち時間が出てくると、各施設から受付へ「いま○○分待ちです」と連絡が来ます。
そして、その連絡を受けた受付スタッフが、受付カウンター後ろにある大きなホワイトボードに、待ち時間を記入していくようになっていました。
さらに、待ち時間のある施設を利用希望の方がいらっしゃった場合には、その待ち時間も伝えるようになっていました。

その日いらっしゃったのは、前述の「その①」とは別の中年の男性でした。
彼はボーリング場を利用したいと受付に来られたのですが、その際に待ち時間はあるか?と尋ねてきました。
私はボーリング場から待ち時間がある旨の連絡を受けた記憶はなかったため、ホワイトボードを確認しましたが、やはり待ち時間の連絡は来ていないらしく、待ち時間がある旨の表記はされていませんでした。

そこで、男性にホワイトボードのことを案内し、待ち時間の連絡はないためそこまでお待たせせずに利用できると思います、とお話しました。
男性は「じゃあいけばすぐにできるんだな?」と聞いてきたので、私は「もしかしたら何人かは利用しているかもしれませんが、受付ではそこまではわかりかねますため、直接ボーリング場でご確認いただけますか」とご案内。

*ちなみに、実際何人が利用しているのかは本当に受付ではわからないので、当時のマニュアルではリアルタイムの待ち時間は利用者に直接施設で確認してもらうようになっていました。
理由として、聞かれるたびに内線かけて確認していては、受付側も各施設側も業務負担が半端ないため。

すると、男性は突然「お前は不親切だ!!」と怒鳴りだしました。
当然その声は、事務室にいる他の施設職員にも聞こえたわけで。
施設職員の松さん(仮称)と、シフトで受付に一緒にいた高林さん(仮称)が宥めてくださり、その日は施設を利用せず帰っていきました。

その後、この件を課長である八重樫さんに報告。
「申し訳ありませんでした」と謝罪をし、八重樫さんのほうも「まあいろんな人がいるからね、あまり気にしないで」と言われました。

が、なんとその1週間後の10月4日。
彼は「このことは市に言う!!」と、クレームを言いに再度来訪されていたそう。

退職勧奨

このことを、施設R側がどうK社に報告をしたのか。
本当のところはわかりません。

10月7日の勤務中に、K社の小松課長(仮称)が訪ねてきました。
要件は、「勤務後に会社によってほしい」とのこと。
了承し会社にいった私は、小松課長から退職勧奨(七海さんの勤務は難しいから、自主退職をしてほしい)をうけました。
この時点での退職勧奨の理由としては、以下の通りでした。

  • 施設R職員である松さんより、「七海さんのこれ以上の受付勤務は難しい」と言われた。

  • 9月28日の利用者に対し、どのような言葉遣いをして怒り出したのか覚えていないのでは業務適性がなく、問題がある。

  • 2年前の2011年に、PCのWordを私的に利用しており、反省文と「今後問題を起こした場合はいかなる処分にも応じる」という誓約書を提出している、またこの時に賞与の減給処分も受けた。にも拘わらず、この直近でクレームを2件も起こしている

  • 私を指すと思われる投書クレームが、施設側に過去数枚届いている

以上を理由として、10月7日~24日の間に、小松課長の他、山中部長(仮称)、木村主任(仮称)の3名より、勤務終了後に会社に呼び出しを受けたり、近隣のカフェに連れ出されもし、1~2時間ほどの退職勧奨を4回受けました。

いや・・・どんな言葉使いをしたのか覚えてない、って。
私は「怒らせるような物言いをした覚えはありません」とは言ったけど、「何と言ったか覚えていません」とは言ってないですよ?

その後

ところで、退職勧奨が4回で終わったのかといえば、そういうわけではありません。

実はこの時、私は猛烈な脇腹の当たりに痛みがあり、通院をしていました。
近隣の内科を受診した時にはおそらく盲腸でないかと診断され、薬を処方されたのですが、まったく効き目がなく・・・大きめの病院に行って診察をうけたところ、「某卵巣嚢腫」だと診断されたのです。
その手術を11月上旬に予定していたのですが、10月28日に猛烈な痛みに襲われ病院に行ったところ、翌日29日に手術を行うことになり、10月29日~11月2日までの5日ほど、入院しました。

ちなみに、この10月28日。
私はあまりの痛みに仕事を早退、母親に迎えに来てもらい、そのまま病院に行っていたのですが、帰宅すると父親が誰かと電話をしていまして。
誰かと思えば、小松課長!!!
この日時点で4回の退職勧奨を受けていたのですが、私が首を一向に縦に振らない為、どうやら親から私を説得させようとしたらしいですね・・・
私が、親に「退職してほしいと会社から言われている」と言っていないとおもっていたのかもですが・・・

入院するのに断りを入れないわけにはいかないと、受付職のシフトを管理している柴田上長、小松課長にその旨を連絡しました。
その際、「退院したら改めて連絡します」と言うことも忘れずに。

しかし、なんと、ここでまたもや驚くべきことが起きました。
施設Rは運動施設であるが故に、けが人が出た時のために常時看護師さんがひとりいます。
その看護師さんのひとりである榊原さん(仮称)より、入院してすぐにメールが来たのです。
内容は、「回覧板に、『七海さんは10月いっぱいで辞めました』って柴田上長が書いた紙があったんだけど」というもの。
開いた口がふさがりませんでしたね。「まじか」と。

私はそれに対し、「教えてくださりありがとうございます」と返信。
知らないふりをして、退院した日に「退院したので一度うかがいます」と柴田上長に連絡し、11月5日に施設Rに11月分のシフト表をもらいに行きました。
休憩室で待っていてといわれ、行ったところ、休憩室にあるシフト表には、榊原さんから聞いた通り本当に私の名前がない!!
あげく、一番下の列には、新人さんと思わしき方の名前とシフト。

まじか・・・というか行動早いぞK社。
確かに退職は迫られているけど、私、まだ辞めるなんて言ってないんだけど。

と思いながら、柴田上長に「11月のシフト表をもらいに来たのに、私の名前がシフト表から外されているのはどういうことですか」と質問。
すると柴田上長は、「私は小松課長から七海さんは辞めたって聞いたからそうしただけ。小松課長に聞いて。でも七海さんだって心当たりあるでしょ?」と。

話し合い、そして解雇予告通知書。

その後会社に電話をしました。
結果として、人事部の松尾さん(仮称)から折り返しあり、私側の事情を聞きたい、とのことでした。
七海さんも退院明けでこっちまで来てもらうのは大変だと思うからと、家の一番近くの駅にあるカフェのチェーン店で話をすることに。
もちろん過去4回の退職勧奨のことを話しましたが、松尾さんも会社側の人間ですし、私1人の言い分と、小松課長・山中部長・木村主任3人の言い分では、どちらに天秤が傾くかは自明の理。

後日松尾さんから、「病み上がりで申し訳ないけれど、判子をもって11月11日に会社に来てほしい」と電話がありました。
そして、そこで松尾さん・小松課長から「12月11日付での解雇予告通知書」を渡され、その日までの1か月は有給消化、のこりは欠勤扱いになる、と説明を受けました。

おまけに解雇条件も前述したものとうってかわっており、挙句の果てに「12月10日振り込まれる解雇予告金(会社独自の名前?)の支払いをもって、今後一切の債務債権がない」旨の誓約書の提出を強要されました。
判子をもってきて、というのはこの誓約書に押させるためだったわけですね。

混乱しながらも「判子は押せない」「持ち帰って、親に相談したい」と、その場での捺印を拒否したものの、松尾さん・小松課長・山中部長・木村主任の4人から、代わる代わる「このままでも結果は変わらない」「どうしようもない」「自業自得なんだから」「親に相談したって意味がないんだから」「早く判子押しちゃいなって」と・・・。
このままではとても帰してもらえそうになかったので、車で送ってもらっていた父に同席をしてもらうことにしました。(実はこの時、携帯を通話状態にしたまま服の中に隠し持ち、ずっと父に聞いてもらってました)。

父親は解雇予告通知書を見ると、それをポケットにしまい、

①事件の事実確認、また詳細な検討
②解雇ということなら、従業員の生活保障として、退職金などもあるべき

の2点を提案し、その場は小松課長らは「検討します」とのことで解散となりました。

が、11月28日に松尾さんより電話があり、「誓約書の提出をしてもらえないのであれば、解雇予告金も、11月分の給与、12月支給予定の賞与、退職金、その他支払い義務のある賃金は一切支払わない」という返答が。
なので、弁護士さんに相談することにしました。

弁護士さんに相談

相談したのは、都内でかなり大手の弁護士事務所に所属しているという、父の知り合いの弁護士さんでした。
経緯をまとめた紙と、退職勧奨を受けた時・解雇予告通知書を渡された時の録音データを持ち、相談に行きました。
*録音機器を1回目の退職勧奨を受けた後に購入し、以降はずっと録音を取っていました。
そして、その弁護士さんにK社宛に内容証明を送ってもらいました。

▼内容証明って?
内容証明郵便とは、「いつ」「誰が」「誰に」「どういう内容の」郵便を送ったかを証明する郵便を指し、未払い賃金の督促や契約の解除通知などの場面で利用されます。

しかし、なんとその弁護士さんは、そこまで労働問題に強くないらしく(先に 言ってほしかった・・・!)。
そこで、内容証明書を出したものの、別の弁護士さんを探すことにしました。

その弁護士さんは、M合同弁護士事務所のN先生とK先生。
お二人ともとても親身になって相談に乗ってくださり、最後まで心強く戦うことができました。

労働審判から労働裁判、そして結果

M合同弁護士事務所に相談し、1年ほどで労働審判へ。
しかしここで思ったような結果が得られえず、そのまま労働裁判へと移行。
さらに1年半ほどの月日を経た2016年。
それまでの分の賃金や慰謝料的なものを含め、当初こちらが要求していた金額の2倍近くの金額を支払ってもらうことができました。
*金額については、裁判時の条件で言えないことになっています。

そのお金は、1.5割を自分と家族に使い(家具や家電、洋服やカバン、旅行)に使い、のこりは貯蓄していました。
現在ではその貯蓄分のほとんどを株式投資にいれていますが(笑)

そして、それからかなり時間が経ち、2・3年前のお正月に、同じ受付職であった高林さんが、いまは祖母と同じ会社で働いていることが発覚!
祖母が持っていた社員旅行の集合写真を見て、「あれ、この人高林さん?」と私が気づき。
祖母が電話で「七海ちゃんって知ってる?」と聞いたところ、やはり施設Rで同じ受付職だった高林さんでした。
当時は挨拶も何もできずのままだったのを謝り、お互いの近況報告をしたのですが・・・

なんと高林さんに聞いた話、小松課長は課長から降格させられ、彼女が退職した当時は、どこかのビルの警備員として従事しているそう。
山中部長と木村主任はわかりませんが、姿が見えないことから辞めたか別の場所に転勤になったのではないか。とのことでした。
柴田上長はいまだに施設Rにいますが(去年の3月、ほんの出来心で施設Rに約10年ぶりに行ってみたところ、まだいました。向こうはこちらに気づいていないようでしたが)。

長くなってしまいましたが、ざっと、私が経験したブラック企業でのお話でした。
時間があるときに、ひとつひとつ詳しく書いていければと思っていますので、お時間あるときにでもお目通しいただければ幸いです。



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