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air_mezzanine
私と私のお話⑤ Yより『私』
「えー、私をつくりだしたのは私だよ」
笑顔で言ってきたY。
「信じてないしょ?私をつくりだしたのは私なんだから!」と頬を膨らませ、少し不機嫌な様子。
「私は っていうの。ちゃんと名前もあるし、人間だし!でも、まあ、生身ではないよね」
少し悲しい表情をしてYは言った。ちなみに幽霊でもないよと付け加えた。Yは少し考えてから、自己紹介するね、と言った。
「私は、 っていうの。あ、さっき言ったか。よくNが呼ぶ子だよ。性格は、よく喋って、よく笑う。私からは物おじしない性格で、ズバッと言うことが多いって言われた」
笑顔で話すYを見ていると嘘をついていないことが分かる。
鼻歌を歌いながら「私が作られた理由知りたくない?」と聞いてきた。
Yはお喋りでもあり、話たがりでもあるようだ。
「私ができた理由はね〜」と返答をしていないのに話し始めた。
「私ができた理由は、分からないの!でも、呼ばれたのは確か。それから、私をいじめてくる人には容赦しないってのは、つくられた時に思ったこと。
あ、でも、なんとなく、つくられた時、私は心にすごく傷ついていたんだよね」
覚えていたんだけどなあーと言って思い出そうと頭を抱えるY。
Yがつくられた理由も、それからのこともーーー。
私が知っている。
私の中の私の世界。
登場人物
N(私)→この記事を書いている人。
Y(私)→この記事を書いている人のもう一人の自分。