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Photo by
yriica
私と私のお話①
私(N)と私(Y)の出会い
今では懐かしい黒電話を鳴らす。
ベルが鳴る音は遠くから聞こえるのに、取る主は現れない。仕方なくNは受話器を置く。するといつもの扉が音も立てずに出てきた。
Nはその扉を押して、中に入った。先ほどいた場所と変わりない。
ただ違う点と言えば、小さな頃のNがいることで、砂場で土いじりをしている。
Nは小さなNに近づくとそばにしゃがみ「何しているの?」と声をかけた。
「んー」と小さなNは言った。
具体的な言葉は発さない。でもなんとなくNは理解した。Nも近くで小さな山を作り始めた。
これがNとYが出会う方法で出会った時の出来事の一つ。
NがYを作ったのは、些細な出来事からだった。
確か中学生の時に小説を書くのにハマって、出来上がった人物がYだった。ちゃんとフルネームがある。今のところは名前の頭文字をとってYとしておく。
NとYは瓜二つだけれど、ちょっと違う部分がある。でも具体的にどこかと言われると、説明ができないが、そのうち分かると思う。
これはN(私)とY(私)のお話。
登場人物
・N(私)→この記事を書いている本人。
・Y(私)→この記事を書いている本人のもう一人。Nが作り出したもう一人の自分。