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mecks7
私と私のお話④ Nより『殺』
「死んだ」
あ、また。
あ、また。
ああ、まただ。
私は数えきれないほど死に、生きてきた。
私は、殺されたのだ。
いつも突然殺される。
その方法は分からない。
気づいたら大量の血が流れている。
お腹を触ってみると手は真っ赤に染まる。
時々、違う方法もある。
でもそれがどんな方法なのかも、思い出せない。
私は顔の見えない何者かに殺されたのだ。
気づいたら出血多量、危険な状態で、数分後には死んでいる。
何度も泣き、何度も殺され、何度も死んだ。
私は幾度となく死んでいる。
言葉は見えない刃物である。
見えないからこそ怖い。そして、いつの間にか殺されている。
言葉が私を殺してゆく。
守ることは、死に追いやることだった。
言葉に殺されるくらいなら、自分から死を望む。
死にたくない。
生きたい。
生きたいのだ。生きてゆきたいのだ。涙を流しながら私は言う。
「生きたい」と。
「頑張れ」という言葉はこの世で残酷な言葉だと思う。
Nは『言葉』によって殺された。『言葉』で死んでいった。そして生きてきた。
N(私)の見てきた世界