鬼滅の刃18巻感想 猗窩座の悲しき過去、明かされた伊之助の母親
猗窩座との激闘が続くこの巻は衝撃でした。
劇場版無限列車編で誰もが煉獄さんに涙する中、職場の人が「でも私一番好きなの猗窩座なんだよね〜」と言ったのを思い出しました。
当時は、世界中の人を敵に回す発言だぞ?正気か?と耳を疑いました。
人間の頃のエピソードが泣けるの、と言われましたが、アニメ派だったので共感はできず。
まさか猗窩座に泣かされる日が来るとは。
悔しい。悲しい。
猗窩座の悲しき人生
猗窩座は炭治郎に頸を斬られたが死なず、身体から首を再生し始め、進化を遂げようとしていた。
その最中、炭治郎の影響で人間の頃の記憶が蘇る。
人間の頃の名前は狛治(はくじ)。
家は貧しく、病気の父親に薬を与えるために盗みを働いていた。
狛治は奉行所でどれだけ叩かれても耐えていたのに、息子が罪を重ねることに申し訳なくなった父親は自殺。
出だしからなんともつらい境遇…
狛治を拾った慶蔵は、素手で戦う武術の道場の師範。その広い土地を狙う隣の剣術道場から嫌がらせを受けて、門下生は無し。
娘が病弱で、看病に疲れた妻は入水自殺してしまったと。
娘・恋雪(こゆき)の姿を病身の父親と重ねる狛治。
看病の甲斐があり、3年後には恋雪は普通に暮らせるように。
そして慶蔵から道場を継いでほしい、恋雪も狛治のことが好きと言われ、自分の幸福な未来を想像する。
恋雪が照れてるのも、つられて照れる狛治も初々しくて、このシーンが頭から離れません。
ここから幸せになれば良かったのに、幸せであってほしかったのに。
この父娘が毒殺されるなんて。
目を疑いました。
嫌がらせをしてくる剣術道場の奴らが、決闘では勝てないからと井戸に毒を入れて、慶蔵だけでなく恋雪まで死なせた。
なんてことを…
鬼は理不尽だけど、人間は残忍だと思う。
花火を見る2人の会話に胸が詰まります。
来年でも再来年でも花火を見に行けばいいと、親すら諦めていた恋雪の未来を狛治は当たり前のように想像した。
2人で夫婦になる約束をして、一生恋雪を守ると誓ったのに。
父親のことも、恩師も未来の妻も誰1人として守れなかったから、猗窩座は誰よりも強さを求めて戦いに身を捧げる修羅となったんですね。
猗窩座の技は思い出の花火が由来で、術式展開の模様は恋雪の髪飾り、構えと技は慶蔵が教えてくれた素流。
明かされた設定のこぼれ話が追い討ちです…
そして狛治は素手で剣術道場の67名を惨殺。目や内臓が飛び散り、まるで鬼の所業。
無惨が噂を聞きつけ、狛治が人間であることをつまらないと吐き捨てたけど、ただの人間がすでに鬼のような強さであることは面白くはないのか。
自分以外から鬼が突然変異したって期待してたのかな?
己の過去と自分自身の弱さを思い出した猗窩座は、炭治郎に斬られた頸が再生しきる前に自分に攻撃をするが、身体は再生し始める。
最期に恋雪たちに赦してもらえて、人間の狛治に戻れて、恋雪に「おかえりなさい、あなた」と言ってもらえた。
今度こそ崩壊を始める猗窩座の身体。
こんなの泣きますよ〜〜!!
慶蔵が天国には連れていけないと言った時、累を思い出しました。
両親が息子のために一緒に地獄に行くなんて、優しい家族。
慶蔵がそう言ったのは、罪を償えというわけではなく、恋雪がいるから地獄にはいけないってことなんでしょうね。
でも恋雪の腕の中で炎に焼かれていったから、もしかすると恋雪は狛治とともに地獄に堕ちることを選んだのかもしれないですね。
生きている間は夫婦になれなかったけれど、ようやく帰ってきた狛治を抱き止める姿は、夫を支える妻そのものでした。
天国と地獄で離れ離れになっても、転生した先で家族になれればいいなと思います。
それにしても、猗窩座の頸を斬る前の炭治郎がこれから斬ると告げるなんて。
馬鹿正直にも程がある!!
私の頭の中で善逸が「馬鹿馬鹿!炭治郎の馬鹿!わざわざ敵に頸斬りますって教えるか普通!?」って叫び始めました。
その後普通に斬れるんかーいって。
全然笑うシーンじゃないのに可笑しくて、炭治郎がどこまでも主人公でもう。
気を失った炭治郎を庇った義勇さんが、炭治郎のことを家族同様に想ってるのが伝わってきて嬉しかったです。
猗窩座を撃破後、気絶した炭治郎と義勇さん。無惨の前に満身創痍だよ…
この状態で一晩戦い続けるのしんどいって。
そしてカナヲと対峙する童磨が、猗窩座は女を殺さない上喰わなかったと暴露。
人間の記憶を失くしても、猗窩座の心には恋雪がずっと居たんだね。
コミックス裏がズルい〜!
これは出会ったばかりの狛治と恋雪でしょうか。恋雪の調子が良く、外に出られた時に猫を触らせようとしてる。
野良猫に触れるなんて普通のことも、恋雪にとってはドキドキすることなんですね。
猗窩座の過去の何がつらいって、自分が守りたいと願った人には自殺され、毒殺されてしまったこと。
強くなりたい、守りたいという純粋で優しい願いが妄言になってしまった。何も果たせず復讐のために自らが修羅となった。
鬼に突如として幸せを破壊される世界で、狛治の幸せを壊したのは人間であることがつらいです。
感情剥き出しのカナヲと伊之助の母親
心に感覚がなく、感情を理解できないことを悟られないよう振る舞う童磨を静かに嗤うカナヲ。
かつて感情を出せずにコインを投げて決めていたカナヲが、そんな生き方はつまらないと切り捨てる。
蝶屋敷で家族に囲まれて幸福を感じられるようになったからこその言葉に感慨深くなると同時に、敵を嘲る表情にゾクリとします。
カナエもしのぶも殺されて怒りと憎しみが煮えくりかえるカナヲ。
童磨の猛攻に押され、ついには刀を取られてしまう。
大ピンチに駆けつけたのは伊之助!
場の空気が一気に変わり、童磨も引いてる。
分かるよ、伊之助はなんかもう、猪突猛進を身体で現してる独特な子だよね。
ボロボロのカナヲを見てしのぶに怒られるぞと焦る伊之助。
しのぶさんが怒るのは伊之助がやんちゃしてるからなんだよなあ。
カナヲの表情ですぐに察する伊之助。
彼女は俺の中で永遠に生き続けるから死んでないとほざく童磨。
もういい、お前はしゃべるな。お前がしのぶさんのことを口にするな。
手当てをしてくれたしのぶの笑った顔を思い出し、伊之助も殺意を露わに。
腕の関節全部外して全部直した伊之助にカナヲが一番びっくりしてる。レアな表情。
猪の被り物を盗った後に見えた伊之助の素顔から似ている女性を思い出し、琴葉が母親だろうと言う童磨。
ゆびきりげんまんの子守唄が脳裏に蘇る伊之助。こんな赤ん坊の頃の記憶あるんですね。
夜なので、崖の下に水があること分からなかったはず。崖から赤子を落とすなんて、下手したら自分で伊之助を殺していたのに、一縷の望みをかけて手放したんですね。
自分の母親を殺した鬼だと分かり、伊之助の目が本気に。
2人で童磨を倒して仇を討って。頑張って!!
おまけページで、ちょくちょくキメツ学園の設定が出てきますね。
鬼滅のアニメが全部終わったら、学園モノのパロディやりませんか?
平和な学園生活をただ眺めていたいです。
続き
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