一般企業の酒飲みがSAKE DIPLOMA二次試験に一発合格した方法
飲食業や宿泊業、酒造メーカーなど酒類に関連する仕事をしている人であれば、普段から業務上でも日本酒を飲む機会があり、飲んだ日本酒を評価する経験もあるでしょう。しかし、僕のように一般企業に勤務している場合は、日本酒を飲む場は仕事帰りや休日の飲食店が多く、飲んだ日本酒を客観的に評価する経験なんて普通は無いと思います。
だから、二次試験のテイスティングにおいては酒類に関連する仕事をしている人の方が圧倒的に有利で、一般企業に勤めながら合格するには何らかの策が必要だと感じていました。
最初に取り組んだのは基準づくり
酒販店で購入してきた何本かの日本酒を飲み、テイスティングシートを使って、見た目や香り、味わいの評価を行いました。ここまでは誰でもできます。重要なのは、自分の評価が合っているのかどうかです。
本来、テイスティングには正しい答えは存在しません。人の感覚によるものですので、100人いれば100通りの評価があって当然です。ソムリエがスイカズラの香りがすると言っても、自分はそう感じなくても別にそれが間違っているわけではありません。
しかし、試験には必ず答えがあります。答えがなければ評価することができないからです。では、二次試験のテイスティングの評価基準は何なのだろう。一番最初に悩んだのはこれです。
ワインスクールに通える人はスクールが用意した基準を元にテイスティングすることができます。でも、独学の場合は自分で基準を用意しなければいけません。僕は後者で、自分で基準づくりを行う必要がありました。
ソムリエ協会会長の著書を徹底分析
僕が基準づくりで使用したのがこの本です。
この本には日本酒100本以上の田崎氏のテイスティングコメントが載っています。このコメントで使用されている表現や用語を特定名称と関連づけることができれば、本番に対応できる基準づくりが行えるのではないかと考えました。
まず、本に載っているコメントを全てテキストに落とし込みました。精度の高いOCRがあればそんなに面倒ではないのですが、僕はバカ正直に全てのテキストをパソコンで打ち込みました。
その後、テキスト化したコメントを分析しました。分析にはテキストマイニングのツールを活用しました。このツールを使用することで、用語同士の関連度合(強弱)や、使用頻度など様々なことが分かりました。
最終的には特定名称を軸にして、それに関連する用語をピックアップして一覧にしました。さらに、試験本番で使用される用語だけを抜き出せば、自分専用の評価基準の出来上がりです。
特定名称さえ判別できれば、あとは暗記で対応できる
この作業を通して、僕は特定名称に関連する用語は全て覚えることができました。今でも例えば大吟醸酒であれば、どんな用語で表現すればよいのかすぐに思い浮かべることができます。
でも、重要なのはそこではなく、特定名称の判別です。口に含んだ日本酒の特定名称やタイプが分からなければ、暗記した用語を使うことができません。また、判別が間違えば、全く関係のない用語を選ぶ確率が高まります。
そこで、特定名称を当てるためだけのトレーニングを集中的に行いました。寝る前に5種類の日本酒から2本をランダムにピックアップして、比較試飲を行い、特定名称の特徴を捉えようとしました。
この比較試飲を通して、純米系とアル添系の違いはほぼ100%の確率で分かるようになりました。この特定名称を当てるための比較試飲にかなりの時間を割いたことが合格の要因だと考えています。
試験合格を目的とした試験勉強を
このような勉強方法はワインスクールと比べれば邪道でしょう。でも、どんなに邪道であっても試験に合格すれば問題ないと思っています。逆にワインスクールでどんなに高度な勉強ができたとして、試験に落ちれば何の意味もありません。
試験は受かってナンボ。合格するための最短ルートと、自分にとって最適な勉強方法を用意することが一番大切です。
NANAME KIKAKUで販売している教材はこのような私自身の経験を元に開発されました。当然、万人受けするような教材ではありません。でも、フィットした人にはプラスの効果があると信じています。